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令和にライブ・ア・ライブを遊んだ


ライブ・ア・ライブ遊びました!

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もはや一切の前置きなど無用!
早速本題に入らせてもらうッ!!

ざけんなよ…そんな前置きなんかしなくてもな…面白さは分かるんだよ!


なあ……そうだろ、松ッ!!




幕末編

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まず私が最初に触ったのは幕末編!
そもそもいきなり7つのシナリオを提示されて好きなものを一つ一つ選んで行くなんて高度な事私には出来ない!だって私ホテルのバイキング行ったら自分の好きな物ばっか取って栄養バランス崩壊するタイプだし!!

なので私のライブアライブは「とりあえずデフォルトで最初にカーソルが合わさってる幕末編から右に進めていこう」という、あまりにつまらない進め方をしています!


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タイトル通り幕末編の時は幕末。
炎魔忍軍の若きエースおぼろ丸を駆り尾出城に囚われている要人を救出するのが幕末編のミッション!目指せ100人斬り!?

改めて全クリした後に振り返ってみるとこの幕末編、そこまで複雑な事はしないライブアライブ入門編のような作りでありながら全シナリオ中最もやり込み要素が多いッ!しかし変化球まみれのこのライブアライブにおいて「とにかく敵を倒しながら城のてっぺんを目指す」というシンプルな構成はやはりチュートリアル編としても最適で、どちらにせよ入門とやり込みを兼ね備えた良シナリオとなっているッ!


そして何と言っても幕末編最大の目玉は何と言っても「キャラクターデザイン:青山剛昌」の存在!

あ…青山剛昌!?

青山剛昌ってあの青山剛昌かッ!?


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そう!あの「YAIBA」の青山剛昌ですね!!

いや…コナンが始まった年に生まれてもいない私が何故「YAIBA」を知っているのかというと小学生の頃おはスタでYAIBAのセレクション放送をしていたのがやたらと脳裏に焼き付いていて、だから「幕末編ってどっちかっていうとYAIBAじゃねえか!」と即気付けてしまったのでもうおはスタありがとうとしか言えない訳です。


そう、このゲームの最も恐ろしい所の一つはキャラデザの異様な豪華さだ。


原始編:小林よしのり
幕末編:青山剛昌
功夫編:藤原芳秀
西部編:石渡治
現代編:皆川亮二
近未来編:島本和彦
SF編:田村由美


…という尋常ではない豪華さ。私はこの年代の小学館アベンジャーズ直撃世代ではないので何人か知らない方も居るのだが、それでも「新サクラ大戦のキャラデザ久保帯人が7人居る」レベルの非常事態なのは何となく分かる。

いや~だからもうもし自分がライブアライブ作るとしたらどの年代にどの漫画家入れるかの妄想が捗っちゃいません!?
俺だったら昭和編:藤本タツキとか、現代編:CLAMPとか、いやそれこそ死神編:久保帯人とか行っちゃいます!?

思い切って中世編:野村哲也もありかッ!?ハハハハハ!!
俺の、俺のライブアライブこそ最強だッ!!


…ってそうじゃなくて!
まあとにかく幕末編は今や名探偵コナンで国民的漫画家となった青山剛昌デザインのキャラクターを自分で動かせるというだけで相当なプレイバリューがあるって事なのさ!!

とは言いつつもこの幕末編、実際にゲームを進めていくと「これ幕末編じゃなくない?」という疑問が浮上してくる。

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いや、というか幕末編の幕末要素なんてこの北辰一刀流を振るう謎の男ぐらいなもので…


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何か蘇った天草四郎とか出てくるし…

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何か蘇った宮本武蔵とか出てくるし……

………ってこれ幕末編じゃなくて魔界転生編じゃねえか!!!

本当は幕末とか言いながら魔界転生RPGやりたかっただけなんだろう!?
そうなんだろうスクウェアッ!!

もはやFGOもビックリのスーパー日の本英雄大戦を繰り広げる幕末編。
まさに「真名融解:魔界転生編」。


そんな英雄大戦の果てに待つのは尾出城の城主「尾出院王」との天守閣を飛び越え城の屋根上での最終決戦!そして流れるメガロマニア!!


私がこのゲームを買った理由は「何となく面白そう」「前からやってみたかった」など色々あるのですが、それでも5割は「メガロマニアを聞きたい」に尽きます。もうそれぐらい待ちに待ったメガロマニア!!

もはやライブアライブはメガロマニアが流れ始める瞬間こそが最大の山場であり、メガロマニアを最適なタイミングで流すためにメガロマニアゲージを溜め最後の最後にぶっ放すゲームと言っても過言ではない!
過言かもしれない!!


このメガロマニアを筆頭にライブアライブはとにかく「下村陽子が天才過ぎる」という当然の事実をひたすら思い知らされる事となるッ!!

しかし私はやっぱり下村陽子氏と言うとFF15やキングダムハーツなどの荘厳なBGMの印象が強いので、ライブアライブのような熱くハイテンポな曲調まで作曲出来るのがかなり意外だった(スト2の作曲をしている事を知ってたとはいえ)。


そんな下村陽子氏とキングダムハーツでタッグを組んでいるあの野村哲也氏も何とライブアライブの制作に参加している!

敵キャラデザインか!?
それともプログラマーか!?
いやまさかのミュージックコンポーザーか!?

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土佐弁監修だッ!!!


青山剛昌に加え下村陽子やあの野村哲也まで参加している幕末編をどうぞ、どうぞよろしくお願いしますッ!!

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完!!!!!




功夫編

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続いての舞台は中国!
幕末、西部、原始…など様々な時代を舞台にしているライブアライブだが、もはや「功夫」は時代でも何でもないだろとかそういう所は突っ込んじゃいけない!!功夫だって時代だッ!!

というか多分、幕末編が幕末編という名の魔界転生編だったのでこちらは功夫時代という名の「カンフー映画編」なのだろう!

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しかしカンフー映画と言うとやっぱり「未熟な主人公が老師の元で修業を積み悪と戦う」という流れがドドド定番な気がするが、意外や意外功夫編の主人公は稽古をつける側の老師!

この老師、めちゃくちゃ強い!!
いや老師だから当然と言えば当然ではあるのだがもはや功夫編は心山拳老師が最強すぎてRPGとしての難易度などあったものではない!!

竹林で虎に出くわせば竜虎両破腕で粉砕、大勢に襲われれば老狐の舞で粉砕、遠くの敵も百里道一歩脚で粉砕ッ!
そもそも心山拳老師には攻撃が当たらない!!
素早さが高いのか何なのか分からないがもうラストダンジョンぐらいしか心山拳老師にまともに攻撃が当たっている所を見たことがない!!


そのぐらい心山拳老師が強すぎるので功夫編はどちらかと言うと「心山拳を継承する弟子」を探す事がメインとなる。

RPGとしてはまだライブアライブの中では王道寄りな功夫編ではあるが、老師側を操作して弟子を集めるという逆の流れはカンフー映画的には変化球なのかもしれない。


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どう見ても主人公っぽくて「コイツを育てるのが定石です」とでも言わんばかりのユン・ジョウ。

急に竹林から飛び出してきて戦うと仲間になるFF7のユフィみたいな加入方法のレイ・クウゴ。

もうちょっと隠せよと言いたくなるデブのサモ・ハッカ。


この三人に稽古を付けて心山拳を伝承させるのが功夫編の大まかな流れとなっている。ちなみにこの時付ける稽古はプレイヤーに完全に委ねられているため、3人仲良く均等に育成するのも1人を重点的に育成するのも心山拳老師のキミにかかっている!
よぉし、この弟子共はお前たちにくれてやる。好きにしろッ!


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ちなみに育成が足りなかった残り2人は死ぬ。


な、なんで…どうしてこんな事に…!

私は「ユンとサモどうでもいいからレイだけ育成しよ」とレイだけ贔屓していたので見事に残り2人は戦死。恐らく私は本当にユンとサモに興味がなかったのだろう。先程の弟子紹介の時にユンの画像だけ無いのは死に際以外のスクショを1枚も撮っていなかったからである。

いやまあ別にレイが生き残ったから良いんですけど…

まあそれは一旦置いといてとにかく許さんぞ、義破門団ッ!!

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その勢いのままに義破門団の本拠地に突入!
オディワン・リーとの最終決戦でついに主人公が交代するッ!!

心山拳最終奥義「旋牙連山拳」を次の世代に引き継いだ心山拳老師は主人公の座から降り次代の心山拳継承者レイ・クウゴへとその座が明け渡されたッ!!そして流れるメガロマニア!!!


先程「ライブアライブはメガロマニアが流れ始める瞬間に全てを懸けている」と言いましたが、まさにこの功夫編はサブタイトル通り「伝承」が果たされ流れ始めるメガロマニアがもう完全に完璧に決まっている!!!


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そして伝承を完了し役目を終えた心山拳老師は満足気にその世を終える。
ここでずっと心山拳老師を「ジジイ」呼ばわりしていたレイが「お師匠さん」呼びするの、あまりにも良すぎ………。

あまりにも良すぎて語彙力が崩壊してしまいましたが、幕末編と功夫編を紹介して分かる通りライブアライブはもう1つのシナリオだけでゲームを1本作れてしまいそうなぐらいシナリオ1つ1つの完成度が高い!
これが7本もあるんだからもうコスパとかそんなレベルじゃねえぞ!?


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劇終!!!!!




SF編

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先程の幕末と功夫は超王道RPGだったんじゃないかと思ってしまう程ここからのライブアライブはどんどん変化球が増えてくる!

その変化球筆頭とも言えるのがこのSF編!!

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見て下さいよこの超ゴリゴリなSFっぷりを!
お、俺さっきまで幕末と中国に居たんだぜ!?同じゲームかこれは!?

舞台は地球に向けて航行中の貨物輸送船コギトエルゴスムの船内。
船内で作られたロボットの「キューブ」が主人公!


この舞台設定とこれまでのライブアライブの熱血無法RPGっぷりを鑑みる限り恐らくここから宇宙船のクルーたちと協力し銀河を股に掛けた熱い宇宙戦争でも始まってしまうのではないかと思うが……。

そんなもの始まらない。

というかSF編にはまず「戦闘」がないッ!!


そう!このSF編はRPGの皮を被ったアドベンチャーゲーム!
オマケにジャンルは「SFパニックホラー」という変化球っぷり!!

人の手によって生み出されたキューブが心暖かな人間たちに触れ優しいAIに成長していくハートフルストーリーを期待していたのにお出しされるのは人間同士の醜い争い、諍い、ギスギス!

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次々と謎の不調に襲われるコギトエルゴスムの船内。元より痴情のもつれや立場の違いによる不信感を抱えていた乗組員同士の疑心暗鬼によりその事態は更に悪化の一途を辿る。

船外の宇宙で謎の死を遂げるカーク、それに絶望しカークの死体を奪って逃走するカークの恋人のレイチェル、レイチェルに恋をしていて彼氏の座をカークに取られた事から犯人ではないかと疑われるヒューイ、保管庫から脱走するベヒーモス、もう同じセリフを吐き続けるだけの猿以下の船長!

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もはや信じられるものなど何も無いに等しい!
進めば進むほど悪化していく破滅への連絡船コギトエルゴスム号!!

これどうやったらメガロマニア流れる展開に持ってけるんだ!?

それでも一縷の望みに懸けて、人間の力を信じて事態の究明に奔走するしかない!徐々に増していく緊迫感の中薄暗い船内を駆け回るキューブの操作パートは正にホラーアドベンチャーRPG!!


しかしこの事件の真相は人間自身が引き起こしたに等しい物だったッ!
SF編で次々と発生する怪事件の黒幕の名は「OD-10」。

コギトエルゴスム号の自立型管理メインコンピューターであり、コギトエルゴスム号の航行を安全な物にするためのAI。つまり次々と殺されていった乗組員たちは全てこのメインコンピューターによって「不要」と判断され粛清されたのだったッ!

それもそのはず、メインコンピューターがシナリオに介入する以前…SF編の開始時点から乗組員達はとにかくギスギスしていた!
確かにこのSF編の黒幕はOD-10であるし、「殺戮」という処置を行かったOD-10に非はある。しかし本当にOD-10だけが悪いのか?

そもそも人間が最初から手を取り合っていればこんな事には…!

しかしそれでも人間は生き残らなけらばならない!
何故なら人間は争うだけではない!戦うだけではない!!人殺しの道具を作るために生まれたんじゃないッ!!!

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電脳空間に存在している以上物理的な攻撃は通らない!船内のシステムは全て掌握されてコンピューターからの侵入もままならない!!

ならばどうするかッ!?

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テレビゲームから潜入するッ!!!

そのゲームの名は「キャプテン・スクウェア」。

ただ何となく置かれていただけのゲーム内ミニゲームかと思いきやまさかのラスボス戦で使われる不意の打ち方も巧妙だが、それ以上に「人間が生み出した人間を粛正するAI」への対抗手段として「人間が生み出した人を幸せにするテレビゲームで対抗する」を持ってくる強烈なテレビゲーム賛歌が私は一番好きだッ!!

「人間が作った人殺しのAI vs 人間が作った娯楽のテレビゲーム」という構図そのものが「人間から悪意を学習したOD-10 vs 人間から信じる心を学習したキューブ」に置き換わり流れ始める大一番のメガロマニア!!!

SF編に戦闘はないと言ったがあれは嘘だ。
しかしここの一回きりしかない!

そしてそのたった一回、正に「大一番」のメガロマニアでSF編は人類とロボットの可能性をOD-10に証明しSF編は終了する。

ジャンル自体はパニックSFホラーアドベンチャーでありながら、最後にはちゃんと「ライブアライブ」の土俵に持ち込む手腕も実に見事ッ!!


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伍長にコーヒーを手渡しロボットと人間の共存の未来を描きつつSF編は締めくくられる。ライブアライブは数多くのシナリオが用意されているが、何よりも私はこのSF編が最も好きだ。

人間の善悪をSFホラーに仕立て上げ、RPGかと思ったら実はアドベンチャーでそれでも最後の大一番でRPGに戻ってくる二転三転の構成も、そして何よりも人類の切り札に「テレビゲーム」を持ってくるテレビゲーム賛歌を高らかに謳い上げる姿勢が何よりも好きだ。


とてもハッピーエンドとは言えない状況だが、伍長とキューブのしっとりとした締め方も他のシナリオには無い味わい深さで中々に悪い物じゃない。

今は この味が最高だな。

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FIN…………




現代編

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さあてやってまいりましたライブアライブ最大の問題作「現代編」!!!

SF編ではRPGのようで実はアドベンチャーという変化球が飛んできましたが、断言しましょう!現代編はRPGじゃないッ!!

現代編の遊び方は超簡単!知力25の主人公高原日勝を操作して世界各地の格闘家から技を盗み最強の座を目指す!!

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対戦相手を選ぶ!それで戦う!!何だ、超簡単だぜッ!!!




しかもBGMも相変わらず出来が良いッ!どうだこれ!
何ていうかこれ…ほらこう…ストリートを思い出すだろう!?


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いやこれストリートファイターやんけ!!!!!


はい。幕末編という名の魔界転生編、SF編という名のホラーアドベンチャー編に引き続き現代編は「現代編という名のストリートファイター編」です。

だから言ったでしょう!?
後続に比べると幕末編と功夫編が比較的王道に見えてくるとッ!!

コマンド入力で必殺技を繰り出すFF6のマッシュもそうでしたが、恐らくこの時代は格ゲーがめちゃめちゃ流行っていたのでしょう。
いやだからってなあ!?


しかしただのストリートファイター編では終わらないのがライブアライブ。
この現代編ではある一人のキャラがカギを握っている。

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その男の名は「森部生士」。
骨法という特殊な技の使い手でこのジジイから習得出来る「通打」と「あびせげり」の二つの奥技が尋常ではないぐらい強い。

前述の通り現代編は世界各地の格闘家とストリートでファイトなキングでオブなファイターズを繰り広げて技を盗み次の格闘家との戦いで習得した技を使って攻略の糸口を見つけていくスタイルが結構上手く格闘ゲームというジャンルをRPGに落とし込んでいて面白い。

例えばロシアで習得したアームロックで敵の手を封じてしまえば張り手を使ってくるスモウレスラーの攻撃を幾分か封じれたり……ガワのおふざけ感に反して意外と戦略性は高い。


しかし…しかしッ!!
「あびせげり」と「通打」さえあればそれ以外の技は要らないッ!!!

相撲取りから覚えた張り手も、ガイルのパチモンから習得したアームロックも、ダルシムのパチモンから習得したヨガ技も…森部から習得した技さえあれば全て要らない!!


まず一つ目の「通打」。この技は敵に接近してから発動する技で、元々の威力もそこそこ高い。攻撃の際に足の骨が折れるようなエフェクトが発生するため、恐らく敵の足にピンポイントでダメージを与える技だと推測出来る。

しかしこの技の本当の恐ろしさはそこではない。何とこの技、「当たると確実に敵のレベル&ステータスが大幅にダウンする」というライブアライブ屈指の最強デバフ効果がオマケに付いてくる。


当然キャラクターも多数登場するライブアライブ。その中には「レベルを下げる」「ステータスをダウンさせる」などのデバフ技を使えるキャラも多数居るが、「ほぼ確定でレベル&ステータスを大幅にダウンさせる」なんてインチキじみた技を持っている奴はこの森部ぐらいしか居ない!!

しかも通打の効果は一度きりではなく使えば使う程敵のレベルが下がっていくため多分現代編は通打を連打するだけでクリアする事も可能なのだろう…



二つ目の技の「あびせげり」。

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ここに来てライブアライブのちょっと独特な戦闘システムに触れるのも遅すぎるような気はするが、このゲームはマス目の上をキャラクターが動き回って敵に攻撃する戦闘画面となっている。

つまり自分の位置から離れた位置の敵に向かって遠隔で攻撃出来る技が反撃を食らったり距離を詰められて攻撃を当てられる可能性も低く、結構使い勝手が良い!

森部第二の奥義あびせげりはその遠隔攻撃にあたる。



しかし重要なのはそこではなく、あびせげりの真の強さは先程の通打同様「技の追加効果」と「現代編の仕様」にある。

あびせげりの追加効果は「ヒット後に敵の方向を変える」というシンプルな物。しかしこれが刺さりまくるッ!!

つまりどういう事かというと、高原のターンが回ってきて敵にあびせげり→追加効果で敵の方向が強制的に変えられる→敵が方向を元の位置に戻るために1ターン分時間を消費する→高原にターンが回ってきてあびせげり→追加効果で敵の方向が…と、実質的な無限ループに陥れる事が出来るのだッ!!

しかも現代編は基本的に敵とはタイマンで戦う常時ボスラッシュ状態!敵が集団で現れる幕末編や功夫編で敵一体にあびせげりを食らわせ続けても他の雑魚に囲まれて袋叩きに遭う事必至なのだが、現代編は敵が基本1人なのでもうあびせげり無限ループで余裕のハメ殺し!!

もしこれが「格闘ゲームの永パや壁ハメの再現」なのだとしたら現代編の格ゲー本気具合に平伏するしかないが、それでもラスボス戦すらメガロマニアをバックに通打で弱らせてあびせげりでハメ殺す絵面は中々にすごい。


森部のじーさんの足技。

森部のじーさんの飛び技。

森部のじーさんの関節技。

森部のじーさんの力。

森部のじーさんのパワー。

そして森部のじーさんの奥義が!

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西部編

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続いての西部編はこれまでと打って変わってクールでシビアな大人の世界。
確かに現代編や功夫編に比べたら多少は落ち着きのあるシナリオだが、こちらも中々な変化球を投げてくる。

舞台は西部で主人公はガンマンなのでそれはもう熱い決闘(デュエル)が次々と繰り広げられるのかと思いきや、何と西部編は他のシナリオに比べてかなり戦闘が少ない。

それもそのはず、西部編は戦闘をするのではなく「戦闘を避ける」ためのタワーディフェンス的な要素が主軸になってくる。

街を荒らすO(オー)・ディオ率いるワイルドバンチを夜明けと共に迎え撃つため、街中を駆け回り罠になりそうなものを集め住民たちと協力して戦う!

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火炎瓶を集めたりフライパンを拾ったりダイナマイトを仕掛けたりアニーの下着を盗んだり、四方八方ありとあらゆる手を尽くして街に罠を張り巡らせてO(オー)・ディオとの決戦に備える。

しかし私はこちらのタワーディフェンス要素は割と前座のようなものだと思っている。西部編のメインディッシュはO(オー)・ディオを倒した後のマッドドッグとの決戦だッ!

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西部編は他のシナリオに比べてかなりコンパクトにまとまっているものの、主人公サンダウンのライバルであるマッドドッグとの決闘は仕切り直しも含めて何と3回も行われる。

そしてマッドドッグとは決闘の邪魔をするワイルドバンチを追い払うために一時的な共闘関係を結ぶのだが、そこから和解になるはずもなく、最終的には荒野の男同士のプライドを懸けた決闘(デュエル)で締めくくられる。

正直西部編は全体的なシナリオがそこまで濃い訳でもなくO・ディオとの戦いだけで終わっていたらあまり好きではなかったかもしれないが、マッドドッグとの決闘(デュエル)が最後に行われる事でグッと深みが増している。


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そして街のみんなに見送られながら荒野へと消えていく伝説の保安官サンダウン・キッドの姿で「THE END」。渋カッコいいぜ…




原始編

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ライブアライブの舞台はついに人類史の始まり原始時代にまで遡る!

何と原始編ではついにRPGから「言葉」の概念が消え去る!
そりゃそうだ!原始時代に日本語なんかある訳が無い!!

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なので原始編ではキャラクターの感情がアイコンや身振り手振りのみで表現される!たったこれだけの情報量で結構分かりやすく進める事が出来るので驚きである。

まさに「原始の時代、人に言葉など要らなかった」という事を体現している原始のRPG。我々の遺伝子に眠る原始の魂を呼び覚ますプリミティブRPG。

そして原始編が他のシナリオに比べてずば抜けているのはやはりドット芸の多彩さ!


それもそのはず。ライブアライブは1994年9月でFF6から5ヶ月後に発売されているので、ちょうどSFCのドット技術が煮詰まりつつある(多分…)時期にアイコンと身振り手振りだけで表現しなければならない原始RPGの開発が決まったらそれはもうすごい物が出てくる。

SFC世代にかすりもしていない私ですら「あっ!ここのキスされて目が大きくなって跳ねるドットの動かし方FF5でめっちゃ見た!」とスクウェアのドット技術の蓄積を感じられる所も楽しい。

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だがしかし…原始編にこれ以上言う事はあんまり無い!!!
だって…だって…言葉が無いんだもん!!
どうやってストーリーを理解したらいいんだ!?


キャラデザを担当している漫画家の作風を反映してるのは分かるけどやたら下ネタ多いし!集団戦の最適解が「ゴリラの糞で毒沼を撒きながら範囲攻撃の放屁に敵を大勢巻き込む」ってどういうRPGやねん!?

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そしてラスボス戦で雄叫びを上げながら乱入してくる股間にトカゲを張り付けただけの全裸男、ざき。もう何も分からない。

「対立し続けてきたライバルキャラがラストバトルで緊急参戦」というシチュエーションだけ聞いたらめちゃくちゃ熱いはずなのに、何かもう私の気持ちは2回裏切った癖に何食わぬ顔で再加入してくるFF4のカインを見た時と同じ気持ちだよ…。

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そして最後にはざきが族長となりみんなで宴を開いて仲良く終了。
なんなのだこれは!?どうしたらいいのだ!?

愛とは…言葉とは…ゴレンジャーとは…原始とは……うごごごごごご!!




近未来編

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待っていたぜ!島本和彦ッ!!

この近未来編を一番楽しみにしていたというか、たまたま幕末から右に進めていったら最後が近未来になってしまっただけで多分それ以外の進め方でも私は近未来を最後のお楽しみに取っておいただろう!!

だってもうただでさえ平常時のテンションが島本和彦の漫画みたいなテンションのライブアライブに島本和彦本人が描いたキャラが出てくるんですよ!?火に油かッ!?


そして開幕から流れ始める謎のロボットアニメのOP!!!

そうか…やってなかった!やってなかったじゃないか!!
何って「ロボットアニメ」だよ!!!


原始もSFも幕末も功夫も西部も制覇したライブアライブが唯一やってなかったジャンル、ロボットアニメッ!!!
まさかこんなにもピッタリなジャンルが残っていただなんて、豚にキムチ、マジでスムーズに欲しい言葉をドンピシャくれる長年組んだコメディアン、ライブアライブとロボットアニメは祖先を辿っていけば実は同じ生物から誕生しているのでは!?



しかしそんな近未来編も何が何だかよく分からないッ!!!
まずイカれた仲間を紹介するぜ!

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背中に「男」の一文字を背負う通りすがりのたい焼き屋、無法松!

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死んだ亀を流体に変えやかんから作った真鍮性のメタルスーツに注入した結果流体アンドロイドとして生まれ変わったタロイモ!!

すげえ!何も分からねえ!!


成り行きで仲間になる奴が多いから最終的に「どういうパーティなんこれ?」みたいなメンバーになるファイナルファンタジーですらここまで意味不明なパーティーはあんまり無い!!!

「急に仲間になるRPGの味方キャラなんて通りすがりのたい焼き屋でもええんやで」という勇気を、ライブアライブ近未来編からは貰えるぜッ!!


そこからの近未来編序盤~中盤はもっと何も分からない!

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やたら面倒な手順を踏んでメインテーマまで流れて乗り込んだブリキ大王は特に動かない!妙子の下着を盗もうとして何故か「妙子のパンチ」が武器として手に入る!しかも妙子のパンチ結構強い!!ついに入手に成功した妙子のパンツは何と頭にも装備出来るぜ!!!


…………ここまでの近未来編に対する私の印象は「思ったよりヤバいかもしれない」に尽きる。いや、良い意味でも悪い意味でも。

だがそんな近未来編のヤバいノリは筑波から急変ッ!
俺も行くぜ 筑波に!!

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人間を液体に変え機械に注入する事で液体アンドロイドとするタロイモと同じ技術が筑波でも研究されていた!
その真実を知られた陸軍と筑波研究所は日暮里のインコ大仏像に御出居(おでお)様を降ろし世界を滅ぼす神降ろしを強行!!

主人公のアキラの妹が住むちびっこハウスもクルセイダーズの魔の手によって焼き討ちに遭う!もうダメか!?
誰もがバッドエンドを覚悟したその時ッ!!!

男無法松!無理を通したッ!!

一度は失敗したブリキ大王の起動に決死の覚悟の大量ドーピングで成功!!
ちびっこハウスの危機をド根性で救う!!!
昭和の男に不可能などない!!!!!

しかし松は元々超能力が使えない身体だった所に大量のドーピングで無理に動かしていたため、限界が来てブリキ大王のコクピットで衝撃の死を迎える!!ま、松ッ!!!

がッ、ブリキ大王は動いたッ!!!!!!

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松は…死んだりしねえ…

この……ブリキ大王が あるかぎりッ!!

濃い。濃すぎる。あまりにも濃厚な「ライブアライブ」を摂取させられている。序盤の変なノリの時点であった勢いはそのままに本気のロボットアニメをやり始める。もう縛りつけられた上で無理矢理ライブアライブの原液を口に流し込まれているようなものだ。気が狂う。


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ライブアライブをやっていない私ですら知っていた名台詞「行くぜ 松…」と共に流れ始めるGO!GO!ブリキ大王ッ!!!

まさかここまで「行くぜ 松…」が壮絶なシーンだとは思わなかったッ!!

まだ!まだだ!!まだこの大盛り上がりでラスボス戦を行っていないッ!まだ近未来編でメガロマニアは流れちゃいないッ!!!!!

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ざけんなよ……そんなカッコにならなくてもな…

一つにはなれんだよ!

なあ………そうだろ 松ッ!!


からのメガロマニア。もう完全に優勝。もう何も言う事が無い。
ライブアライブは全てのシナリオにおいてメガロマニアが流れ始めるその一瞬に懸ける姿勢をひしひしと感じるが、もうこれを超えるメガロマニア導入などありえない。

すいません、さっき「SF編が一番好き」とか言ったんですけど、近未来編も一番好きです。ライブアライブで一番好きなシナリオを一つに絞るとか無理だろッ!?なあ………そうだろ 松ッ!!


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おわり!!!!!



…さあ、みなさんライブアライブいかがだったでしょうか!?

幕末、功夫、SF、現代、西部、原始、近未来の7つの時代を巡る大作RPGライブアライブの面白さが気になった方は是非WiiUのバーチャルコンソールでお買い求めを……………ってんんんッ!?


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増えてるぞ 松ッ!!

そう。数多の時代を駆け回り数々の変化球を投げてきたライブアライブには最後のシナリオが隠されていたッ!
その名は「中世編」!!

幕末に原始に近未来、王道ファンタジーRPGに反旗を翻すが如く数々の舞台が用意されていたライブアライブは最後の最後にファンタジーに帰ってくる!餅は餅屋!ファンタジーRPGはスクウェア!!

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武闘大会で優勝し勇者に選ばれたオルステッドとその相棒のストレイボウで魔王に攫われた姫を救出する中世編は一点の曇りもない超王道ファンタジーRPG!あの変化球ばかり投げ続けてきたライブアライブも…ついに…ついにひねくれる事を辞めてくれたんだな!


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そのような事は断じてない。

中世編は「中世ファンタジー」というRPGのスタンダードを舞台にしつつにそんな王道RPGに真っ向から反旗を翻す最後にして最大の変化球。

ここまでの幕末~近未来の7つのシナリオが「RPGはファンタジーだけではない」というRPGの可能性を見せつけるシナリオだったとするならば、「勇者が世界を救うRPGなんてやり尽くした」とRPGという概念そのものに真っ向唐竹割に斬りかかる「アンチRPG」こそが中世編なのだと私は思ってる。

中世編の勇者オルステッドが旅立つ導入部分で「もうみんな知ってるいつものアレだからね!」と大抵の説明を終わらせて即勇者である事が嫌になった先代勇者の話に突入していく剛腕さが恐ろしい。もうプレイヤー全員が王道RPGを知っている前提で中世編は話が進んでいく。


そこからの中世編はその全ての展開が王道RPGとは真逆の急転直下を辿る!
先代勇者ハッシュと先代僧侶ウラヌスを仲間にし、ついに倒したラスボスであったはずの魔王は実は本物の魔王ではなかった!!

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「RPGのラスボスは魔王」と「ライブアライブのラスボス戦は絶対にメガロマニアが流れる」という2つの絶対原則を逆手に取る徹底したアンチRPGっぷり!前者はまだしも後者に至ってはもはや「ライブアライブ」というゲームそのものに反旗を翻す自給自足アンチRPGを行っているッ!!

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そして城に戻ったオルステッドは何者かの手によって魔王の幻覚を見せられ陛下を殺してしまう!そのまま牢獄にぶちこまれるッ!!

この勇者投獄展開、最近だとドラクエ11で見たばかりなのだが20年前にライブアライブが既にやってしまっていた事に驚かされるし、裏を返せば時代がライブアライブに追い付いたとも言えるッ!!

勇者ハッシュの死、僧侶ウラヌスの死。数々の仲間の死に直面し、それでも「人を信じろ」と言われたオルステッドはもはや最後の一縷の望みに懸けて魔王山へと向かう。

そこで待ち構える中世編のラスボス、その男こそ「ストレイボウ」!!!

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共に武闘大会で戦ったライバルでありながらも頼れる仲間だったストレイボウはオルステッドに対する憎しみ、妬み、嫉みを心の奥底で溜め続けていたッ!それが最悪のタイミングで爆発ッ!!

昔からどんなにストレイボウが努力しても常にその一つ上を行くオルステッド。それはもうオルステッドが「RPGの主人公」という立場に生まれてしまったから絶対に覆らない原則だッ!しかしストレイボウはそのRPGの主人公に反旗を翻すッ!!この男も正にアンチRPGを体現する存在ッ!!!

RPGの中で勇者じゃないキャラは、勇者に生まれる事が出来なかったキャラは勇者を超えられない?そのような事はありえないッ!
ならば自分自身が魔王となり、勇者の引き立て役であり続けたNPCの自分自身の過去に引導を渡してやるッ!!!

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あの世で 俺にわび続けろ

オルステッドーーーーッ!!!!


このゲーム史上最も有名なセリフと共に襲い掛かってくるストレイボウ。
しかしストレイボウはどうやってもオルステッドに勝つことは出来ない。
このゲームがRPGである以上、ラスボスは絶対に倒される存在だからだ。

仲間も、帰る場所も、そして相棒をも失ったオルステッドがそれでも信じ続けていた人はアリシア姫。

中世編は最後に姫を助け出しオルステッドとアリシアの真実の愛によって締めくくられる…………

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訳がないッ!!!!!

言ったでしょう?中世編はアンチRPGだとッ!
魔王は魔王ではない、相棒は相棒ではない、ならば助け出した姫とハッピーエンドを迎えるかと言ったらそのような事もあり得ないッ!!

ストレイボウに連れ去られたアリシアはいつの間にかオルステッドではなくストレイボウに心を奪われていた!それどころかストレイボウに感情移入し、常に勝者であり続ける事を義務付けられているRPGの主人公勇者オルステッドに対し「負けるものの悲しみなどわからないのよッ!!」と衝撃のセリフを吐き捨てアリシアはオルステッドの眼前で自殺ッ!!!

仲間、希望、帰る場所、愛する人、相棒、勇者としての尊厳を全て失ったオルステッド。最後に残った物は「RPGの主人公」というポジションだけになってしまった。ならばどうするッ!?

全てを失い何もかも残されていない中「主人公」という自分自身だけが残ったらどうするッ!?

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そうッ!「勇者」という立場そのものに叛逆し、勇者の自分自身を魔王となる事で完全に殺す!これこそアンチRPGの極地!!!

勇者が魔王になって終わるRPGになり、初めて中世編の「アンチRPG」は完遂される事となるッ!!!


しかしまあ、改めて中世編を振り返ってみると、流石に私も「あの世で俺にわび続けろ」のセリフがあまりにも有名すぎてストレイボウが裏切る事は知っていたのだが、主人公のオルステッドがラスボスの魔王オディオになってしまう展開は全く知らなかったので完全に不意を突かれてしまった。

中世編単体の出来自体も間違いなくライブアライブ最高傑作クラスなのだが、最後の中世編で「これまで倒してきたラスボスは全てオディオだった」と明かされる事で正に終わりにして始まりのファンタジー、最初にして最後のファンタジーになってしまう構成の上手さも尋常ではない。


そして本当に最後の最後に登場する「最終編」ではこれまでの主人公が全員終結!私はあまりマーベルを見ていないので実際どうなのかは分からないが、全作品を見た上で満を持して見るアベンジャーズの高揚感は多分こんな感じなのだろう!

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しかし私が推したいのはやっぱり「オルステッド最終編」である。
魔王化した中世編のラストの通り、最終編でオルステッドを選択すると「魔王」の立場に立って世界を滅ぼす事が出来る。

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これまでのラスボスを操作して主人公と戦う流れの良さもオルステッド最終編にはもちろんあるのだが、それ以上に私は魔王化したオルステッドのキャラクター性がオルステッド最終編の一番面白い所だと思っている。

第一、オルステッドは魔王化したクセに大真面目にストレイボウとアリシアの意見を取り入れて行動している。

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ストレイボウには「常に俺の一歩先を行くお前が許せない」と言われ、アリシアには「お前に敗者の気持ちは分からない」と言われたので、自分自身は絶対的勝利側のクセして急に敗者の歴史に介入して世界を滅ぼし始める。

まるで最終編のオルステッドは「敗者の気持ちを理解してない」と言われたから何とか敗者の立場に立ってストレイボウと気持ちとアリシアの言葉を理解しようと努力しているように見えるのだ。

「あの世で俺にわび続けろ」と言われたので流石にあの世には行けないけど何とかこの世で敗者の気持ちを理解してストレイボウとアリシアに詫びてみようとする元来の勇者としての真面目さを最終編のオルステッドからは強烈に感じる!!

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だってオルステッドが急にこんな「歴史とは勝者の歴史なのだ!!」とか言い始めるの明らかに無理してません!?

人に言われたことを大真面目に実行して世界を滅ぼしてしまう所がもう「ストレイボウとアリシアの言ってる事絶対そういう意味じゃないと思うよ…」と突っ込みたくなってくるし、オルステッドには多分こういう所が間違いなくあってストレイボウもあの世で「お前のそういう所が…」とバチバチにキレているであろう。

何かもうこのストレイボウとアリシアから言われたことを大真面目に受け入れて大真面目に敗者の肩を持って世界を滅ぼし始める真面目さにどうやっても切り離せないオルステッドの「RPGの主人公」としての人間性を感じてしまう。オルステッドとストレイボウの間にある大きな断絶はもう何をどうやっても埋まらないのだろう…という事も薄々分かってきてしまう。


そして全ての世界を滅ぼし中世だけが残されたオルステッド最終編のビターエンドではオルステッドがハッシュの家や武闘大会の場所を一人寂しく放浪する中々哀愁に溢れた姿が描写される。

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全てが終わってウラヌスとハッシュだけじゃなくてストレイボウとの思い出の場所まで巡っちゃう根底の仲間思いな所とか、明らかに無理して敗者の歴史に肩入れし始める所とか、とにかく最終編のオルステッドは「どう見ても魔王に向いていない善人が無理して魔王やってる感」がすごい!!


しかもオルステッドがこんなに無理して魔王やってる一方、当のストレイボウとアリシアは「俺のせいなのか…」「止めて下さい…」とオルステッドの大暴走に苦しんでいる。

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いや、どちらかと言うとストレイボウとアリシアが己の行為を悔いている一方でオルステッドは大真面目に世界を滅ぼしていると言った方が正しいのかもしれない。

まさかストレイボウとアリシアだって敗者の気持ちを理解していない奴に無理解を突き付けたら本当に敗者の気持ちを理解するために世界を滅ぼし始めるとは思ってもいなかったのだろう。

何というかもう、オルステッドとストレイボウ&アリシアの3人の間にあるものは不仲とか寝取られとかそういう問題じゃなくて根本的な人間としての軸の違いがあるのだろう。RPGの主人公とそうでない人間の間にある大きな“溝”がこの3人は特に肥大化した結果こうなってしまったのではないか…。


まさかここまで来てこの熱血RPGライブアライブで何をどうやっても理解し合えない人間と人間の間にある大きな“溝”を見せられるとは思っていなかったので私自身もう世界を滅ぼす魔王オディオを見守る事しか出来ないストレイボウの気持ちになってくる。

俺のせいなのか…?あいつがこんなになってしまったのは…。


もうゆっくりあの世で休み続けろ、オルステッド……………ッ