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【チス】が私のニックネーム(再掲)

  私の「中学校時代のニックネーム」の由来について、きっちり書いておきたかったので、以前書いたものをリライトしました。

 私のニックネームは【チス】でした。従来は、キス魔だったらから「キス」がなまって【チス】になったとい言い張っていましたが、もう年を取ったので真実を書きます(ここで書いておかないと、呆けたときに忘れてしまうのではと、思ったんですよね)。

 私は、人の気持ちが分からない人間でした(私の専門の発達でいうとASD【自閉症スペクトラム症候群】的要素があったんですね)。だから、中学校で学級委員や週番など規則を取り締まる側に回ったときは、人一倍い厳しくなるとともに、怖いもの知らずでもありました(自分の思いだけで、他に何も考えずに行動してたということですね)。

 当時は、1970年代で学校が荒れている時代でした。ルール違反や暴力沙汰が横行していました。そんな中、週番になった私は、茶髪やモヒカンにしている頭髪違反者に頭髪の改善を求めて追い返したり、タバコを吸っている不良からタバコを没収したりしていました。玄関掃除を怠けている、ヤクザ屋さん(確か山口系でした)の息子2人に箒をもたせて、掃除させたこともあります。
 もちろん、普通の生徒に対しても、厳しく監視・監督していました(依怙贔屓はしません。ASD的ですから)。ルール違反者を見つけるたび、注意し日誌に書き込み、職員室に呼び出しを食らわしてました。その必死の様子を見て、誰かが「お前は、ナチスのヒットラーか」と叫びました。そこにいた20人程が、賛同のエールを送りました。
 ちょうどその頃、第二次世界対戦のユダヤ迫害について学び、ナチスドイツの過酷なユダヤ人取締を学習したところだったからです。つまり、自分達はユダヤ人で、ナチスの週番(SS隊員というとこでしょうか?)に迫害されて、職員室に送り込まれるのが、ナチスによるユダヤ迫害にそっくりだという理屈です(なんか、ちょっと変ですね。でも、未熟なで幼稚な中学生時代の話なので、許してください)。 

 それ以来、私のニックネームは「ナチス」に決定しました(こういうとき、それをきっかけにいじめられて……となるところですが、なんと、当時の私は力が得られたような気分になり、そのニックネームを喜んでいました)。ヒットラーでも良かったのでしょうが、それがニックネームの不思議なところでしょうか?ナチスの方が採用されました。
 私が、週番や学級員で監視監督に行くと、
 「あっ、ナチスがきた。ちゃんとしないと粛清されるぞ!」
 「逆らうな。職員室(さしずめ、収容所かな?)送りになるぞ!」
と呟かれるようになりました。不良たちからは、言うことをきないと私が逆に切れるので(と言っても暴力は使いませんよ。先生の権威をバックに、正論を大きな声で永遠に叫び続けるだけですが…)、
 「あいつには、脅しが効かない。取り敢えず言うこと聞いておけ!」
と恐れられる存在になりました。不良仲間内に、通達が回ったようでした。本当に、今思えば、人の気持ちが分からないことは最強の武器でした。

 ニックネームの宿命でしょうか?その後、省略されて「ナチス」が【チス】になりました。ニックネームは、一年生の10月に命名されて、卒業まで続きました。

 中学校業後も、しばらくは、近所で同級生などとすれ違うと「チス、久しぶり」と挨拶されていました。年月が経ち、ニックネームのことなど、最近ではすっかり忘れていました。
 しかし、数年前に、50年ぶりの同窓会があり参加しました。そこの会場に入っていくと「あっ、チスさんが来た」と言う人にたくさん会いました。そして、
「どうして【チス】と呼ばれていたんだっけ?」
と聞く人も、また、たくさんいました。私も入れて、ワイワイ騒いだ挙げ句の結論は、
  「どうしてだったっけな?」
というところで落ち着いたので、私も「忘れた。でも、不思議なニックネームだったね」と言って本当のことは黙っておくことにしました。

 最後に、最近よく思うのです。私は現在、あっちこっちで突っつき回されて「人の気持ちの分かる人間」になってしまいました。従って、人に対して強く意見することできなくなりました。でも、もし中学校のときの【チス】のままだったら、組織をぶっ潰してなにか新しいことをできる人間になっていたのではないかと。

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