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邦楽史上最高の年だったであろう2021年の音楽の話

お久しぶりです。ヒニチです。
激動の一年、でしたね。本当に。

さて、今年の音楽について語っていきたいな~と思うのですが、今年の邦楽シーンに関して言えば過去に例がない程に豊作だったと言い切っても過言ではないです。
ポップスが陳腐になるとインディーのライブシーンが盛り上がって、当たり障りないロックが増えだすとポップスが盛り返す、みたいな “流行のうねり” ってあると思うんですが、昨今の情勢もあってなのか、どの界隈の音楽もその音楽に何らかの意味や思いを託しているような、そんな印象を受けました。リリースされた音楽だけに目を向けると本当に良い1年でした。

少し多めですが、本当に良い音楽だけに絞ったつもりなので、年末年始の暇な時間にでも聴き漁ってみてください。

いくつか前後してますが、だいたいは1月から順に時系列順です。

Cinnamon / キタニタツヤ – Cinnamon / Tatsuya Kitani

オシャレすぎ。
一昔前のニコニコ・ボカロ畑出身のアーティストってニンニクアブラ肉マシマシ!!!!!みたいな、華美で過剰でド派手な音楽が多かった印象なんですが、キタニタツヤの音楽からは引き算の美学を強く感じるんですよね。彼自身がベーシストだからなのかもしれない。嫌味にも思えるくらいの知性を少しも隠そうとしない感じ。ムカつく。

彼の削ぎ落された編曲、同じ畑出身でざっくり同時期にデカくなったAYASEやn-buna、ツミキとかと比べても決定的な差異だと思います。

あと、二番Aメロのギターやけに良いな~と思ってインタビュー記事とか調べてみたらポルカドットスティングレイのギターの人から出てきたアイデアとのことだったので、ポルカドットスティングレイに対する認識を少し改めないといけないな~と感じました。これは普通に悪口です。

『雁矢よしのの話(CV.高橋李依)』ポエトリーリーディング楽曲 Special MV(フルサイズver)

なんか久々に見たらめちゃくちゃ再生数増えててビックリした。デカめの広告打ったみたいですね。ポエトリーリーディングとアイドルの取り合わせ自体はわりとちょくちょく見かける気がするんですが、このジャンルの音楽とポエトリーリーディングの取り合わせ、こういった演出は見たことない。

ポエトリーリーディングするアイドルって淡々と朗読するダウナーなやつが主流だったので、ここまで感情を載せてポエトリーリーディングラップをするのもより目新しい気がします。声優ありきというかなんというか。そういう意味で言えば黄色の子の曲が一番衝撃だったかも。

アイドルに手紙を送ると、本人から“手書き”の返信が届く。今までに無い“エモい”アイドルプロジェクト『Princess Letter(s)! フロムアイドル』略して #プリレタ💌 
らしいです。マジで意味わかんなくないですか?仮にこの声を好きになったとしても声優宛にファンレター送ればいいわけだし…。

yubiori - ギター (Official music video)

これほど無駄がなく、美しい詞を僕は他に知りません。

【オリジナル曲/MV】Binary Star / 白黒あんこ【Vtuber】

音楽をとめるな3で初めて知った曲の中で一番良かった曲。
あれほんといいイベントでしたね。次回は年末やるとか言ってたけど、12/11現在、何も続報はないです。AZki、ツラニミズ、頼んだぞ…!

シバノソウ「カーテン・コール」official music video

僕がはちゃめちゃに影響を受けているBalloon at dawnの井口さん(All lull wave)の詞を噛みしめて、メロディを感じてねと、ただそれだけ。
清々しい程にドリームポップ。井口さんの音楽自体、女性ボーカルとの相性がすごくいい。
5年くらい前だと僕もここのコメント欄のアンチのように シンガーソングライティングしてないシンガーソングライターってなんなんだ? と思っていた時期もあったんですが、作曲者作詞者だけでは表現し切れない機微があるのもまた事実で。これは本当に良い曲。

ちなみにこのシバノソウさんは最近バンド形態で活動しているらしい。バンド組めば上で触れたようなナンセンスな暴言なんて余裕で無視できますね。なあ、誰か僕ともバンド組んでくれないか…?

「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」Music Video / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

これ!!!!!!!

長谷川白紙の音楽として聴いてもスカパラの音楽として聴いても神がかり的な仕上がりだと思うんですが、イマイチ話題になりきらなかったような気がして。これを読んでいる全員に聴いてほしい。
毎日が陰鬱で、抑圧されていて、日々の何もかもが不透明だった2021年の3月に『会いたいね』という言葉が、音楽が持つ意味。

長谷川白紙の音楽って曲によっては難解なものも多くて、それ故に歌詞も抽象的だったり散文的だったり、時に前衛的だったりするわけですが、この曲は長谷川白紙流のブレイクビーツや複雑な音の重なりはそのままに、スカパラの持つ生命力が詞に熱を与えているような感覚があって感動しました。
いろいろグチャグチャと語っていますが、本当に最高。MVも最高。

というかそもそも今年の長谷川白紙がめちゃくちゃヤバかったんですよね…。委員長に提供した『光る地図』も良かった。というかあのアルバムのメンツ、いくらなんでもサブカルすぎる。聴いてない人いたら絶対に聴きましょうね。
あの中だと大槻ケンヂ氏作曲の浮遊感UFOが一番好みかな。めちゃくちゃ良かったです。

リーガルリリー - 『東京』Music Video

リーガルリリーは天才なんですけど、いわゆる天才たちの中でも頭一つ抜けて天才なんですよ。改めて言わなくてもわかりますよね?この感覚。

奇をてらっているわけでもないのにメロディの一つ一つが真新しくて、瑞々しくて、それでいて頭の中にストンと収まる感じ。
teto、崎山蒼志、神聖かまってちゃんでもゲストボーカルをこなしているたかはしほのかですが、やっぱりみんなそういう感覚があるんだと思う。
たかはしほのかの歌声が足りなかったピースのようにきれいにハマる感覚。

個人的に今年一番聴いたアーティストだったな~という感じ。
今年出た曲じゃないけど『GOLD TRAIN』は今年100回くらい聴いた。この『東京』が収録されているEP『the World』を聴けばリーガルリリーが天才だってのは誰でもわかると思います。

ロックンロールは人知れず / アザミ

アザミさんが男とコラボするたびに苛ついてる友人がいるのですが、かなり面白いです。

ARuFaオリジナルソング「さんさーら!」

みんな大好きARuFaとみんな大好き田中秀和のコラボ。作詞はピノキオピー。これがカツカレーラーメンですか???????????

この曲の5日後に出た名取さな - アマカミサマ【オリジナルソング】もちょっと良すぎた。良すぎってくらい良かった。この2曲を1日の頭で流すとすごく良い感じに1日が始まるのでかなりオススメです。

何気に bVIaug / V ( V7(b9,11,13) omit 3,5,7? )(耳悪いから合ってるかわからん)ってはじめて聴いた気がする。
ドミナントの本来の意味を考えるとⅤ上でどんな和音を積んでも良いというのは頭では理解しているつもりなんですが、Ⅴのコードトーンを全て抜いてあるのでドミナント感はほぼ無くて、単純にこんなんありなんだ~という感じですね。(調べてみたところ、IVm△7/V  の ファ省略という解釈もあるみたいです。多義~!

この曲が出てすぐの頃にTwitterで『王道進行だ~!』って言ってる人いたんですが、
| Ⅳ△7     V/Ⅳ    | Ⅲm7    Ⅵm7           | 
| Ⅱm7     Ⅱm7/V  | I         Ⅰaug/#Ⅳ     | 
(実際はもう少し複雑?)をすぐに王道進行だと認知できる人、耳良すぎないですか……?こうやって文字に起こしたり採譜すれば流石に僕でもわかりますが……。
僕はまともに弾ける楽器がベースくらいしかないからなのか、意識が根音にばかり向かっちゃうんですよね。羨ましいです。

君島大空「向こう髪」Official Music Video

美しい……。

君島大空の一番の魅力は音源、弾き語り、バンドで全く別の曲かってくらい変わるということ。
最新アルバム『袖の汀』は過去作品に比べるとガットギターとボーカルを中心に据えられている分、弾き語りの延長みたいな感じが強くて、彼のギタリストとしての才と儚さと繊細さと生々しさが濃縮されて詰め込まれていて本当に最高。これほど蠱惑的な音楽があっていいんですか?

フジロックのときの君島大空、水色髪だったんですが、

桜葉どらいぶさんが言った髪色がヒニチで笑う的な言葉で数カ月ニヤニヤが止まらないくらいには僕は君島大空のオンナです。

なりてえんだ…。君島大空という一輪の花に……。

↑ 君島大空 合奏形態を見て感動する俺

↑ 君島大空 合奏形態を見て感動した俺

BBHF 『黒い翼の間を』Music Video

2年くらい前に再度改名し、チャンネルを変えてからめちゃくちゃバズった印象。名前って本当に大事ですね。改名前のバンド名は何度見ても全く記憶に残らなかったので本当に助かる…。

全ての音が、メロディが、心地よいです。正解の音楽。

10月に出た『ホームラン』もすごく良かった。

東京事変 - 緑酒

椎名林檎の書いた詞の中でもTop5に入るくらい好きな歌詞。作曲は伊澤氏。『大発見』のときほどでは無いとはいえ、相変わらず極端で過剰なmix・マスタリングなので諸説あるんですが、曲自体は事変の中でもトップクラスに好みです。

こういう数年ぶりに活動再開するバンドって熱狂していた頃に比べるとあんまりハマらなかったりしがちなんだけど、この曲は本当に良い。この曲といくつかの曲が突出して良すぎるので、最新アルバムの『音楽』自体が歪になっている印象すら受けましたが。

椎名林檎って“流行や時代の流れを読んだ上で最先端の音楽を自分のものにする能力”、みたいなものが高すぎるんですよね。全てが彼女の掌の上というか。新曲『仏だけ徒歩』を聴くとそれが特に顕著にあらわれていると思います。

というか異常な転調と半音で動く不安定なメロディが流行っている最近のJ-POPヤバすぎるんですよ。少し前にOfficial髭男dismのCry Babyの転調と異常メロディが話題になっていたけれど、オジサン世代の人たちって最近の音楽を死んだ目で聴いてるんじゃないのかと心配になる。
ここまでトレンドが激変してしまうとなかなか少し可哀想ですよね。僕自身、これ以上やりすぎなところまで行くとついていけなくなるかもしれないな~と感じています。

完全に余談ですが、たぶんこの最近のトレンドって米津玄師や星野源へのある種のカウンターだと思っています。
元々はアングラ寄りだった彼らの音楽が7、8年位前から日本のポップミュージックの看板みたいな扱われ方をされるようになったのは複雑なコード上に明快なメロディを乗せるというのが(当時のポップスにおいては)それなりに目新しくみえたからだとされているんですが、彼らの音楽はある種の弱点も抱えていて。
というのは、一見彼らの音楽はオシャレな響きがする一方で、その拍頭に強が来るメロディをアカペラで歌うと童謡みたいになってしまうんですよね。ほとんどの曲がそう。Lemonとかマジで複雑な情緒の全てが消える。手拍子しながら歌ったりなんかしたらなお顕著。
もちろんそれはそれで伴奏がないのだから当然仕方がないとも言えるんですが、たぶん感度の高い若いリスナー的にはそういうのが前時代的に思えるんでしょうね。伴奏が無い状態にもコード感を求めているというか。
トンデモワンダーズとかフォニイとかヴァンパイアとか歌ってみたで流行したここ数年の曲の大体のメロがミ♭、ファ♭、シ♭のオンパレードなのでそういうことなんじゃないのかな~とか思ったりしています。あくまで僕の持論。以上、余談でした。

諭吉佳作/men「この星にされる」MV

ようやく諭吉佳作/menのYouTubeチャンネルができたので登録しようねという話。この国の宝ですよ。この才能は。

ちなみにもうひとつのMV、『ムーヴ』はチュウニズムの事を歌っているっぽいです。チュウニズムの事を歌っている歌ってなに?
『ムーヴ』もずっと耳が心地良い。ライブで聴いてみたい。
この2曲が収録されている『からだポータブル』、今年の5枚を選べと言われたら絶対選出する。最高。

今年6月に長谷川白紙との合作『巣食いのて 』もリリースしている。こちらも最高。脳に直接作用するような音楽。他の音楽で代替できない。最高。

時速36km / サテライト【MusicVideo】

時速が、着実に、確実に売れてきた。
尾田栄一郎が『ハロー』にハマっていることを公言してから明らかに流れが来ている。

ロキノンの最後の生き残り、時速36km。
彼ら、普段僕らが生活の中で蓋をしている心の機微を言語化するのが本当にうまくて、なにより詞の温度感や言語感覚をベースのオギノとボーカル仲川の二人で共有しているのがあまりにも強い。
時速の作詞がオギノと仲川で半々くらいなのマジのマジのマジでヤバいと思うんですよ。異常。

ライブだと全員が自分の技術ギリギリの危うい演奏している。間違いなく、いま世界で一番かっこいいバンド。

僕は今年の1月に上京したんですが、道中はリーガルリリーと時速ばかり聴いていて、今年一年通してみてもその2バンド+羊文学ばかり聴いていました。彼らの音楽は生活の隙間に寄り添ってくれる。

はじめて時速36kmを知ったときから『素晴らしい日々』がずっと一番好きな曲なのだけれど、僕自身も中央線ユーザーになってしまい、初聴時以上にこの曲が自分の中で重みを持っている実感がある。新録版の『素晴らしい日々』電車の中で聴いて半泣きになったんだけどどうしてくれんの。

これまでの活動の集大成のような1stフルアルバム『輝きの中に立っている』、これまた今年の5枚を選べと言われたら間違いなく選ぶ自信がある。というか、これまでの人生で聴いた10枚を選べと言われても入ると思う。あまりにもすごすぎた。歌の持っている力、詞の持っている力をまざまざと見せられた感じ。こんな歌い方してたらいつか死ぬだろ。

PK shampooのヤマトパンクスが歌ってるの見ると、早よ死んで俺たちを悲しませてくれって思うんだけど、時速はどうにか長く活動してほしい。

このnoteの記事は彼らを紹介した時点でもう終わってもいいくらいです。まだ続きます。

尾崎リノと幽霊-湾岸線 '21 feat.仲川慎之介(時速36km)

そんな時速36kmのボーカル仲川慎之介とCody・Lee(李)の尾崎リノに僕がやりたい音楽を先にやられてしまいました。
いいですか?皆さん。これが僕がやりたかった音楽です。もう僕は店じまいするだけです。さよなら。今までありがとうございました。

Cody・Lee(李)も意味わからんくらい良いのにソロプロジェクトも最高なのやめてくれ。サツマカワRPGの曲を作ってしまうのとかあまりにもサブカル。

実は僕はつい最近までCody・Lee(李)をYouTubeの伸びてる曲しか知らなかったんですが、アルバムで聴くと全く印象違いますね。オマージュまみれ。この文を書いている今も聴いています。完全にハマりました。

それにしてもこの曲、めっっっっっっっっっっちゃ良くないですか????????????????????????????????????????????????????????????????????

No Buses - Alpena (Official Video)

No Busesの広まり方ってかなり特殊ですよね。耳早なリスナーには認知されてた上で国内を完全にスルーして国外でウケるという。別に国外でデビューしたとかでもないのに。
韓国とか東南アジアとかのバンドだとそのタイプのバズり方は見かけるけど日本の音楽では全然見たことないかも。

No Buses、聴く度にメンバー全員邦楽聴いたことないだろと思ってしまうし、聴き終わる度にメンバー全員邦楽聴いたことがないんだろうな~と思ってしまう。そうじゃないとおかしいだろこれは。

そしてまた詞がすげえ良いんですよね。絶妙に切られたことがなさそうな切り口で日常を切り取るというか。それでいて無理している感じもないし、韻も綺麗だし。2nd album "No Buses"聴いてない人は聴きましょう。

『トンデモワンダーズ』feat.初音ミク (+KAITO) / sasakure.‌UK

Bメロと間奏がマジで良い。

Sundae May Club 1st Single 春/POOL

長崎の3ピースバンド。
検索してもライブ映像が少し出てくるだけでMVとかはないんですが、どうしても紹介したかったので紹介しておきます。
各種配信サービスで聴けるので是非。衝撃的だった。本当に。

春/POOL

【MV】海の子供たち / 樫野創音

この曲、爽やかで可愛くてとぼけてて、でもどこか儚くて感傷的で樫野創音の良いとこ全部乗せでとても好き。
この曲が収録されてるアルバムがあまりにも良くて前回noteで色々書きました。良ければそちらも是非。

月ノ美兎「ウラノミト」MV(1stアルバム「月の兎はヴァーチュアルの夢をみる」収録曲)

長谷川白紙のとこで色々書いたので省きますが、『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』は本当に実験的というか、“攻めている”アルバムだったな~という感じがしました。もちろん実験的でありながら極めて上質。

ホロライブは音楽方面を含め、基本は置きに行って安牌を取り続けるスタイルなのでこの辺は違いが出ますね。にじさんじの音楽周りの企画、だいたいいつもリスナーが予想できる範疇から大きく外れるので。
とはいえ、つい先日出たにじさんじのカバーソングアルバムはなにこれ?って感じの選曲でしたし、逆にyunomiが宝鐘マリンに提供した楽曲は異様に尖っていたので一概にどうこうは言えないですけどね。

カテゴライズし難い音楽がバーチャルYouTuberやアイドルというフィルターを通して、より広い層の人々に届くというのは文化として理想的というか、あるべき姿だと思います。

【original】イミグレーションfeat.Yunomi【周防パトラ / ハニスト】

この文の流れだと触れるべき音楽はこれですよね。
今年一番ぶったまげた音楽。色んな意味で。

樫野さんのアルバム聴いたときにも勢い余っていろいろ書いたんですが、マ~~~ジでやばい。
早くなんとなくわかった風になりたいから誰かこのyunomiの音楽にジャンル名を与えてほしい。

『イミグレーション』、色々と寓話的なところに落とし込んでいる感じはあるけれど、VTuberに『移民』ってタイトルの歌提供するのヤバすぎ。このメンバーじゃないと許されない感がある。
パトラ自身もそうだし、kawaii Future Bassで有名になったのも関わらず、それを捨てて誰も辿り着けないような異様な音楽を始めたyunomiも、yunomiきっかけで歌手活動をはじめたイラストレーターのきあと氏も、あるいは安寧と刺激を求めてコンテンツを渡り歩く我々も移民なのかもしれない。
というかHyper Bassのときも思ったんですけどこの歌ってASMRマイクで収録したんですかね?まさかそんなわけ……。

電音部に提供した『Distortion』も半端ねえ~~って感じ。
電音部、Spotifyでしかチェックしてないから未だにどういうプロジェクトなのか理解できてないです。なぜか健屋花那が歌っている曲は特に強い。

余談ですが、yunomiと同じくkawaii Future Bassの代表格でもあり始祖でもあるSnail's Houseもyunomiと同じように昨年くらいから(yunomiとは別方向で)kawaiiから離れていっているような気がしていたんですが、yunomiとは逆に新曲では回帰していたような印象を受けました。

ヒゲドライバー - 大したことじゃない MV

音楽ももちろんそうですが、映像が良い。

Lotus - ピューパ!! (Official Music Video)

いま一番曲が良いアイドルこと、ピューパです。
年に数回、良いと思った音楽を数曲ずつ共有し合う友人がいるのですが、同じタイミングでピューパの別の曲を薦め合うということがあってめちゃウケました。

ピューパを聴くだけでkawaii Future Bassからmidwest Emoまで聴けるのでお得。まごうことなき楽曲派アイドル。ほとんどの曲の作曲に関わっているnakachi氏、エハラミオリの後輩でもあるようなので、1inamillionの後輩でもあるぽいですね。どんな大学?狂ってるよ。

雨模様のソラリス - Forever and Ever (Music Video)

曲が良いアイドル繋がりということで今年2月に活動を開始した雨模様のソラリスも紹介しないといけない。
作詞 高橋國光、作曲 三島想平。聴かない理由、無し。
毎回作曲者は変わっているせいかそこまで尖った曲調の物はないけれどどの曲もオルタナサウンドでかつキャッチー。

【MV】and China Blue/The Otals (そしてチャイナブルー)

断言していいんですが、僕の中の今年一番の収穫がThe Otalsに巡り合えたことです。
これはもう僕のTwitterのサブ垢や配信見てる人ならわかると思うんですが、もう事あるごとにオタルズの話してました。まごうことなき天才ですよ。全ての曲が抜群に良い。瑞々しくて、ポップ。めちゃくちゃ聴きやすい。王道でいて陳腐ではない。これって本当に、本当に、本当に難しくて凄まじい事なんです。こういう音楽が売れないといけないし、こういう音楽をやってる人が音楽で飯食わないといけない。売れなさそう~~~~!!;;

そもそもシューゲイザーなんてこの世でいちばん難しい縛りプレイですからね。シューゲやってる人に限ってギターが下手でもできるジャンルだとか言いがちで、まあそれは確かにそうなんだけど、マジで3曲以上作るのは無理。毎日カレー食えると思ってても意外と無理だし、それがルンダンだったらなおさら無理じゃないですか。ルンダンって知ってます?世界一美味しいとされているインドネシア料理です。カレーみたいな見た目してるんですけど。あれってカレーじゃないですよね?めちゃくちゃスパイス入っててドロドロなのに。いま僕って何の話してます?

轟音の中でかき消されるように歌う、というジャンルであるシューゲイザーの性質上、どうしても耽美で間接的、文学的な表現におさまりがちだと思うんですが、それを逆手にとって(逆手に取ったのかは知りませんが)コロナ下の無力を歌うというのはちょっとしてやられたという感じですね…。
あの頃のやるせなさは間違いなくノイズにかき消される叫びでもあり、祈りでもあったわけで。
シューゲイザーってそういう曲想との擦り合わせもできるんだな~と。

Spotify上で僕が今年一番聴いていたのがThe Night Swallows。紛れもなく名盤。和製インディーポップの傑作。歌詞にアルコ&ピースが出てくるセンスなに?天才じゃん。

中でも『ナナマルサンバツ』と『横顔も忘れて水平線』が本当に好き。

改めてやべえMVだ……

Otalsはもはや海外の超有名YouTuberに見つけてもらうだけだとすら思ってます。悪い意味ではなくて。
だってMVも良くて曲も最高なんだからもう天命を待つのみというか。
僕らに出来ることなんてもうOtalsを地道に広めていくことだけ。実際Otalsはちゃんと音楽好きな友達に薦めるとかなり反応がある。

これからも樫野創音とOtalsに関しては事あるごとに話していくと思います。今後とも何卒よろしくお願いします。(言う機会を逃したんですが、『そしてチャイナブルー』の二番Aメロかわいすぎませんか??????)

ジト目の女の子になりたかった

てれかすさんの歌ってめちゃくちゃ狭い範囲の特定の人間に対してだけ歌っているものが多いように感じるんですが、その視点の向け方、切り取る対象のひとつひとつがマジの天才のそれだな~と。

羊文学「マヨイガ」Official Music Video

この曲が間違いなく今年リリースされた曲の中で一番聴いた曲ですし、この曲が収録されている「you love」epが今年一番聴いたアルバムですね。6曲目の「マヨイガ with 蓮沼執太フィル」が本当に良かった。

フジロックの配信見るまではあそこまで人間力の塊みたいなライブするの知りませんでした。轟音アレンジだった。次は絶対に生で見ます。

羊文学の音楽性って(きのこ帝国より洋楽志向でリバイバル感があるとはいえ)サウンド的には初期のきのこ帝国とかそっち系の陰鬱で陰湿な流れを汲む和製オルタナ!って感じなのに、詞や詞の行間の一つ一つに余裕と体温があって、そのミスマッチさが理由で苦手に感じる人も間違いなく一定数いるとは思うんですが、この音楽による肯定は生きていく上で絶対に必要なものだよな~などの事を最近強く感じています。

んoon - Lobby feat. valknee

相変わらずのMV。
んoonの音楽とラップの親和性がめちゃ高かったという発見。

ウ山あまね - siriasu

音ってここまで割っていいんだ!(発見)

ちょっと前にセロテープデートを長谷川白紙がカバーしてるのもアツかったですね。僕もめちゃくちゃ好きな曲なので。なんかこの記事、長谷川白紙の話ばっかしてんな…

Ilie / syukufuku / Official Music Video

今年の5月末にMaison book girlが何の前触れもなく活動を終了し、サクライケンタの音楽が表現される場が失われてしまったという事実にかなり凹んでいたのですが、まさかまさか金子理江とタッグを組むとはって感じ。変拍子でもないし、曲調もかなり違うけれど、それでも1秒でサクライケンタだということをわからせる音楽の強度。
にしても歌が上手い。本当に上手い。サクライケンタが楽曲提供した中でぶっちぎりの歌唱力なんじゃないかな。

金子理江や黒宮れいの流行以降のアイドル界隈って、媚びない/努力しない/暴言吐くみたいな彼女らの破天荒なパフォーマンスに心酔した勘違い女が爆増したせいでどうしようもないくらいに焼け野原になってしまったので、彼女に対してもそこまでいい印象を抱いてなかったんですが、流石にこの声と歌は本物だな~と思います。本当に努力が無かったらこんな風には歌えないですよね。

いや、でもそれはそれとして、引退したアイドルがコンカフェ嬢はじめて、数か月後にコンカフェ嬢引き連れてアイドルやるつってクラウドファンディングで金だけ集めてすぐ解散したりしてるのマジで焼け野原。
誰か心のノートとか配ってやってくれ。

CREATION / 可不

何かを創作したことがあるなら、何か感じるものがあるのではないでしょうか。
歩く人さんの構築するサウンド、もっともっと評価されるべきなんですよね……。

群青讃歌 - Eve MV

各所からお叱りをうけるかもしれないな~と思いつつ敢えて言うんですが、Eveってめちゃくちゃオルタナじゃないですか????????

どの曲もそうなんですが、Numa氏のギターがジャッキジャキ。若い子向けの音楽でこんな一昔前の音で戦ってるのマジでEveくらいですよ。(いま10代に向けて音楽を作るときは露骨なジャズマスとテレキャスの音は避けるらしいです。どうしろと?)
でも、日本のバンドに影響を受けているんだろうな~みたいな国外(特に東~東南アジア)のバンドはギターの音ジャッキジャキなので国内外問わず“そういうものを求めている層”の受けは安定して良い気がしますね。

それはそうと、Eveが本来やりたかった音楽ってこういう爽やか系だったんだろうなという感じがする。
Souをはじめとした爽やかで甘い声の歌い手のほうが勢いがあった頃はダークな曲調のオリジナル曲を立て続けに出すことで差別化・ブランド化し、時間をかけて“歌い手”の認識が薄れてきたところで改めて爽やかで少し甘い系統に戻ってくるという感じかな。知らんけど。やり手。策略家。15人くらい愛人いる。でもこれは本当に良い曲。

菅原圭 - シトラス (Official Video)

次から次にヤバすぎミュージック紹介してすまん。

このジャンルの音楽ってループ系のコード進行使って楽器だけ足し引きした省エネ編曲が主流なんですが、怒涛の展開。ずっと展開し続けている。

サビ始まりでずっと強い状態を保っている曲のBメロ、普通は静か目に抑えてサビとのメリハリをつけたりするがセオリーだと思うんですが、クリシェするカノン系の強い進行もってきて更に流れを強くするの痺れますね。すげえ~~~良い。大ボケに超強ボケを重ねてそれで緩急つけたことにしてるのほぼジェラードンじゃん。菅原圭はジェラードンです。

そしてイントロもアウトロもずっと歌い続けて3分で潔く終わる。上記の通り、コード進行がそこそこ凝っていて全然反復がない。

大枠は4156251の進行なんだけど椎名林檎もずっと真夜中でいいのにもyamaも引くくらいにこれでもかとⅢ7をぶち込んでる。どう考えても編曲やってる奴がヤバすぎるし、歌い手に対しての絶対的な信頼がないとこの構成は出来ないです。

こういうサビからスタートすることで注意を引きつけた上で歌を畳みかけ続ける音楽って広告をうつ曲におけるセオリーの一つでもあるんですが(twinkle nightとかがわかりやすいですかね)、ヒップホップでも複数ボーカルのグループでもないのにイントロがたった4小節しかなく、その中で二重にハミングしてる曲というのは流石にあまり見たことない気がします。
この曲において歌声がないのはアウトロの数秒だけ。徹底しているというかなんというか。
不意に流れてきた曲を最後まで聴かせるための音楽としてある種の完成形かもしれない。

本当は僕もこういうオシャレ音楽をやってみたいんだけど僕一人だと絶対無理なんだよな~ バンド組みたいな~~~!!
男性ボーカルだとこうはならないので… 誰か… お~い!ボーカル!ギター!誰も居ないのか?なあ!!おい!!!!!!誰も居ませんでした…。

【ピアノ】ユークリッド -Euclid- / イトイ 【オリジナル】

ラストの展開が好き。

とろける哲学 - 長瀬有花 (Original)

駆ける、止まるライカも良いですが、それらは各所でよく紹介されていたのでこちらを。

長瀬有花、過去に存在した全ての音楽系バーチャルYouTuberの中で最もチャンネル運営がうまいです。運営かコンサルの戦略かはわからないですが、本当に音楽への造詣が深い人が一枚噛んでいる感じ。

そうじゃないとオリジナル曲の一発目であんな曲持ってこれない。MV制作の打合せの段階で本人の映像は無くてもいいという話だったらしいです。尖り過ぎでは?

バーチャルYouTuber黎明期~初期、『バーチャルYouTuberって儲かるらしいぞ!』みたいな企業が大量に流れ込んできた時期があって、ちょうどそれは人気が出ないなら中の人を交代させればよくね?みたいな運営が大多数だった時期でもありました。
で、そのころはOrangestarとn-bunaの人気曲の歌ってみただけ投稿して、ナユタン星人にオリジナル曲を書かせるみたいな、音楽が好きならそうはならんやろみたいなVTuberが星の数ほどいて。

そんなお粗末なところと比較してもという感じはあるんですが、長瀬有花のチャンネルってマジで完璧なんですよね。

まず、lo-fi Hip Hopの某チャンネルのような音楽垂れ流しの完全に作業用視聴に特化した長時間配信がある。で、その中で長瀬有花の生活音的なゴソゴソする音とか本人による時報や声が流れたりする。かわいいからつけっぱにしちゃう。

活動初期の歌ってみたのラインナップも完璧。
やくしまるえつこ、きゃりーぱみゅぱみゅ、くるり、オレンジレンジ、サカナクション、相対性理論、くるり、ゲス極、フレデリック、、、
一見すると節操ない感じもありつつ、全ての曲が長瀬有花の音楽と隣接している絶妙なラインを突いている。隣接していながら近すぎない音楽。オリジナル曲を出す前からこんなんやってるの、めちゃ偉ポイントです。

実写による弾き語りやライブも偉い。
こういう言い方をしていいのかわからないんですが、音楽って本来は絶対に現実で、生身で聴くべきなんですよ。YouTube越しでもmp3越しでもなく、肉体で聴くという事。
もちろんVR上でしかできない演出等もたくさんあるでしょうが、現状、配信ライブやVR上のライブが音質も音量も聴く側の環境に左右されてしまう以上、音楽コンテンツとしてはリアルイベントとしてのライブ+その配信ライブが目指す方向として一番の正解だと思います。デカい音に勝る正義はないので。

だから音楽体験を重視する花譜はずっとリアルでのライブにこだわっているし、エンタメ重視の輝夜月はVR空間上でのライブだったよねという話でもある(もちろんどちらもすごいことですが。)

3Dではなく生身での歌唱に移行しつつある長瀬有花は恐らく、最終的なライブを生身で行って生身の人間に聴かせる気でいるんだと思います。もしかするとYuNiやキズナアイみたいな口パク感(音に合わせて口を動かす設定のせいで歌と口の動きが全くあってない状態のアレ)を嫌ったのかもしれない。
あれかなり醒めるから。
それはそうと、逆光やカメラワークによって顔だけ見せないライブ、初期のパスピエとかずっと真夜中でいいのに。とかみたいで良かったです。
というか、長瀬有花の初配信ライブはずっと真夜中でいいのに。のスタジオライブにも似た演出が多くありました。完成度高すぎて録画流してるだけだろと思いましたけど。

ちなみに長瀬有花の運営は株式会社Brave group。元Unlimited。
悪名高きゲーム部のとこですね。パワハラ等で揉めていた人は退社しているらしい。
あおぎり高校ゲーム部エロ堕ちしてるけどそっちはいいんか?

運営の話ばかりしちゃったけど本人の歌唱力も相当すごい。
個人的に男性ボーカルは気持ち悪さとの、女性ボーカルは無個性との戦いだと思っているのですが、そういう意味で長瀬有花は100点。何を歌っても長瀬有花。

初めに“過去に存在した全ての音楽系バーチャルYouTuberの中で最もチャンネル運営がうまい”と書きましたが、初手のオリジナル曲を攻めすぎたと思ったのか、運営の想定ほどには伸びなかったのか、最近になって立て続けにめちゃくちゃわかりやすい曲を出してて(そんなことしなくていいんだよ!!!!!!!)と叫んでいます。やっかいな客すぎる。カバー曲も幅広いジャンルに手を出しつつある。圧倒的黒字にしないといけないのは企業系Vの宿命でもあるので仕方がないです。
(あとわかりやすい曲はあればあるほど良いです。ライブが楽しくなるので。)

paionia - 金属に近い (MV)

何がどうとかはないですが、良い曲。

ナイストゥ・ミーフ/鏡音リン

頭からお尻まで先が読めない。
この人、オルタナkawaiiポストロッシブベースとか言って変拍子のイかれた曲いっぱい出してるんでおススメです。Twitterの使い方終わってるけど。

海月ねうに 歌わせてる 曲が特にkawaii系なんですかね?オススメ。

そうだった!! / タケノコ少年 feat. 初音ミク

第4回プロセカNEXT応募楽曲の採用曲。可愛い。
プロセカの公募を勝ち取った曲はどれも韻が綺麗です。歌って楽しい感じ。

ネクライトーキーのタイフー!とかもそうだけど、この曲みたいに伝わる人に対して曲の元ネタを明確にわからせる曲っていいですよね。

年々規模がでかくなるマジカルミライやプロセカに加え、神椿や可不、CoeFont STUDIO、Synthesizer V等の相乗効果があった今年は過去最高にボーカロイド界隈が盛り上がっていた印象。各イベントもしっかり盛り上がったというか。
米津玄師が2017年ごろに投げた石ってマジで何だったんだ?

ネクライトーキーMV 「俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ」 / NECRY TALKIE - Orenitoccha zenbu ga KUSO ni omoeruyo

相変わらず良い。

JYOCHO - みんなおなじ / All the Same (Official Music Video/TVアニメ『#真の仲間』EDテーマ)

唯一無二の音楽とはいえ、JYOCHOがCMとかアニメEDとかに関わりだすとえ?現実?ってなる

Conton Candy 「ロングスカートは靡いて」Official Music Video

高校生みたいなバンド名だなって思ったら全員18歳だった。やめてよ…。

展開としては王道というか、ひたすらベタな要素が盛りだくさんに詰め込まれている感じなんだけど、それらを縫うようにずっとコーラスが丁寧に支えていてそれが目新しい感じ。目新しいは違うかな、tambiとかもそうだし、最近のトレンド感というかなんかそんな感じ。あとドラム。こういう主張が強いドラム好きです。そして声がすごく良い。
こういう音楽って2017年の秋ごろを境にほぼ死滅したので中高生からしたらやや目新しく見えるかもしれないですね。これからが楽しみ。

今年Eggから人気が出たバンド、例えばyutoriとかも

yutori「君と癖」Official Music Video

歌がちゃんとうまいんですよね。ヘタウマ系のボーカル、完全に前時代のものになっちゃった……。

確かにゴッチの歌い方とか初期の残像を取っ払って冷静に見てみたらキモ過ぎだし、テレビで初めて山口一郎を見たウチの母親も『歌下手過ぎて聴いてられん』って言ってチャンネルを変えていた。
ビブラートを使わない歌唱、元から邦ロックでしか見なかったと言えば確かにそうなんですが、邦ロックにおいても露骨に見なくなった気がしています。
これが20代以上とそれ以下の世代の決定的な感性の違いなのかもしれない。助けて~。

PEOPLE 1 “魔法の歌” (Official Video)

PEOPLE 1、この世で最も人に勧めにくいバンドです。

全ての曲の向いてる方向が違うんですよね…。ボーカルも違うし。
1曲聴いてハマらなくても他の曲だとめちゃくちゃハマるかもしれない、みたいなタイプのバンド。

ここまで音楽性に幅を持たせるバンドって過去にいました?
作曲家ならともかく、アーティストとしてはかなり不利になるやり方。曲ごとにボーカルや楽器編成がまるごと変わるのわけわからんすぎる。ボカロPとかまで広げても みきとP位しか思いつかない。
NEEとかWurtSとかも割と広い層のウケを狙っていて、NEEでいえばEveと米津のファン層を狙っている(というか本人たちもそういうの好きなんだろうな)って感じはあるんですけど、PEOPLE 1はそういう戦略とか意図が全然見えてこない。しっちゃかめっちゃか。

どこかで見かけた『無敵だった頃の ORANGE RANGE 感がある』ってのがかなり腑に落ちるコメントでした。音楽性はまたそれとも違うんですが。

去年の僕は、来年はPEOPLE 1が来るぞPEOPLE 1が来るぞ2021年はPEOPLE 1の年になるぞ!!!!!!!!!!と言い続けていて、実際は2020年のうちに既にそこそこ話題になってはいたんですが、今年の上半期は全然動きが無かったりそこまで好みではない曲だったりして(良くも悪くも音楽の幅が広すぎるので彼らに関しては絶対にそういう事が起こる)、最高過ぎた去年の反動で今年はもう何もないのかな~とか勝手なことを思っていました。が、しっかりかましてくれました…。

この曲10日で100万再生いったのヤバすぎる。こんなアニメーションMVズルだろ。ズルです。

歌詞を聴かせるタイプの曲なのに変拍子の『常夜燈』とか、わけわからんボコーダーの使い方してる『フロップニク』とかそれぞれ別方向に超正統派な『東京』や『BUTTER COOKIES』もそうだけど、それぞれがあまりにも強すぎて最高。1曲1曲が本当に垢抜けている。
中学生の頃に出会ってたらこの人ら以外の音楽聴かなくなってただろうな~とも思う。


【MV】ポップしなないで「支離滅裂に愛し愛されようじゃないか」

実際にこの二人と知り合いだったとしたら絶対に仲良くはなれないんですが、僕はこの人たちの音楽が本当に好きで。
僕はかわむらさんに話しかけても無視されるし、逆にかめがいさんに話しかけられても苦手なので無視するんですが、本当に彼らの音楽が好きなんです。

元々キーボードとドラムの2人編成だったんですが、最近は編曲でもライブでもギターやベースがいたりいなかったりって感じになりました。

そして、つい数日前にリリースされた新譜『美しく生きていたいだけ』
ピアノとドラムとラップと歌と、少し捻れたポップミュージック論。

圧倒的、才能です。

番外編

こういう今年の良かった音楽を紹介します!って記事、だいたい年末の曲を取りこぼすので昨年末に投稿された曲をいくつか。

世界の秘密 / Vaundy : MUSIC VIDEO

サビ盛り上げ担当大臣、ことVaundyですね。
僕が任命しておきました。

いまさらVaundyなんかを紹介してもって感じはあるんですが、僕お笑い賞レース以外のテレビをほぼ見ないのもあってVaundyがここまで有名になってるの全く知らなくて。

今年の2月頃、ドンキでYOASOBIのあとにこれが流れてきたときめっちゃビックリしました。え!今その知名度なの!?みたいな。ちょっと前にTwitterでナブナに有名になりたいですってリプ送ってたじゃん!みたいな。

Vaundyの音楽、曲の骨組みはとても簡単に組んでるのにリズムとメロディの噛み合わせ方みたいなものがすごく洗練されている。心地いい。
どの曲も元ネタが明確な割に元ネタ関係ない曲想にもっていくのってオマージュとしてありなのか?という疑問はありつつ。でもこの曲は特に好き。

PEOPLE 1 “113号室” (Official Video)

さっきPEOPLE 1に関しては色々語ったんでもういいかなと思いつつ、好きな曲なので許してください。

yuigot + 長谷川白紙 - 音がする (Official Music Video)

この記事、いったい何回長谷川白紙の話するんだ!??!!??????

一見するとFutureBassサウンドなのにFutureBassほど音がレイヤーされてない。FutureBassお決まりの“厚みのあるコードシンセ”的なものがない。一般的なFutureBassと比べて、中低域以下がほとんど欠落していてずっとフワフワしてる。でもキックはクソデカい。途中のボイス系のサンプルが出てくるところ、パーカッションまで声になってるし。何この音楽???

長谷川白紙の音楽特有の酩酊と覚醒の反復のようなものが特に感じられて本当に気持ちいい。MVも抜群に恰好良い。

本当にすごい曲だし、長谷川白紙は全アーティストとコラボしてほしいよ…。

以上、番外でした。

橋本絵莉子「ワンオブゼム」MV

本当は今年中に新曲を投稿するつもりで自分の曲で締めようかとも思っていたんですが、シンプルに間に合わなかったので最後に一曲だけ。

コメント欄の “昔好きだった人に久しぶりに会ったような感覚”、それが全てな気がしています。

ということで、2021年良かった音楽でした。邦楽限定ですが。

紹介しそびれたところで言うと
asayake no atoが今までの活動の集大成みたいなアルバムを出していて死ぬほど良かった。PK Shampooもようやくアルバム出してくれたし。
For Tracy Hydeもアルバム出してくれた。ありがてえ~~!!

あとは、Pens+のリードギターの有賀くんと、同じくPens+やDADARAYでドラム叩いてる激ウマドラマーの佐藤さんがやってるarigarnon friendsが数年ぶりに新譜出してたりだとか。これはYouTubeにもSpotifyにもないので薦めにくいんですが、Bandcampで聴けます。めちゃめちゃ正統派のミッドウェストエモ!マスエモ!って感じ。僕の『薫風 恋しくなって』とか好きな人は好きかも。

エモで言えば、京都のBy the end of summerが1曲だけ新曲出してたりだとか(新曲と言っても2019年の曲ですが)。てっきり解散したものだとばかり…。
こういうのは流石にSpotifyがないと気づきませんね。僕は今年から本格的にSpotifyを使い始めたんですがここまで便利だとは知りませんでした…。情報弱者だからさ…。

そういえばフォニイがとんでもないホームランになったツミキの『SAKKAC CRAFT』も今年ですね。これまた凄まじかった。
彼が出てきたとき僕は “米津とかwowaka級のヤバい人が出てきた!” と大騒ぎしていて、定期的にツイッターで喚き散らしていたんですがようやく…という感じ。正直アノニマスファンフアレ以降は何出しても大バズするフェーズに入っていたけど。

真面目な話すると、米津とかwowakaは0を1にするような才能なんだけど、ツミキは1を100にするような才能というか、ひたすら要素の取り合わせが上手い。cabsへの愛も椎名林檎へのリスペクトもwowakaへの熱も曲を聴けば全て伝わってくる。
アノニマスファンフアレとかはFuture Bassとかの要素をギターで再現していたりだとか、割と電子音楽から得たアイデアなんだろうな~というのも多いし、それを最高のクオリティで表現しているのが強い。

個人的に一番ヤバい曲はスイサイ/アンブレラ/ロクガツ/ドライフラワ。なんであの曲だけ再生数少ないんだ?納得いかん。どう考えてもあの曲が一番イカれてる。残響系の香りもさせつつ、めちゃくちゃポップな曲。ライブ映えエグそう。

NOMELON NOLEMON / INAZMA Official Music Video

新しいプロジェクトも動き出したし来年が楽しみ。

邦楽以外だと特にColour Bassなんかを聴き漁っていました。作ってみたい。6年前くらいからしぶとく続いていたキラキラ系・kawaii系のベースミュージックもようやく次のステージに来た感じがある。ああいう近未来的な音楽ってVTuberとかVRchatとかとの相性良さそうですよね。もう誰かやってるのかな。やってそう。
年始くらいの頃くらいまではHyperpopが騒がれてた気がするんだけど結局そこまでのムーブメントにはならなかったのかな?
EDMはあまりよくわかってないので色々教えてくれる友達が欲しいです。

繰り返しになりますが、2021年は本当に豊作でこんなアタリ年はもう二度とないかもしれないな~と思っています。今年14歳くらいだった音楽オタクの少年少女たち、音楽に対しての感度が相当研ぎ澄まされたでしょうね。羨ましい。数年もしないうちに我々の前に立ちはだかって心を折りにくるんだろうな……。

もちろん言うまでもなく良い事ばかりではなかったのも事実で、例えば赤い公園の解散もそうだし、CY8ERとかブクガの解散とかもそう。
いちいち活動休止します!とか宣言せずとも、事実上の活動休止・終了や脱退、空中分解したグループ、バンドがたくさんあってなかなか辛かった。

あと地方のライブハウスが大量に潰れていてこれからが不安。僕の地元はだいぶ前にタワレコがなくなったんですが、数年もしないうちにライブハウスの観客がアンコール出来なくなりました。文化が死ぬってのはそういう事だと思っています。

この記事、1か月あたり2曲くらいに留めておこうかなとか考えていたのですが、気づけば20000字を超え、50曲以上紹介していました。誰が読むんだ…?

おいおい!この曲忘れてるぞ!みたいなのがあれば是非リプやDMで教えてください。Twitter : @Hinichi_
良い曲は共有すればするほど良いとされるので。

個人的な出来事としては今年は辺境の地から上京して一人暮らしをはじめたり、自家製の3Dの肉体に受肉?してみたり、配信をはじめてみたり、初の音源集を出したりと色々と挑戦のある一年でした。
MVは6つしか出せなかったんで来年はもうちょい気合入れます。もっと有名になりたいです。有名になりたいというか、僕の音楽をどうにかもっと色んな人に聴いてほしい。あと、お金が欲しいです。莫大な資産。
富と権力を手にしたいんですよね。最終的な目標はそこなので。

以上、ヒニチでした。

最後まで読んでくれた優しいあなた、次はどこかで僕と音楽の話でもしましょうね。それでは。





見出し画像を登録することで、より記事が読者に見つけられやすくなります!とnoteに言われたのでZAZEN BOYSの嘘みたいなサムネを貼っておきます。

ZAZEN BOYSの嘘みたいなサムネ

ZAZEN BOYSの嘘みたいなライブ映像はこちらから

ほんとうにおわり


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