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梨泰院クラス

今、日本でバズり散らかしてる韓国の連続ドラマで、ソウルの飲食店激戦区・梨泰院(イテウォン)を舞台に、飲食業界での成功を目指して仲間と共に奮闘する若者たちを描いている。原作は、2017年から2018年まで連載されたチョ・クァンジンによる韓国の同名ウェブ漫画で、主演はあのパク・ソジュン。

本来なら、あらすじの触りぐらい書きたいところだが、触りぐらいから楽しめるので、今回はなるべく触れずにおこう。

とにかく梨泰院というイケてる街を舞台に展開するお話ってことは確か。

僕はこの街の事が、今でも忘れられない。

あの日は、2017年の10月31日。

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これまた、noteでも書いたムネさんと一緒に、梨泰院のハロウィンが盛り上がってるという噂を聞きつけ、世界のクラブ事情を調べていた僕達は、一度偵察に行こうという話になった。

2017年は、セロイの店が、オープンしてすぐくらいだろうか。笑

劇中でも、度々登場するハミルトンホテルに宿泊し嫌がりながらソウルタワーに登った。

ちょうど、初めて梨泰院を訪れたセロイのように、そのキラキラした街並みに、圧倒されながら、仮装した人混みの中を当時流行っていた、セロイと同じ、コンバットブーツで練り歩いた。

日本で、いうところのどのあたりだろうか。ちょうど原宿と表参道の間あたりのような。あの辺の道を一本奥に入ったお洒落な街並みの中にクラブが何軒かあるというイメージ。

長蛇の列に並び、クラブに入り、韓国美女を何人かピックアップし、やっと盛り上がり始めた頃、兼近からLINEが入った。

あいつのこうゆう時のタイミングの悪さは折り紙付きだ 笑

こまかい内容までは覚えていないが、「タイで住みます芸人としてやっていく事が決まっていて、仕事も何本か入っているという。海外でスターを目指したい。せっかく誘ってくれたのにすみません」というような内容だったと思う。

そう兼近にフラれたあの日。僕は梨泰院にいたのだ。

正直すごく迷った。こいつをここで説得しなければ、俺はまたあのどん底の日々に逆戻り、繰り返される退屈な毎日を無気力に生きていく事になる。でもだからと言って、海外で頑張りたいという兼近を、俺の夢に付き合わせていいのか。日本で俺とやればネタ番組には、いくつか出れると思うが、果たして売れるのか。海外で、もしかしたら大スターになるやもしれない。でも、もし過去の事を気にして、俺に気を遣っているのだとすれば、俺を救ってくれたあの時ように、俺もこいつに手を差し伸べるべきではないのか。どんな困難も乗り越えればいいじゃないか。どうせ仕事なんてないんだ。仕事がなくなったって、もう一度、1からやり直せばいい。どっからだってやれる。こいつが俺に教えてくれたんだろ。売れるのかじゃない。絶対に売れる!なりたい自分を実現させる為に、一番近道の選択肢を優先させて選択するべきではないのか。

俺は、兼近の夢を邪魔したくないというの理由に、目の前のギャルとムネさんとの時間を壊したくないだけではないだろうか。

だめだ。ここで流されれば、俺の人生は大きく変わり、きっと何度も今日のことを思い出して、後悔するに違いない。

俺はムネさんに、全ての事情を話して少し時間が欲しいという旨を伝えた。韓国偵察は1泊2日の弾丸旅行。それは、大金を払って訪れた、せっかくの旅行が台無しになることを意味していた。

「いいよ!いってきな!!」

どこまでもムネさんだった。俺はその場を離れ、ハロウィンで盛り上がる街並みを抜け、静かなところを探した。

少し離れると、ちょうどオープンしたての、セロイの店のような人気のない店を見つけて、チャミスルを頼んで、LINEをうった。

「兼近がやりたい事はわかる。ただ、お前とM-1に挑戦したこの数ヶ月は俺にとって夢のような時間だった。無気力で空っぽな体に、血が通っていくようだった。絶対、日本のスターにするから。騙されたと思って付き合って欲しい。マジで1年でいい。1年だけ俺にくれ。」

このような内容のLINEを長文で何通かやりとりした。アツすぎる俺のLINEに観念したのか。笑

「わかりました。もう一度考えてみます。」

なんとか、兼近の保留を勝ち取り、再びムネさんのところに戻った頃には、梨泰院の街もすっかり人気が減ってしまっていた。

「本当にすみません。」

「いいよ。りんたろー君がそう感じたんだから、よっぽどの事だったんだよきっと。逆に、それを蔑ろにして、流されるような適当な男だったら、俺はりんたろー君に可能性を感じてないかも。ラーメンでも食べに行こう」


ソーメンのようなラーメンはクソ不味かったけど、その日の、お酒の味はすごく甘く感じた。

僕にとって、衝撃的な一日だった証拠だろうか。笑

お後がヒュイゴー!!

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どうしようもない理由で、逃れられない過去を背負った青年セロイが信念のもと足掻く姿は、とにかく切なくて、苦しくて、その中でも、本当の正義とは何かを、説きながら、ひたすらキュンキュン、ドキドキさせてくれる、視聴者を選ばないサクセスストーリー。表情で10年ちかい時を演じ分けるクォンナラは圧巻です。梨泰院クラス。まだ観てない方は是非、おうち時間のお供に。

EXIT りんたろー

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