【偏愛】サッポロ一番 塩らーめん

サッポロ一番 塩らーめんが好きです。偏愛と云うよりも信仰に近いくらいかも知れない。他のインスタントラーメンには申し訳ないけれど、サッポロ一番 塩らーめん一択です。人生でこれまでにどれだけサッポロ一番 塩らーめんを食べて来ただろうか。僕の身体の何分の一かはサッポロ一番 塩らーめんで出来ているのではないか。そう思うくらいに食べて来た。

サンヨー食品のサッポロ一番 塩らーめんの発売は1971年（昭和46年）年9月1日とある。その直後の9月18日に日清食品からカップヌードルが発売になっている。7月にはマクドナルドの日本1号店が銀座にオープン。現在まで繋がっている色々な物事がスタートした年だ。

1971年は僕個人にとってトピックの多い年だ。映画では「ゴジラ対ヘドラ」「ガメラ対深海怪獣ジグラ」、テレビでは「帰ってきたウルトラマン」「仮面ライダー」「宇宙猿人ゴリ」「シルバー仮面」「ミラーマン」「天才バカボン（第1シリーズ）」「ゲゲゲの鬼太郎（第2シリーズ）」「新オバケのQ太郎」「ルパン三世（ファーストシリーズ）」など、僕の人格形成や音楽的審美感の基礎になっている番組が相次いで放送開始になった年だ。CMで流行った「うーんマンダム」も「がんばらなくっちゃー」もこの年。尾崎紀世彦「また逢う日まで」も、朝丘雪路「雨がやんだら」も、北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」も、へドバとダビデ「ナオミの夢」（誤記訂正しました）も、アダモ「雪が降る」も、数多くの名曲がリリースされたのもこの年。僕はこの年の11月で9歳になった。ブラックホールのように何もかもが僕の中に入って来て、もうそれっきり出て行かなくなってしまった。サッポロ一番 塩らーめんの味わいもその一つ。僕の一部として何事にも代え難いものになった。

何と云っても、スープの味だ。他に類を見ない、完全なるサッポロ一番 塩らーめんの味。普段は普通に作って、付属の切り胡麻だけを振りかけて戴きます。贅沢をするときは冷凍のコーンを入れたり、バターを入れたりするけれど、基本的には麺とスープがあれば大満足。味付けにコショウすら足さない。工夫のしようもないし必要もない。完全無欠なのだ。辛い時も、苦しい時も、このサッポロ一番 塩らーめんを食べて「ウマイ、ダイジョウブ」と思って切り抜けてきた（ちょっとオーバーでしたスミマセン）。この調子でいつまでも賛美の言葉を並べることが出来る。異議申し立ては認めません。

やりたいと思っていたことが一つあった。このパッケージと同じ盛り付けでサッポロ一番 塩らーめんを戴くこと。挑戦してみました。カモンレッツゴー。

このプロジェクトのためにチャーシューも自作してみた。何となくその方が似ると思ったからだ。チャーシューを作るのは生まれて初めて。ネットの色々なレシピを参考にして、初めてにしてはウマく出来た。

エビは茹で、インゲンも茹でて斜め切りに。ネギは細切り。茹で玉子は昔々に喫茶店のアルバイトで作っていた以来なので、ほぼ初心者。僕はずっと茹で玉子が嫌いだったので（今は何とスキになった）玉子の扱いは下手。それでもこれもネットのレシピを参考に作ってみた。さあ、後はサッポロ一番 塩らーめんを作って、具材を乗せるだけ。意外とあっさり出来た。

出来上がりはこの通りであります。細かいところは良しとして、なかなかの再現度に満足。なかなかやるじゃん。自分を褒めてやりたい。

こうして見るとその違いは一目瞭然。茹で玉子が半熟なんてことになった。ハードボイルドにしないといけなかった。エビは剥きエビを買ってきて使ったのでシッポがない。茹でてこんなに綺麗に赤くなるのはきっと高級なエビだ。ネギはもう少し緑色の混じる部分を使うべきだった。丼も真っ白でないといけないか。まだまだ指摘すべき点はあるのだがこの辺で。

味はとても美味しかった。ウマウマウー。念願叶ったが、これ以上ブラッシュアップして作ってみる気はあまりない。サッポロ一番 塩らーめんの簡単に作れてすぐに食べられると云う美点が損なわれてしまうからだ。自宅にいて買い置きがあれば、食べたいと思ってから10分後には食べていられる、もしくは食べ終えていると云うそのスピード感こそが美しいのだ。もし機会があれば長い間CMで流れていた「白菜しいたけニーンジン、季節のお野菜いかがです？」と云うのをやってみよう。その時もまた報告します。

ちなみに、どうしてもインスタントラーメンのランキング次点を答えなければならないとしたらサッポロ一番 みそラーメンと即答する。グレイトフル・デッドのファンが一年で一日だけピンク・フロイドの「狂気」を聴くことを許されると云う話（作り話だと思うが）を思い出したが、そんなところか。僕はこれからもずっとサッポロ一番 塩らーめんに忠誠を尽くして生きて行く。今後とも末永くどうぞよろしくお願い致します。