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ホロライブ運営の技術進歩を垣間見る【ホロライブ星街すいせい3D所感番外】

 2020年3月1日、ホロライブ所属Vtuber星街すいせいの3Dお披露目配信における、技術面での驚きとそれに関する所感になります。

※以下メタ話が含まれるので、苦手な方はご注意いただきたい。
 また、星街すいせいのメンバー限定配信で、この技術面について触れているとの話を聞き及んでいる。筆者は確認できていないので、以下の記述は筆者独自の考えであることに留意いただきたい。

ステージに見られた2つの表現

 これまでの3D配信でも、専用の会場を作成してきたホロライブ運営。
 今回の星街すいせい3D配信では、彼女の意向もあり特設ステージを新設してきた。
 すいせいチャンネルのロゴと、動画・ファンアート配信用の大型モニタを中央に配置し、星街すいせいの意匠を細部に取り入れた円形の音楽ステージとなっている。
 本ステージで特筆すべき点は、鏡面仕上げの床スポットライトによる明暗表現の追加の二つである。

 鏡面仕上げは、メイン部分を上下反転でリアルタイム処理していると考えられる(それだけでも十分凄いことだろう)。
 ただこのリアルタイム処理が完璧で、反転した星街すいせいやモニタ映像に寸分のズレも無く、そこに鏡面仕上げ床が『あり』、『ステージが反射している』と当たり前に思わされていたことに、後から気づくレベルだった。

明暗表現の獲得とそこからの個人的期待

 さらに今回はスポットライトやステージ照明の光源処理が追加され、演者やステージ上の明暗表現が再現されている
 この明暗表現は、ときのそら×AZKiのデュエット曲、
『SorAZ「刹那ティックコード」』のPVの中でも使われているので、まずはご覧いただきたい。

 この技術の追加によって、今後のホロライブ3Dは過去のものと一線を画すようになるだろう。

 例えばFBKBP2019(白上フブキ誕生祭ライブ)では、スポットライトは当たるものの、演者の上に明暗の変化を乗せる程度の表現に留まっている。

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 ホロライブ1stライブ『ノンストップ・ストーリー』では、ステージセットのスポットライトはあったものの、演者とは当然分離している。
 あくまで私達3次元側からは照明効果があるように見えるだけで、演者に明暗がつくことは無く、バーチャル世界のアップカットでは黒いステージに普段の演者たちがいるだけだった。
 またステージの光源は、ともすれば演者たちが3次元側から見えにくくなる弊害を抱えている表現方法でもあった。

スクリーンショット (3785)

スクリーンショット (3780)

 しかし明暗表現が追加されたことにより、ステージライトで照らされることでの部位の輝きや、逆光によるシルエット演出がバーチャル空間で表現可能となったのである。
 これが3次元ライブと比較しても遜色のない明暗表現だったことは、視聴されたあなたならご理解いただけるだろう。

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この表現は、これまでのホロライブには間違いなく存在していなかったものである。より3次元ライブに近づいた表現技術を獲得している。

 この技術を通して、今後の3Dライブ配信のリアリティが向上することは言うまでもなく、リアルライブにおいて、ヴァーチャル空間の明暗表現と、3次元ステージのライトアップを掛け合わせた新たなライブ演出が見られるのではないだろうか。
 本配信を通して筆者は、これからのホロライブのステージに一層の期待を寄せることとなった。Vの未来は未だ明るいままだ。