斉藤ナミ

エッセイ・イラスト 人を笑わせたい。 パンとグミと薬味が好き。

斉藤ナミ

エッセイ・イラスト 人を笑わせたい。 パンとグミと薬味が好き。

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自分でレーザー脱毛をして、目も当てられない恰好になった。

※追記:ずっとレーザー脱毛と言っていますが、正しくは「光脱毛」でした。 今日は私が家庭用レーザー脱毛器と真剣に向き合ってみた話をしたいと思う。 私ももう30代後半。そこまで露出した服も着ないし、見せる相手もいない。それでも、ふとした時に目に入るヤツら……。 お気に入りの下着を履いたところで、繊細なレースの隙間からはみ出て、すべてをぶち壊す物凄い存在感のあいつら… 背中に太ももに、昔からずっと変わらずビッシリと張り付いてるあいつら… 可愛く足の指にペディキュアしたって、そ

    • 「で、ハルマゲドンはいつくるの?」 みみず腫れと「愛のムチ」 宗教2世日記③

      昼間の住宅街を通ると、ごくたまに見かける数人組の異様な雰囲気の人たち。色もデザインも控えめで、真面目そうに見えるワンピースやスーツを着て、大きめのカバンをぶら下げている。「エホバの証人」たちの訪問勧誘のご一行様だ。 夕方から夜にかけての時間に「王国会館」という文字が書かれた施設に続々と集まってくる様子を見かけることもある。王国会館では、主に聖書や、それにまつわる書物についての勉強会が繰り返し行われていた。こちらは「集会」だ。 そこには、品が良さそうではあるけれど、同じよう

      • 耳から高橋一生を摂取するということ

        みなさん、オーディオブックというものをご存知ですか? 私は知りませんでした。いや、知っていました。しかし、こんなエグいものだとは知りませんでした。 ご存知、Amazonというこの世で1番便利なショッピングサイトでも配信されている。Amazonで私は年間何十冊も本を買っており超お世話になりまくっているが、今回初めて知っておったまげたのがこちらの商品。言わずと知れた村上春樹氏の『騎士団長殺し』。……の、オーディオブックだ。 オーディオブックってあれでしょ? 本を自分で読まなく

        • 「で、ハルマゲドンはいつくるの?」 恥ずかしくて辛かった学校生活 宗教2世日記②

          長男がもうすぐ小学校を卒業する。春からは中学生だ。 幸運なことに子どもたちはとてもいい友だちや先生に恵まれ、毎日楽しそうに登校している。帰宅後や休日は、友だちと公園に遊びに行ったり、部活で試合に負けて悔しそうにしていたり、子ども時代を存分に楽しんでいる様子だ。 陰キャでコミュ障なおどろおどろしい私から生まれてきたとは思えないほど明るい性格で、捻くれることもなく真っ直ぐ生きてくれていて、とても嬉しい。そして、羨ましい。 子どもたちが通っている小学校は、私が子どもの頃、2年

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          「で、ハルマゲドンはいつくるの?」 クリスマスを祝ってみたかった 宗教2世日記①

          「サッカーボールと、フォートナイトのVバックスをください。それと……」 子どもたちからサンタへの手紙には、クリスマスに欲しいものがフィンランド語で書かれていた。サンタさんはフィンランド人だから、わざわざ翻訳アプリを使って写して書いたのだそうだ。 うーん……英語ならまだしもフィンランド語なんて一個もわからない。こりゃあ1文字ずつ入力して日本語に翻訳しなおすしかないっぽい。 2個も3個もずうずうしいなあと思いつつ、フィンランド語で書くというホスピタリティには感心した。さすが私

          「で、ハルマゲドンはいつくるの?」 クリスマスを祝ってみたかった 宗教2世日記①

          ランニングしている人間とランニングしていない人間

          この世には、ランニングしている人間か、ランニングしていない人間か、という判断基準がある。 ランニングしている方の人間は、健康で、生物として強くて、ハツラツとしていて元気で、性格も明るい。 ランニングしていない方の人間はその逆で、不健康で、体力がなくて、性格も暗く、辛いことから逃げがちで、全体的にダメ(偏見含む)。普段、あまり走らないので、もしゾンビの世界になったらきっと真っ先に喰われて死ぬ。 ランニングしている方の人間が全てにおいて上だ。ランニングしていない人間は、生物

          ランニングしている人間とランニングしていない人間

          インフルエンザかインフルエンザじゃないか

          日曜日に長男がインフルエンザA型にかかった。彼の待ちに待っていた修学旅行が火曜日からだった。 インフルエンザにかかると発症から5日間は出席停止なので、直ちに修学旅行にいけないことが決まった。それはそれはかわいそうなタイミングだった。 行き帰りのバスでのレクリエーション、持ち物確認システム、班行動の回り方、お土産は誰に何を買うんだ、とありとあらゆる準備を入念にし、楽しみにしていたため、病気が心配なことよりも修学旅行に参加できないことに、とてもいたたまれない気持ちになった。

          インフルエンザかインフルエンザじゃないか

          大きな前歯と、他人軸

          わたしの前歯は大きい。写真に映る時は必ず口を閉じるように気を付けてはいるが、油断していると出てる。ポロンと。 乗っている。下の唇に。 あとから写真を見て心底げんなりする。どんなに服が可愛くても、素敵な風景でも、楽しかった思い出でも、そのポロンと出た2本の前歯にしか目がいかない。 周りの人もそこしか見ていないに違いないと思ってしまう。前歯の写った部分をカッターで切り取って捨てたいと、今まで何度思ったことか。 昨今これだけルッキズムの否定をされているのにこんな話をするのは気

          大きな前歯と、他人軸

          全力で欲しがることを許可してもいい  ー創作大賞2023ー

          「どうせ私にはできやしない。だって、ずっとそうだったから。」 そうやってガードしていた方が、ダメだった時の傷が浅くて済むし、「ほらね、やっぱりダメだった」「わかってたから別に平気だよ、傷ついてないよ」って顔ができる。 いつもそうだった。どんな時も、そうやって「これは全力じゃない」呪いを自分にかけていた。本当はまぁまぁ頑張っているのに、こう言うことで逃げ道を作っていた。結果、上手くいくはずもなく「ほらね、やっぱりダメだった、私にできるはずがなかった」という当たり前の失敗体験を

          全力で欲しがることを許可してもいい  ー創作大賞2023ー

          罪を償えるという幸せ

          小学3年生の次男の棚から、夏休み前に学校で借りた本が出てきた。今はもう10月だ。 借りたことを忘れていた、という次男。 「正直に”忘れてました、ごめんなさい”って謝って、返せばいいんじゃない?」と言うと「えー、絶対めちゃくちゃ怒られるよ。どうしよう…」と悩み出してしまった。 「わかる。嫌だよね、怒られるの。でも、その本がなくて困ってる人いるんじゃない?」と尋ねると、「こんな本、誰も読まないよ。人気ないし、つまんないし。返さなくても誰も困らないよ」とのこと。 なになに?

          罪を償えるという幸せ

          天むす一武闘会、開催。 私が天むすの魅力を全人類に知らしめる。

          私は天むすが大好きだ。 名古屋めしといえば、天むす。誰がなんと言おうと私は天むすを最推ししたい。 みんな大好き、えびの天ぷら。それを、あろうことかおむすびの具材にしてしまったという、贅沢なのか質素なのか一体どっちなんだい? という独特の立ち位置にいる天むす。 えび天の旨みがご飯にぎゅっと閉じ込められており、ひとくち頬張ると幸せが口の中いっぱいに広がる。 一口サイズでいつでもどこでも食べられ、冷めても美味しく、お土産にもとても喜ばれるので、地方に行く際にはバカの一つ覚えの

          天むす一武闘会、開催。 私が天むすの魅力を全人類に知らしめる。

          行き止まりのニュージーランド

          私は卑怯で強欲な人間だ。小さい頃から全てを自分の思い通りにしたいと思っていた。 5歳の頃、近所の大富豪の息子、ダイちゃん(5歳)が持っていたライオンの腕時計がどうしても欲しかった。 彼は私のことを好きで「大きくなったらナミちゃんと結婚したい」といつも言ってくれていた。嬉しいな、と思いつつも私はその立場を利用して「その時計をちょうだい?くれなきゃ結婚してあげないよ?」と脅し、まんまと時計を手に入れた。エピソード内の可愛らしさと酷さの落差がすごい。 ボロい賃貸に住む貧乏人の

          行き止まりのニュージーランド

          「笑わせたい」気持ちはどこから来るのか

          「めちゃウケる」「おもしろい」「笑える」そういう言葉が嬉しくて、長年おどけている。 だって笑ってほしいじゃない。みんな笑顔なのがいいじゃない。仲良くなれるし、空気も柔らかくなるじゃない。やったね、最高。 おもしろいことが起こるとすぐメモしてネタにする。おもしろいことがないと、おもしろいことを作ろうとする。なんでもネタにして、なんでもかんでもおもしろかったことに変換しようとする。 笑ってもらえそうならなんだってやる。ビキニラインのムダ毛だって、垂れ乳だってコラムのテーマに

          「笑わせたい」気持ちはどこから来るのか

          うしろめたさを味わいに、1人で高級ランチを食べに行く

          ある夜、私は夫に届いた牛タンを勝手に食べた。お歳暮にいただいた高級厚切り牛タンスモークだ。 子どもたちが寝たあと、その欲望はやってきた。 お腹すいたな…。たしか、お歳暮に牛タン届いてたな…?  あぁ、牛タンスモークめちゃめちゃ食べたいな…今ものすごく牛タンの気分だよ 仕事で家におらず、冷蔵庫なんてそうそう覗かない夫は、まさか牛タンスモークが今この家にあるなんてつゆ程にも思っていないだろう。今、こっそり食べちゃおうかな? いやいや、そんなの勝手に開けて食べていいわけがな

          うしろめたさを味わいに、1人で高級ランチを食べに行く

          なんでLINE返してくれないの?

          なんでLINE返してくれないの? スマホは持ってるよね?1日の間に1度も見ないなんてことないよね?なんならアップルウォッチもつけてるから、手元に通知いってるよね?え?3日も未読ってどういうこと? あー、わかった。今流行りの感染症かなー?いや、それでもみなさん「コロナなう」とかツイートしてますよね?スマホ触れないなんてことないよね?あれー?おっかしいなー? はっはーん、スマホ壊れちゃったのかな〜?それとも、LINEに不具合出てるのかなー?うーん、おかしいな〜待てよぉ〜?L

          なんでLINE返してくれないの?

          「何者かになりたい」と「今のままで十分しあわせ」の狭間

          正直に言って私はいまだに「何者かになりたい」と思っている。 未来に無限の可能性がある若者ならまだしも、私はもうしっかりとしたアラフォーだ。そのくせアラフォーにふさわしいゴリゴリの実績も実力もないうえに「85才のVtuber!」みたいな珍しさも「100日で○○になるぞ! 」みたいな強いコンテンツ力もなく、どこにでもあるようなテーマでエッセイやイラストをちょこちょこと描く程度のぬるい活動をしている。麻婆春雨が好きだとか、夫が高橋一生さんだったらいいなとか。なめてんのか。 しか

          「何者かになりたい」と「今のままで十分しあわせ」の狭間