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《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法   その19 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑬               授業中にトイレにってしまう高学年

事例13 止めても、授業中に強引にトイレに
    行ってしまう

 6年生の授業。授業が始まって10分程たったころ、M君が急に立ち上がって教室から出ていこうとした。

先生「どこに行くんだ、M。」

M君「先生、トイレ行ってくるわ。」

先生「それは、だめだ。座りなさい。」

M君「どうして?このままでは、パンツにもらしてしまうじゃんか。」

先生「授業中だからです。休み時間に行ってください。」

M君「うるさいんじゃ。漏らしたらどうするんじゃ。人権侵害だ。
  とりあえず行ってくるわ。」

Mが。トイレに行ってゆっくり帰ってきた。

M君「ふー、スーッとした。」

先生「なにが『スーッとした』だ。次からは、休み時間に行っときなさい。
  授業中には、絶対トイレに行かさないからね。」

M君「わかった。わかった。怒ってないで授業やろうぜ。」    

トイレに行きたいときは、いつでも行く

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【解説】先生は、怒ったつもりです。ルールの説明をしたつもりにも、なってします。しかし、M君は思い通りに行動して満足しています。ルールも入っていません。「また、トイレに行きたくなったら、授業中でも行ったらいいさ」くらいに考えています。悪くすると「この先生、大したことないな。指示なんか、聞かなくてもいいんじゃないか」と考えたりしているかもしれません。
 このタイプがトイレに行きたくなったら、必ず行ってしまします。それなあら「すみません。トイレに行かせてください」と言わせてから、行かせた方がいろいろ効果があります。先生の権威が保てますし、「頼む」練習にもなります。

【セリフ】
M君「先生、トイレ行ってくるわ。」

先生「それは、だめですね。どんなルールでしたか?」

M君「トイレは、休み時間に行っておく。」

先生「M、よく知ってるじゃないか(「共感」)。座りなさい。」

M君「でも、トイレにどうしても行きたい。我慢できない。」

先生「それじゃ仕方がないね。休み時間に、遊んでしまったんだね(「想
  像」
)。『すみません、授業中ですがトイレに行かせてください』と言
  ってからトイレに行ってください(「覚えて」)。特別ですよ。」

M君「すみません、授業中ですがトイレに行かせてください。」

不貞腐れたように言う。

先生「まぁ、言えたからいいでしょう(「共感」)。本当はもっと、心を込
  めて言って欲しかったな(「覚えて」)。悪いけど、授業は進めるよ。
  待ってられないからね。それから、帰ってきたときは『帰ってきまし
  た』と言いながらそっと入ってね(「覚えて」)。皆の迷惑だから
  ね。」

M君「分かった。」

先生「『分かった』は違いますね。」

M君「分かりました。」

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