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ブログのポジショニング戦略。オウンドメディアを失敗しないためにすべきこと

こんにちは。岐阜でwebマーケティングのお仕事をしています、Yoshi(@motoy0shi)です。

今回のnoteは、以前書いた「ランチェスター戦略」の記事の続編です。

このnoteでは、ビジネスでも有名なランチェスター戦略を、ブログの観点から読み解きました。そこでは、今後のコンテンツ作りの方針として、こんな主張をしています。

とある狭いテーマで圧倒的に分かりやすいサイトをつくり、No.1 を取ってからテーマ拡張する(横展開)

ここで一番大事なのは、まず「とある狭いテーマ」に絞るという点です。

しかし、あまりこの点を掘り下げた記事が少ないように感じています。そこで、ブログのポジショニング戦略について、取り上げていきます。


この記事のターゲットは、こういった方です。

・これからオウンドメディアを立ち上げようとしている
・ブログを始めてみたが、今後どんな内容を書いていくか悩んでいる
・何十記事も書いてみたけど、いまいち伸び悩んでいる

「これは、自分のことだ!」と思った方は、この記事を読んでみて、ぜひ一度ゆっくり考えてみてください。きっと今後の方針を考える参考になるでしょう。

なお、こちらの記事はあくまで戦略論であり、サイトが儲かる秘策ではありませんので、先にお断りしておきます。


戦略なきブログはたいてい滅びる

昨今、情報発信が重要と叫ばれるようになりました。個人でも、ブログを立ち上げてアフィリエイトなどでお金を稼いだり、企業では認知獲得と売上強化のために、オウンドメディアを立ち上げたりする気運を強く感じています。

今は無料で取れる情報が多くなり、比較的簡単にブログを立ち上げられます。そこで多くの人が参入する一方、1年も経たずに辞めてしまう人が後を絶ちません。

(ちょっと古いデータですが)総務省の情報通信政策研究所の調査によると、12ヶ月間更新が続いたブログはおよそ4割程度なんだとか。肌感ですが、今はもっとアクティブなブログの割合は少ない気がします。


実際、個人でも企業でも「とりあえず始めてみよう」と始めてみたものの、「結果が出ない」「費用対効果」が合わないからと、すぐ辞めてしまうのです。

そういった人たちが、やってしまう過ちがあります。それは、(言葉は悪いですが、)上位サイトの劣化版コピーのようなブログや記事をつくってしまうことです。


数年前までは、確かに検索上位の記事にある内容をまとめた記事で、検索上位を取れたこともありました。しかし、2020年のSEO業界を見ていると、明らかにコピーみたいな記事では上位表示できません。

上位サイトは、そこにのし上がるためのスキル、ノウハウ、リソースが備わっています。そして、その記事をコピーしたところで、オリジナルより良い記事ができるはずはないのです。

特に経験が少ない人だと、そのコピーですら、見出しをパクって2〜3行の説明を書くだけといった劣化コピーをつくってしまいます。残念ながら、そういった内容が薄い記事は、自分の糧にすらなりません。


実際、Googleもこのように言っています。

新鮮な独自のコンテンツを作成する
新しいコンテンツがあると、既存のユーザーに何度もアクセスしてもらえるだけでなく、新規ユーザーも取り込むことができます。

避けるべき方法:
ユーザーに付加価値をほとんどもたらさない、既存のコンテンツの焼き直し(またはコピー)。
サイト上にコンテンツの複製やほぼ同じバージョンを掲載する。

出典:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド


では、どうしたらよいのでしょう。そこで出てくるのが「ブログのポジショニング」です。

ポジショニングとは?

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■ ポジショニングとは、自分の立ち位置を決めること

ポジショニングは、マーケティングの基本的概念の1つです。一般的な定義としては、以下のように解説されます。

ポジショニングとは、ポジショニングは、セグメント内の競合の商品やサービスを見て自社の立ち位置を決定する作業です。

出典:STP分析|マーケティング初心者は押さえておきたいフレームワーク

この記事においては、とあるテーマにおける自分のブログ(サイト)の立ち位置と定義します。


そして私が提案したいのは、「とあるテーマにおいて、自分だけの立ち位置を見つけて、そこにテーマを絞って記事を書くこと」です。

言い換えるなら、他のサイトと競合しない場所を見つけ、そこでNo.1を取るブルーオーシャン戦略を取るのです。


■光回線を売るなら?

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一つ例を上げましょう。

もしあなたが光回線の商材を売るサイトを考えているとします。ここで最初から、「あなたにおすすめ!人気の光回線まとめ」なんて記事などを作ってしまうのはナンセンスです。

特に光回線は、昔から競合がひしめくジャンルです。そのジャンルに正面から乗り込もうとしたら、確実に負けます。キングダムで言えば、幼少期の信が李牧に戦いを挑むようなものです。


では、就職で引っ越しする20代女性会社員をターゲットにしたサイトをつくるのはどうでしょう? 想像ですが、「工事の人が家に上がってくるのが気になる」とか「契約途中で、また異動があって引っ越しする時はどうなるだろう?」とか疑問を持つはずです。

それらに丁寧に答えていけば、いつか「女性会社員が引っ越しでネットを引く時に役立つサイト」みたいなブランディングが生まれていきます。

そういったサイトを表すイメージができればシメたものです。そのイメージを中核として、若い女性社員におすすめの家具、コスメなんかにもテーマ拡張できそうです。


ここで重要なのは、最初に比較的競合が少ないエリアにテーマを絞り込み、まずそのテーマでは絶対に負けないレベルで記事を書くことです。中途半端にテーマを絞りこんだり、内容が少ないと、もはや意味がありません。


■絞り込んだら、アクセスはむしろ増えることが多い

なお、テーマを絞ると書くと、必ず「そんなことしたら、アクセス減ってしまうのではないか?」と思う人も多いはず。

しかし、それは逆です。絞り込んだほうが、ターゲットとなる人と記事の内容が合致するので、ファンになって読んでくれる可能性が高まるのです。

またなぜかターゲットでない人も、勝手に自分の立場に置き換えて解釈してくれるので、結果的にアクセスはより増えていきます。


マーケティングの金言には、こんな言葉があります。

みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。

まずは誰か1人にでも喜んでもらえるサイトを目指す。そのマインドがとても重要なのです。


ポジショニングをすることのメリット

ブログにポジショニングをすることで、大きく3つのメリットがあります。


①読者に覚えられ、指名検索されるようになる

ポジショニングをすることで、特定の読者に刺さるサイトができ、結果的に指名検索されるようになります

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私の知人で、マクリンさんという方がいます。自分のハンドルネームをサイト名にし、現在「マクリン」というサイトを運営されています。

マクリンさんは、さまざまなガジェットを買い漁り、ひたすらレビューしました。そこで多くのファンから「レビュー系のガジェットブロガー」とのポジションを確立しました。

今はその基盤を軸に、家電やインターネット商材、転職、資産運用など横展開を進めています。

参考:


このように特定のジャンルにリソースを一点突破でつぎ込むことで、ファンが付きやすくなり、結果として強力な基盤ができるのです。


②企業とのコラボレーション、広告出稿で有利になる

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ポジショニングをすることで、自分のブログの強みが明確になるため、企業への提案もしやすくなります。

もしあなたが、カメラメーカーの担当者だったとしましょう。もしこんな2人の方から提案を受けたら、どちらの話を聞いてみたいと思うでしょうか。

Aさん「私のブログは、カメラや子育てについてのブログを運営しています」

Bさん「私のブログは、30代で子どもを持つ夫婦を対象に、思い出を美しく残す写真の撮り方を解説しているブログを運営しています」

おそらくほとんどの方が、Bさんのほうがイメージが浮かび、話を聞いてみたいと思うはずです。

つまり、自分のブログが「」に対して「どんなこと」を発信しているか明確であるほど、媒体として目に止まりやすいのです。ぜひあなたのブログを一語で言うと、どんなサイトと言えるか考えてみてください。


③SEOに上がりやすくなる可能性が高い

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ここは私見も混ざっていますが、2020年5月現在、テーマを絞った特化サイトはSEO的にも有利になりやすいと感じています。

近年Googleの検索結果は、多様性が以前より重視されています。そして、新しい切り口から生まれるオリジナルのコンテンツは、重要さを増しています。


実際、Googleもこのように言っています。

他のサイトが提供していない、新しい便利なサービスを創造することを検討しましょう。オリジナルの調査情報を記載する、面白いニュース記事を公開する、固有のユーザー基盤を活用するといった方法もあります。他のサイトではこのような活動を行うリソースや専門知識が不足しているかもしれません。

出典:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド


だからこそ、検索からの流入を増やしたいなら、新しい切り口でテーマを立て、そこにリソースを投下してポジションを築くのが、最短ルートなはずです。

ポジショニングを考える方法

とはいえ、いきなり「ポジショニングを考えてみてください」と言われても、思いつかない人も多いはず。


そこで、ポジショニングを考える2つの方法を紹介してみます。

■ 検索結果からマッピングし、スキマを狙う

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まずは自分がやってみたいジャンルの主要キーワードを見ながら、いわゆる顧客調査と競合調査をする方法です。

長くなるので詳細は割愛しますが、3C分析などのフレームワークを使って、「顧客のニーズ」と「競合サイトのテーマ」を調べていきます。

そこで見ておくべきポイントは、こういった点です。

・ブログのメインターゲット(どんな人をメインの読者と考えているか)
・ブログが目指すもの(そのブログがどんな課題を解決したいのか)
・提供している価値(コンテンツを通して、何を伝えたいのか)


これらをまとめたら、軸を取り、ポジショニングマップを作ってみましょう。ここでは軸の取り方が一番キモです。どういった軸を取れば、競合が少なく、オリジナルな切り口になるか、ぜひ悩んでみてください。

一つ例を上げると、昔私が運営していた旅行サイトは、こういったポジショニングをしていました。

海外旅行にいったことがない20代の男女に、ワンストップで旅行にいくための情報が学べるサイト


立ち上げの時に考えていのは、こういったポジショニングでした。

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経験上、ほとんどの旅行ブログは、専門性が高く、旅行に詳しい人や現地の様子を知りたい人には役立つ一方、パスポートの取り方を知らないような初心者の方には、難しい内容でした。

さらに、記事がバラバラで疑問の答えを見つけるには、多くのページを見るつ必要があって、少し使いづらいなと感じていたのです。

そこで、初心者向けに体系だったコンテンツを中核とした旅行サイトをつくったところ、主要なキーワードでも上位表示し、月間18万PVほどのサイトまで成長しました。(※なお、このサイトは今はありません)


このようにマッピングすることで、自分がどのテーマや切り口でサイトを運営していくかが見えてきます。ぜひ一度考えてみるといいですね。


■ 新しいジャンルを狙う

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競合など考えるのが面倒なんて方は、新しいジャンルを狙うのは手です。新しいジャンルは、当然競合がいないので、最初に飛び込めば確実にポジショニングできます。


例えば、5年くらい前まではドローンは限られた人しか持てないものでした。しかし、その後一般市民が手に届くレベルの価格帯に製品が増えてきたことで、一気にドローンのシェアが拡大し、人気となりました。

もし仮に5年前に、ドローンについてのメディアを立ち上げていたら、圧倒的に強いメディアになっていたはずです。


今、中国をはじめとするアジア圏では、ライブコマースが人気です。インフルエンサーが自分の動画配信の中で、商品を紹介し、その場で視聴者が買っていくシステムです。実際、僕のFacebookで繋がっているタイ人の子も時々やっています。

インターネット広告費がテレビの広告費を超えた今、ライブコマースはさらに伸びていくのではないかと思っています。そういったトレンドを先読みし、メディアを立ち上げていくのは有効な手段になるはずです。


まとめ

この記事では、ブログのポジショニング戦略についてご紹介しました。

今は、自然検索で検索順位を上げて、流入を増やすのは簡単ではありません。だからこそ、闇雲にやるのではなく、確かな戦略が必要です。

ぜひこのnoteを読んだ機会に、どういったポジションを取り、読者に価値を提供していくか考えてみてくださいね。


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気付いたら、5千字を超える記事になっていました・・・!

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