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商売人の魂

事業を営む家に生まれた人に根付いた商売人魂はすさまじいものがあると感じた話。

本日、とある福祉施設のイベントに参加した。
自分は100食分のカレーを調理し、先方が指定する価格で提供することを依頼されていた。ただ、イベントの客足は思ったより伸びなかったようで、60食程度しか売れなかった。

まぁそもそもお客さんいなかったから仕方ないよねと思いながら片づけをしていた矢先、先輩が手伝いにやってきた。この先輩は地元で有名な飲食店の息子さんで、つまりバリバリ商売人の家系の者である。その先輩は撤収する自分に向けてこう言った。

「明日どうするん?」

イベントは2日ある。余った40食も含めて明日どう取り戻すか。先輩はそう問うていた。シンプルな問いだが、答えに詰まってしまう。自分は内心諦めていた。そもそも人がいないのだから仕方ない。自分が依頼されたのは100食のカレーを調理し、提供することだ。施設の職員さんたちもバリバリ売るという感じじゃなかったし、事前のミーティングも緩かったので、まぁそういうもんなんだろう、と。

ただ、先輩は違った。相手の期待以上のことに応えて初めて商売人だ。確かに依頼されたのは100食を調理することだけかもしれない。ただ、自分だったら最低でも100食どうやったら売り切るかまでを考え、やりきる。依頼通りのことは誰でもできる。相手の想いを超えてこそ本当の商売人だ。

先輩の言葉は実績からにじみ出た「本物」で、一つひとつが心に突き刺さった。上記のことは頭ではわかっているつもりだったが、実際の自分は相手の依頼の範囲内で良いものを提供しようという程度にとどまっていた。内心ではどこか事足りていると思っていたが、全くそうではなかったらしい。

明日はこの先輩と改善しながら同イベントに向かうことになっている。とても恵まれている、ありがたい話だ。自分は様々な人に支えられて生きている。その恩はこれからの行動で返していかねばならない。

時間:10分


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