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読み聞かせが「うまくいってない」と感じるなら、この3点を確認しよう。

読み聞かせに付き合ってあげている

「ぼくたちは、
大人の読み聞かせに付き合ってあげてる」
小学生が、こう言ってるのを実際に聞いたことがあります。

ふいに後ろから聞こえたこのセリフ。
わたしは、一瞬にして体が棒のように固まってしまいました。

長く読み聞かせに関わっているわたしには、
衝撃のひとことで、

カクカクと音がなりそうに不自然な格好で
恐る恐る振り返って見たら、

声の主は、悪意もなく
当たり前のことを言っただけという
普通の顔をしていた。

よけいにじわっと真実味を感じたのでした。

子どもと大人の感覚のズレ

この男子のいう「大人の読み聞かせ」とは
親が子どもに読むスタイルではなく、

小学校やイベントなどで行われる集団に対しての
読み聞かせのことを指しています。

付き合ってあげているということは、
面白いと感じてない。

では、大人も、
同じようにつまらないと思っているかというと

そうとは限らない。

ここが大きな問題点。

わたしが感じている範囲で言えば、
読み聞かせに充実している大人は多い。
それは自分自身も含めて。

「子どもたちと触れ合えて嬉しい」
そんなことを言ったりしてる。


子ども→つまらない
大人→充実
このギャップはなぜ起きるのだろうか。
 

全くの私見だけれど、
原因は3つ絞られると思っている。

うまくいってないときの、チェックポイントは3つ

17年読み聞かせをしてきて、
自分のだけでなく、
他者の読み聞かせにも数多く触れてきた。

その中で感じている
うまくいってない絵本の読み聞かせは
こんな特徴がある。

➀聞こえない・見えない

➁読み手の押しつける願いが強すぎる

➂内容がわからない


ひとつひとつ掘り下げてみよう。

➀聞こえない・見えない


一番前の子だけでなく、集まった全員に
声を届けなければならない。絵も見えなければならない。

そうでないと、楽しくないのは当たり前だ。

ただ、一番後ろまで聞こえているか、見えているかは、
読んでいる本人には分からない。

できれば、誰かもうひとりの大人に後ろに行ってもらい
聞こえるか、見えるかを確認してもらうといい。

この時、「自分は声が大きいから」と
過信するのは危険です。

風向き、日の光の入り方、隣のクラスのざわめき、教室の大きさなど
その当日の環境でいかようにも見え方聞こえ方は、変化します。

声が小さい人は、
声が届くくらいの人数での読み聞かせをするか
声が届くように訓練する。

見えない本は、選ばない。
もしくは、見える工夫を加えるといいです。

➁読み手の押しつける願いが強すぎる

これも、悲しいかなアルアルです。
わたしもやってしまいがちで、
反省するポイントのひとつです。

「三年生には伝えたいことだから」
「この絵本、いい本だから」
「この時期に読まなくちゃ」

その思いが強ければ強いほど、
子どものことが置いてけぼりになる傾向に。

「本への思い」のほうが、
「子どもが求めていること」より
強くなってしまう
といえば、わかるでしょうか。

もちろん、思いを込めて
絵本を読まなければ子どもまで届きません。

でも、それが
「知らない子どもたちに教えてあげよう」スタンスだと、
とたんに子どもは逃げ出したくなるのです。

教える、伝えてあげるという
上から目線をいったん脇に置いて、

「楽しいよね」と共有する気持ちのときに
一体感を感じる読み聞かせになる
なあと体験から感じます。


➂内容がわからない

「つまらない」の原因は、「わからない」であることが多いです。

チンプンカンプンな物理の素晴らしい発見を聞かされても
ひとつの単語も分からないと、
ただつまらない時間。

例えば、古い名作絵本の中には、
今の子どもにはなじみのない「物の名前」や
「風習」が描かれている事も多いです。

どう対応したら、いいのか。
ケースバイケースで、おそらく正解はないけれど、
自分なりにここを工夫できているかは
一度振り返ってみてもいい。

〇歳向けと書かれている絵本でも、
目の前の子たちに合っているのかも
確認してみよう。

例えば、
絵本の中によく出てくる「電車」も
一度も乗ったことがない子だって、一定数いたりする。
「いつも車だから」と言われて、わたしも焦ったことがあった。

分からないもつまらないが、
逆に、内容があまりに年齢より低すぎて
「バカにしているのか」と感じる子どもも存在することもあり、

本当に難しい。

本気で相手を見ているか

どの原因も、突き詰めて言えば、
大人の側が、子どものことを
どこまで理解し想像してあげられるかにつきる。

もちろん、完璧に他者を理解することなど
わたしたちには、無理なことで、そんなことは不可能だ。

でも、少なくとも、自分の都合ではなく
子どものことをなにより分かろうという気持ちを持っているか
奈のではないかと思う。


具体的な行動としての、打つ手はたくさんあります。

本当に、ちょっとの工夫で、
読み聞かせは劇的に変わります。

まずは自分の場合はどこを意識するといいのかを
読み聞かせの仲間と
チェックしてみてはどうだろうか。

子どもにとっても大人にとっても
楽しい読み聞かせは、豊かな時間です。

双方が充実できる読み聞かせは、
わたしも大好きでやめられない時間です。

そんな豊かになる時間の
ひとつのヒントになったら嬉しいです。


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