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わたしとたなかさんとの出会い

わたしがたなかさんを知ったのは3年くらい前。
いつもどおりYoutubeで動画を漁っていたら、急におすすめに「ぼくのりりっくのぼうよみ ラストライブ”葬式”2019/1/29」が出てきた。

わたしとぼくりりの出会い。こんなのどう考えても気になるに決まってる。そう思いながら結局見なかった。見る勇気が出なかった。
この動画を見たらわたしの音楽観、価値観がすべて変わってしまう気がした。まだガキ(今も)だったわたしにそんな音楽観も価値観もあるとは思えないが。
とにかくこの動画のこのひとの音楽に触れたらわたしのなにかが歪んでしまうという慄きがあった。
そしてわたしはこの動画の衝撃を忘れるくらい手一杯な学生生活に戻っていった。そうして1年くらいたった。

Youtubeというのは恐ろしい。またわたしにぼくりり一回忌の動画をおすすめ動画として出してきた。意地になって少し見てみた。
でも1分も耐えられなかった。雪を踏みしめるこのひとはとてもとても美しかった。美しくて切なくて雪が積もっているのにどこか暖かい笑みをたたえていた。現実世界のひととは思えなかった。ほとんど知らないひとなのに思いが透けて雪に溶けていくようだった。
きっとこのひとのことを知ったら飲み込まれてしまうと思った。
真っ白な衝撃だけをのこしてわたしはまた普段の生活に戻った。

わたしはDUSTCELLの創る音楽に夢中でずっと追いかけてきたひとの決意を見てわたしも頑張ろうと思っていた。今も大好き。
そんな感じで音楽を楽しんでいたとき1件の通知が飛んできた。えまがコラボ楽曲公開ってコラボ相手はたなかさん。

たなかさん…わたしが逃げていたひと。聴いたらきっとなにかが変わってしまう飲み込まれてしまうって直感したひと。こんなことまでして聞かせようとするのか。一度自分の中で決めたら意固地になってそれを守るひねくれ者のわたしは聴かなかった。少ししてたなかさんがメインで歌っているわけではないという事に気づき聴く勇気がでたから聞いた。
とてもお洒落で少し悲しくて。多分たなかさんのビートと言葉選び、えまの声が調和してた。このひとの音楽は間違いなくわたしが好きな音楽だと思った。
この頃にはたなかさんが音楽の世界に帰ってきてDiosというバンドを組んでいることを知っていた。それでも聴かなかった。もう意固地になっていたわけではなくやはりなにかが変わり歪み飲み込まれてしまうことに慄いていた。
そしてつい最近10月に入ったくらいの時、不意に流れてきた動画の再生ボタンを押していた。多分「接吻」だったと思う。なんで聴こうと思ったのかは覚えてない。指が勝手に再生していた。

わたしの直感はどうやらが当たっていたらしい。声に一目惚れした。高い声は優しくてどこまでも甘いのに、低い声はスパイスが聞いててピリッと辛いでもやっぱり優しかった。カバー曲のはずなのに、本家に引っ張られすぎず自分の曲のように歌ってしまう技術。
1曲聞いてからわたしは止まらなかった。今まで聴かなかった反動からか興味がある歌、動画を片っ端から見た。素敵な表現ができるひとは自分の芯や考え方があるんだなと人知れず思った。

そしてついにDiosを聴いた。たなかさんを知ってからたなかさんが書いた歌を聴くまで3年もかかってしまった。
ちなみにまだぼくりりの葬式と一回忌の動画は見れてない。いつか見たらここに記そうと思う。


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