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若手社員に「頑張ってほしい」と伝えたら「おカネも地位も時間も何もいらないから頑張るのヤダ」と言われた時、どうすればいいのか?

ご無沙汰しております、4.5Pです。

だいぶ間が空いてしまいましたせいで、今このnoteの新しくなったエディタのUIに大いに戸惑いながら記事を書いております。

はじめに

例によってお仕事先で知り合ったオジサンと、
とあるおカフェで打合せついでの雑談をしていたときのこと。

例によって、世界で有史以来数億回かあるいはそれ以上に繰り返されたであろう「最近の若い子はさぁ…」という話が出た。

ただ、この時に出た話の中で、
一つだけ「えっそうなのか…」と思った事があったので、
このnoteにおいて、皆さまからの意見を広く募集したい次第である。

一言で纏めるならば、
「今日死んでも構わないと思ってる部下に対して、
上司は、何をすれば、やる気を出させられるのか?」

前提の話

前提01

冒頭の、オジサンたちのカフェ座談会にて出たのは
こんなお悩み相談だった。

「職場の若手で、一応仕事はしてるが、伸び悩んでいる子がいる」
「書類仕事とかさせた場合に、60点くらいの完成度で出てくる」
「なので、ここをもっと具体的に書いて、とかここの書き方をこうすれば80点になるよ、と指導をする」
「指導すると本人は『なるほど』『分かりました』と直してきて、80点になるのだけど、次回になると、また同じように60点で出てくる」

ここまで聞いて、周りのオジサン達は
「それは本人がやり方を覚えてないんじゃないの」とか「まだ慣れてないんじゃない」とか「あるいはナメられてるとか」と色んな意見を出したが、
発端のオジサンは「そうではないんだ」と前置きして、更に話を続けた。

「ある時に、また60点で出てきたので、怒るでもなく、不思議だと思って聞いてみた。コレって前にも同じように60点で出してきた。私としては、若手くんが80点を書ける技量があることは知っている。なのに、何故毎回最初は60点で出してくるのか、もし理由があるなら教えて欲しい」
「もしかすると、本人の中では『この状態の方がいいのに』と思ってるならそう言ってほしいし、分からないけれども何か気に入らないことがあるとか、何か理由や考えがあるなら是非教えて欲しい」

(※実際には直接聞いても正直におしえてくれないかも、と思って、同期の子経由で聞いてみたり何やら紆余曲折は経たそうですがここでは割愛。)

すると、最終的に本人から出てきた答えが、

そこで80点にする意味が、自分の中にないから

であった。
オジサンは大きく驚いた。

前提02

以前にnoteで
『会社内での自分の存在価値を可能な限り低くしたいと思う若手』
という記事を書いたことがある。

詳しくは中身を読んでいただくとして、この時の結論としては、
✅会社内での業務は最低限で済ませたいし、成果もされたくない
✅何故なら、社内で評価されると退職・転職がしづらくなるから
✅自分の価値を上げるなら社外での活動の方がメリットが大きい
…というような内容であった。

この際にも、noteをはじめ、twitter等でも様々な反応を頂いた。
「そのとおりだと思う」「よく分かる」という賛同から、
「なら最初から会社に所属するな」「フリーライダーだ」という意見、
「そんな考えじゃ、転職なんかうまくいかない!」という意見まで。

https://twitter.com/search?q=https%3A%2F%2Fnote.com%2Fyontengop%2Fn%2Fne3db96c946d0&src=typed_query

【以下、反応の一例

なので、今回の話も、きっと
「社内の業務については最低限でいい」
「自分には他に頑張りたいことがある」
…と、そんな話なのだろう、と僕は思っていた。

だが、今回の件については
ある意味において、それを更に凌駕する中身であった。

再び元の話に戻るが、若手くんに
「仕事を敢えて80点にする意味がない」と言われてしまったオジサンは面食らった。それでも頑張って

「いや仕事の上では上を目指さないと…」とか
「だって結局80点にしないと書き直しになるんだから…」と

と説得したのだが、それらは全て

・60点で出そうと80点で出そうと、貰える給料は一緒
・60点で出した後に「80にして出せ」と言われてやった方が、無駄がない
・無駄に頑張るとか、そういうことはしたくない

と跳ね飛ばされてしまった。

オジサンは更に食い下がり、

・そこで頑張ることで周りから認められたり、大きなプロジェクトの参加できたり、昇進とか、給料が上がるとかするんだよ
・無駄なんかじゃない、自分のスキルに繋がる
・目先としては無駄な頑張りからも知れないけど、3年,5年後を見据えれば…

だが、そんなオジサンの頑張りは、
若手くんにいっそ清々しく一刀両断された。

「いや、別に…将来とか全部、自分…どうでもいいんで」
「別に今死んだら死んだでいい、と思ってるんで…」

本当に悟りを開いている、プロさとり世代の誕生である。

本題の話

本題01

さて、ここからが本noteの本題である。
関係性はこれまでに書いた通り。

上司たるオジサンは「頑張ればもっと力が発揮できるし、事実、その力量も持ってるのだからもっと仕事において能動的に、頑張ってほしい」と思っている。だが、当の若手部下本人は「頑張ることは全くもってしたくない。何故なら、別に生きることすら望んでないので」という立ち位置であった。

ここで、いくつか注意点というか補足しておくと、

①一概に全ての若者がこうだ、とは思わない。
当然ながら、全ての現在の若者若手がこのマインドだとは思わない。
昔からこういう人はいたかもしれないし、今現在でも野心も向上意欲も強く持っている若手の人は多いだろう。現に、このカフェでの話の時にも「うちの会社/現場にはそういう子はまだいないなぁ…」という反応もあった。
だが一方で、「たしかに最近の現場でそういう子は増えたかも」という反応も見られたので、noteに纏めて、皆さんからの反応を貰いたい趣旨である。

②単に、そう言えば相手が追及してこないからでは?
この意見もオジサン達から出た。上司たるオジサンと会話するのが面倒くさい、とっとと切り上げたい。だから適当に「や、頑張る気も生きる意志もないです」と言っとけば、早く終わると思ったんじゃないの?と。
だが、話を聞くにつけ、どうやら「とっとと終わらせたい」気持ちはあったようだが、それ以上に本当に「別に生きながらえたい」「いい生活がしたい」と思っていない、のは事実のようだった(詳細後述)

ともかく、主題としては
「別に特に良い生活しようとも思ってない」
「おカネが稼ぎたいとか頑張りたいとも思ってない」
「というかそもそも生きることすらそこまで望んでいない」
…という相手に、やる気とか、頑張りとか、そういうものを
出させることは可能なのか
??がこのnoteのテーマである。

本題02

ここまでの話を聞いて、オジサンは狼狽えた。
もしかして、希死念慮というか、既に5月病みたいなことになっているのか、ならば社内カウンセリング制度なんかもあるけれど、と。

しかし若手くんは「そうではないんです」
「積極的にすぐ死にたい、とかじゃないです。けど別に、絶対に生きてたいとかでもなく、どっちでもいい、って感じですね」
ということなのだと説明した。

オジサンは話題を変えた。趣味とか、打ち込んでいること、気になっている、やりたいこととかは無いのか。
別にココで詳らかに言わなくてもいい。ただ、もしあるなら、その為につかうおカネのために働く、という考え方はどうだろうか?と。

まあ、昔ながらの「あのクルマが欲しいから」「良い酒が飲みたいから」「あの店に行きたいから」頑張る、というようなロジックである。
流石に昨今は若者の◯◯離れ、というワードに代表されるように
クルマやら高い酒やら夜遊びやら、のために頑張る人は少ないだろうが、

キャンプが趣味だとか、あるいはカードゲームでもスマホアプリへの課金やら、推し活に精を出す若い人というのは少なくない。
何でも良い、何か◯◯のためなら仕事も頑張れる…というようなものはないのか?と。

答えは、簡潔だった。

「ああ、ゲームとか…アプリも…面倒なんでやってないですね」
「外も…今コロナとかあって行かないですし…」
「基本は、仕事以外はずっと家で寝てます。ラクなんで。一番」

オジサンの完敗である。

まあ、正直そりゃそうなのだ。
相手は生きることすら大して興味が無いのだ。
そこに、趣味だの好きなことだのが入りこむハズはない。
(せいぜい良い枕を買うくらいかもしれないが、多分話を聞くだに、別に睡眠の質をそこまで高く担保したい、、というタイプでも無い気がする。)

さらに、同じ学部だったその若手くんの同期社員いわく
「ああ、彼、多分本当にそうだと思います。学生時代からそうだったんで」
「基本、何もしたがらないんですよね」
というお墨付きの言質まで取れたらしい。

話を聞いていたオジサンたちは
「そんなに寝れないでしょ…」「不安とかにならないの?」
「いや絶対嘘だよそんなに寝続けたりしないだろ…」と
口々に訝しんでいたが、
個人的には「ない話ではないだろう」と思っている。
ただ、さらなる個人的意見として
人事部は何でそんなやべえやつ採用したんだ」とは思うが。

ともあれ、学生時代から筋金入りの
「とにかく何もしたくない」を貫き続けてきた伝説の歴戦の猛者を相手に、
当のオジサンは「どうアプローチしたら良いか全く分からん…」と困惑していた。さて、再度の質問になるが、仮にあなたが上司ないしは先輩社員として、彼の教育を任された場合に、あなたならどう対処するだろうか。

本題03

一応、そのカフェでの座談会で出た回答例、についても記載しておこう。

単純に分けると、まずは回答は二分された。すなわち
・「そんな奴は成長しないし本人も望んでないから、放置しとけ」派

・「なんとか何らかの方法で本人が仕事に取り組むようにしないと」派
の2つである。

余談だが、この話の過程で出た話として
高学歴卒と体育会系はこうならないんじゃないか」説、というのが出ていたので、真偽は皆さんにご判断いただくとして、一応ご紹介をしておく。

説の内容としては、
「要は、この当人は、物欲なり努力した結果、いい思い(成功体験)をしたことがない、から努力もしないし、なるべく穏当に何もせず無難に生きたい、と思ってるのではないか?」という仮説であり、そこから

高学歴、難関と呼ばれる大学を卒業したような人は、努力した結果、難関校に入学し、卒業するという成功体験を積んでるからこうならない」とか
体育会系も、そもそも周囲より抜きん出たい、1位になりたい、という能動的な環境で育ってきているから、こうならない気がする」といった
意見が出ていた。

※ちなみにもう一つ「女性の場合だと、男性に比べて、化粧品だのアイテムを所有することに"迫られる"ことになるので、物欲というか、望むと望まざるとに関わらず、稼がざるを得ない…という所に追い立てられるので、
女性社員の場合、こういう『何もしたくない』とはなりづらいのでは?」
との話も出ていたが、これについては議論が別方向に紛糾しそうなので、一旦ここでは割愛しておく。

話を戻すと、

放置でいいじゃん派、は「本人が望んでないことを無理やりさせようとするのはそもそもコストの浪費、放置しておいて、本人が嫌気が差したら退職でOK」というスタンスであり、

きちんと指導すべき派、は「そういう人間が少ないうちはいいが、採用割合にどんどん増えていったらどうするんだ、今のうちからキチンと指導方針を固めておくべきだ」というスタンスであった。

指導派の意見については、放置派は「ならそんな会社はもう潰れるしかない」「そもそも少子化で人が減ってるんだから、いずれ淘汰される会社は出てくる」「無理やり延命させるほうが酷だ」と手厳しかったし、
放置派については指導派は「いやいやそんな、やる気ないやつを放置しといたほうが社内の他の人間の士気まで下がるだろう」という意見で、
最終的に意見の決着は見出だせなかった。

おわりに

さて、ここまで5000文字ちかい文章を読んでいただいたが、
いかがだったろうか。

今一度要点を整理すると、

✅仕事の対して、最低限の作業しかしたがらない社員
✅本人には実力があり、頑張れば昇給や昇進などの報奨も用意されている
✅しかし、本人は「特に欲しい物もやりたいことも、したいこともない」「いつ死んでも構わない」と思っているので、一切の努力はしたくない

この状況、あなたならば、どう対処しますか?


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