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「SELECKを買い取ろう」と言われて 【長文7,000字】

2021年4月1日をもって、WebメディアSELECKはRELATIONS株式会社からEBO(エンプロイー・バイアウト)によって独立し、新しく設立した法人SELECK株式会社のもとで再スタートを切りました。

そして私は、SELECK編集長とともに、新会社の代表にも就任いたしました。

一部の方にはすでにお知らせ済ですが、このnoteを通じて

・なぜSELECKをEBOしたのか?
・今後のSELECKが目指す方向性は?
・マネタイズどうするの?(超聞かれる)

といったことをお伝えできればと思います。メッチャ長文ですが、記事の最後に大切なお知らせもありますので、少しずつでも最後まで読んでいただけたら嬉しいです…!

SELECKのこれまで(超ダイジェスト)

SELECKは2015年5月25日に、「表に出ない”企業の知”を蓄積するWebメディア」として、100社の「ITツール活用インタビュー」を掲載する形でスタートしました。

▼リリース時のSELECK(いまと全然違う…!)

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私はリリース時から編集長を務めていたのですが、当時はチーム内にWebメディア経験者はゼロ。世の中に「インタビュー」に特化したメディアもほとんど存在しなかったので、立ち上げは苦労も多かったです。

3ヶ月くらいは、土日含めて平均睡眠時間が4時間を切っているような感じでしたが、謎のアドレナリンが溢れていてめっちゃがんばれました。

その後、試行錯誤を続けながらもなんとか記事数・読者数を伸ばし、「ITツールの活用事例」だけではなく、「仕事における先進的な概念や考え方」「イケてる海外ツール紹介」等にコンテンツを拡張していきました。

そして2018年末に、私は編集長を卒業し、@hanahanayaman にバトンタッチ。そこからは読者さんとゆるく飲む「SELECKゆるのみ」を立ち上げるなど、新しい活動も増え、読者層もより拡大しました。

▼noteで編集部マガジン(これ)もはじめてくれた

私は会社全体のマーケティング・ブランディング責任者という形に役割を変え、SELECK編集部にはなんとなく居座りつつ「ときどき手伝う人」くらいの立ち位置にいました。

以下は、そんな中で迎えた、2020年夏のお話です。

EBOを決断することになった背景

これまでSELECKは、RELATIONSという会社の中の「オウンドメディア」という立ち位置で運用をしてきました。

もっと具体的に言うと、自社のブランディングや、事業への質の高いリード(見込み顧客)供給に寄与することを役割としていました。

コンテンツの中立性、第三者性をずっと大切にしてきたので、その点がメディアの良いブランディングにつながったと思っています。

そんな中、2020年の夏〜秋にかけて、SELECKがリードを供給していた事業が「RELATIONSから独立して別会社化する」という話が持ち上がりました。

その時点で、SELECKがとれる選択肢は以下の4つ。

①RELATIONSに残して今後をゆだねる
②独立した新会社にジョインする
③完全にクローズする
④その他

結果的には、④その他 を選んだ、ということになります。

「SELECKを買い取って続けていこう」と言われて

悶々としていたある日のこと、SELECKの立ち上げメンバーのひとりでRELATIONSでは(役職撤廃前まで)取締役を務めていた @katoshow から、急に「SELECKを買い取って、続けていきたいメンバーと一緒に新しくスタートを切るのはどうだろうか」という話をもらいました。
(※RELATIONSとも既に話していて、そういう方向性でも良いと合意済)

そのときに私が思ったことをそのまま書くと

「そう来たか…」

でした(笑)。

うっすら「そういう選択肢もあるな…」とは思ってはいたものの、自分としては立ち上げからSELECKをやって、編集長を卒業した時点で気持ち的な区切りは一度ついていて。

これからまた自分が中心となって新しいスタートを切ることに対して、迷いがあったんですよね。

ただね…私わかってたんです。そうするしかないってことを。だって @katoshow は編集者としてはミジンコくらいの戦力しかないから…。

…っていうのは冗談ですが、独立する以上、Webメディアにとって最も重要な役割は編集長。それを担うべきは、やっぱり立ち上げた自分なのではないか?

さらにそれ以上に思ったのは「SELECKをこのまま終わらせていいのか?」ということでした。

SELECKがあったことで、私の人生は大きく変わりました。自分の中で本当に大きな存在で、自分の子ども…とは言わないけど、とにかく大事なんです。ひとつの事業に対してここまで思えることって、人生でそう何回もないはず。

もちろん前述した①や②のような形で継続する方法もあるのですが、そうするとやっぱり色々なことが変わってしまうだろうなと。ましてや、こういう形でなんとなくクローズする…というのはもっと嫌だ。てか絶対ダメ。

なので、やるだけやってみようと。ゆりかごから墓場まで、一蓮托生、死ぬときは一緒だ(家なき子)…等々を心の中で唱えつつ、この度の決断に至ったわけなのです。

…と、今回はかなりはしょってまとめていますが、実際には当時SELECKに関わっていたメンバー含め、色々な人と話しながら決断していったので、いつかどこかでそのお話もできたらと思います。

今後のSELECKが目指す方向性は?

というわけで、SELECKは新しいスタートを切りました。…とは言っても、SELECKの見た目や、読者の皆さまにお届けするコンテンツは大きくは変わりません(そのうちお金に余裕ができたら、UIやデザインも変えたいですねぇ…)。

ですが、「タグライン」を以下の通り変更します

▼これまで
読む、真似る、仕事に役立つ。
現場の事例から学べるビジネスメディア「SELECK」


▼これから
デジタル人材のためのメディア「SELECK」

究極にシンプル化しました。これまでSELECKがやってきたこと・これからやっていくことを端的に詰め込んだ結果、この言葉に行き着きました。

(ここからしばらく硬めの話が続きます。)

SELECKは、デジタル人材の成長を促進するコンテンツを届けることで、日本企業のデジタル化を加速させます。

最近、「DX」「デジタル人材」といったキーワードがこれまで以上に注目を集めていますよね(このnoteを読んでくださってるような皆さんはきっと耳タコでしょう)。

これまでSELECKは750社以上の企業に取材を重ねてきましたが、リリース初年度に出した記事としては例えばこんなものがあります。

これらの記事はまさにデジタル活用、デジタル人材の文脈だと思うのですが、メディアがスタートした2015年当初は、DXという言葉もありませんでした。

なので立ち上げ初期は、取材する企業も成長中のIT企業が中心でした。しかし2017年頃から、徐々に大企業や、いわゆるオールドエコノミーと呼ばれる市場で戦っている企業の記事も増えてきました。

これは、GAFAM等の巨大デジタル企業がリアル産業に侵食してきた結果、日本企業のデジタル化が緊急的なものになってきた…ということを示していたと感じます。

そして結果的にですが、SELECKは6年前よりデジタル領域の一次情報を蓄積していたことで、日本でも最大級のDXの事例が蓄積されているメディアになっていると自負しております。

そんなSELECKだからこそ、日本企業のデジタル化のスピードを早めるために何かできることがあるのでは? と考えました。

デジタル化の最も大きなハードルは「現場の抵抗感」

経済産業省が出している「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」でも指摘されているように、多くの日本の企業はこれまで、ITシステムをウォーターフォール型で外注してきました。

また、フルスクラッチで自社の業務フローに完全にマッチした独自システムを創るケースが多く、SaaSなどのパッケージを組み合わせて使うことも少なかったと思います。

変化が少ない時代は、この考え方はとても合理的でした。しかし、現状の業務に完全にマッチするITシステムを要件定義し、ウォーターフォールで開発をすると、システムの完成までに数年かかってしまうこともザラです(よく話題になりますね)。

変化が激しい現代においてこの考え方で経営をしていては、顧客行動の変化についていけなくなり、デジタル企業との競争に負けてしまいます。

こうした状況への危機感から、日本の多くの企業でDX推進が叫ばれるようになり、業務フローの再定義、顧客接点のデジタル化、業務でのSaaS活用、などが進んでいる…というのが現状だと思います。

しかし、SELECKをこれまで運営してきた中で感じるのは、今後、日本企業がDXを進める中で必ず「デジタル人材の問題」にぶち当たるということです。

デジタル化の最も大きなハードルのひとつは「現場の抵抗感」です。

デジタル化の時代には、ITシステムを自社の業務フローに完全にマッチさせることはしません。そのため、人間がITに合わせ自ら業務フローを変えることが重要です。

しかし、自分の業務フローを捉えなおし、ITに合わせることができるデジタル人材が社内に少なければ、DX推進を実現することはできないでしょう。実際、SaaSなどを導入しても、使いこなせない…という話は「あるある」ですよね。

つまり、経営陣から従業員までがデジタル人材になることが、DX推進のカギとなります。

その中で、SELECKはデジタル人材としての価値を高めたい方、社内にデジタル人材を増やしたい企業、にとって価値あるメディアになれるようにがんばっていきたい…!と考えている、ということになります。

個人的な想い(SELECKの裏ビジョン)

ここまでけっこう真面目に語りましたが、実は私がSELECKの立ち上げから個人的にずっと持っていた「裏ビジョン」がありまして。それは、「昔の自分のような人にSELECKの記事を届けること」でした。

私はもともと、新卒で外資金融(リーマン・ブラザーズ)→香水のメーカー(ベンチャー)に転職というレガシー経歴だったので、RELATIONSに転職してきて、SELECKを立ち上げた当時はとにかくITの力に衝撃を受ける日々だったんですね。

▼4月末まではRELATIONS所属中なので当時の自己紹介noteを…

夜な夜なExcelと戦い、資料はすべて印刷(A4にキレイにおさまるレイアウトを追求)、パソコンは巨大デスクトップで社外で仕事なんかできない…そんな日々が普通だと思っていた私にとって、先進的なIT企業の働き方って本当に信じられないものでした。

そして同時に「昔からこういう働き方を知っておきたかった…!」と強く思ったんです。

そこでSELECKを運営する個人的な目標として「昔の自分のような、めっちゃ仕事がんばってるけど非効率だってことに気がついていない人に、SELECKを通じてITを活用した新しい働き方を届けたい」と思ってきました。

今こそ、この考え方にまた立ち戻りたいなと。

おそらく、いまオールドエコノミーの現場で戦っている人の中には、デジタル化の波を横目に見ながら、内心めちゃくちゃ焦っている人たちがいると思うんです。

目の前の仕事を一生懸命やって、今はなんとか成果がでている。でも、この先どうなるのか? 自分の仕事がなくなるのではないか? どうやってデジタルスキルを身につければいいの? 

もし私が6年前にITの世界に飛び込んでいなければ、きっと自分もそうなっていたと思います。だからこそ、読んで学んで、真似できる、SELECKの記事をより多くの人に届けることで、デジタル化した世界で戦えるスキルを一人でも多くの人が身につけることができたら…!

こうした個人的な気持ちと時代の変化が相まって、デジタル人材のためのメディア「SELECK」として再スタートをきろうと思えた、という背景があります。

今後のSELECKがお届けするコンテンツ

上記のコンセプトに乗っ取って、今後のSELECKはお届けするコンテンツを(少し)拡張していきます。具体的には、以下の4種類になります。

①デジタルなチームや個人の課題解決事例を学習できるコンテンツ

これは、これまで掲載してきたようなインタビュー記事です。先進的な企業のデジタル活用、デジタルな働き方について、現場目線から発信していきます。

▼こういう記事


②仕事を楽にする便利なデジタルツールを学習できるコンテンツ

これも、ずっと掲載してきたITツールの紹介記事です。主に海外ツールを中心に、イケてる最新ITツールを紹介してきましたが、こちらは続けていきます。

▼最近は「notion」の活用事例なども


③最先端のデジタルな仕事の概念を学習できるコンテンツ

これは例えば「DXとはなにか?」といったような解説記事です。こちらもこれまで以上に、デジタルの文脈に沿った重要な概念を紹介していきます。

▼「HRDX」について解説した記事


④デジタル領域のインフルエンサーの、新たな企てやチャレンジを学習できるコンテンツ

こちらが新しいトライになります。

今後、デジタルな働き方が進んでいくにつれて、変化のスピードはより一層加速します。それに伴い、「まだ成果は出ていないけれど斬新な取り組み」をリアルタイムでウォッチしておく重要性が増すと考えています。

これまでのSELECKでは「成果が出ている取り組み」だけに取材を限定していました。しかし今後は、世の中に新しい概念を提案するような「先進性に尖った取り組み」も積極的に取材していきたいと考えています。


日本企業のデジタル化を加速させたい企業様、パートナーシップを組みませんか?


以上が、新しいSELECK目指す方向性になります。

さてここからが本題なんですが(メッチャ遅い!CVポイント下すぎるやろ)、SELECKを今後運営していくにあたり、こうした私たちの思いに共感してくれる企業様と、パートナーシップを組みたいと考えています。

運営リソースも大変限られていますので、最初は3社ほどに限定してお付き合いできれば嬉しいなあと考えています。

SELECKが提供できるサービスには以下のようなものがあります。

・SELECK上へのバナー広告等の掲載
・タイアップコンテンツの制作・掲載
・ホワイトペーパー等の掲載によるリード提供

SELECKのウリ①:読者層がスゴイ!

下記のグラフは、2020年にSELECKが獲得したリード情報の役職データをまとめたものです。マネージャー以上でおよそ7割を占めており、読者層の質の高さがうかがえるのではないでしょうか。

Cursor_と_2021年版_SELECK媒体資料_pdf_-_Google_ドライブ


SELECKのウリ②:SEOが強い!

以下のようなキーワードでは、Google検索で継続して1ページ目に表示されています(※2021年4月1日〜13日のデータ)。

・DX(ほぼ1位!): https://seleck.cc/dx
・OKR:https://seleck.cc/okr
・業務改善:https://seleck.cc/business_improvement
・ピープルアナリティクス:https://seleck.cc/people_analytics
・Slack:https://seleck.cc/424
・notion:https://seleck.cc/1455
・HRBP:https://seleck.cc/1321
・KPT:https://seleck.cc/kpt
・他多数

SELECKのウリ③:コンテンツの質が高い!

…自分で言う? という感じですが、ここはリリース当初からずっとお褒めの言葉をいただくので、書かせてください…。

SELECKはコンテンツの質には相当こだわってずっと運営してきました。制作はすべて内製で、文字起こし以外は外注したこともありません。取材ネタ選びから設計、実際の取材、執筆まで相当綿密にやっています。かつ、1記事あたりの文字数が約5,000文字あり、だいぶ書き込んでいます(なので1記事書くと消耗がすごいのが悩み)。

本当はTwitterでいただいた嬉しいお声でもシェアしたいところなんですが、個人の方の声を許可なく載せるのはなあ…ということでぜひTwitter検索してみてください!

タイアップ記事の制作にあたっても、ただのPR記事ではなく、読者の方に本当に役に立つような、これまでにないようなものを作っていきたいと考えています。

ご興味をお持ちいただけましたら、下記のいずれかからお気軽にご連絡くださいませ(お知り合いの皆さまもぜひぜひ)。

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めちゃ長いnoteになりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!引き続きSELECKがんばりますので、ぜひ定期的に覗きに来てくださいね。

どうぞ宜しくお願いいたします。










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