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【読書感想note】みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

日経コンピュータら著『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」』を読みました。

みずほのシステム統合とは?
なぜ1から開発したのか?
システム障害の原因は?
MINORIの特徴は?

先日3度目のシステム障害が発生したことを機に、みずほに関するこのような疑問を解消するきっかけがほしいと思い読んだこの本。

感想とともにまとめてみました。
↓↓↓

この本から得られた学び

〈みずほのシステム統合〉

〈なぜ1から開発したのか〉

・20年以上前に作られた基幹システムは老朽化しており、それに付随して様々な問題が発生していた。
・現代に即した新たなシステムを構築し、「2025年の崖」からの転落を防ぐ。

〈2度のシステム障害〉

・システム統合の方針がなかなか定まらず、開発が遅れる。
・ベンダー各社の売り込み合戦も勃発。
・プロジェクトを俯瞰的に指揮するマネージャー不在。
・結果的に十分なテストがなされないままシステムを稼働させることに。


・義援金振り込みが予想を上回る。
・経営トップのITへの無理解により、問題対処が後手後手に。
・問題発生時のプログラムも存在せず。
・システム刷新を先送りしてきたこと、不健全な組織のコミュニケーションが根本的な問題だった。

〈MINORIの特徴〉


感想

本書を読む中では、理解が難しい情報システムに関する部分はざっと目を通し、概要だけは頭に入れようと努めました。

「見通しの甘さ」

みずほのシステム障害の原因を一言でいうならこれに尽きると思います。

システム統合の複雑性やベンダー各社の立ち位置、発生しうるリスクへの対策、プロジェクトの俯瞰的統括など、把握・準備しておかなければならない様々な要素を見落とし、あらゆる施策が後手に回ってしまいました。

また、顧客の利便性や求められている価値よりも、社会やステークホルダーからどう見られるかを優先してしまいがちな組織観も気になりました。

みずほは大きな失敗を繰り返しており、いまだグループ内の完全な統廃合が済んでいないからこそ、いま一度「お客様のために」という本質に立ち返る必要があると感じました。

この本は不健全な組織のあり方がもたらした合併の失敗から得られる教訓を記した本だと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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