見出し画像

落合陽一が何者かわからないときに読むnote(無料配信)

2020年,2021年のまとめは上(この記事は2019年のまとめです)


落合陽一です.色々やっていると言われても,実は僕個人としては色々やってるつもりはなくて,何かで紹介されるとき毎回肩書きに「メディアアーティスト」と答えるように,基本的には広義のメディアアートを愛する32歳で,全てはその派生で生まれてきたものであることはずっと変わっていません.

デジタルネイチャー新しい自然,人と人に分け隔てのない多様な世界,物質と映像の垣根を超えた変換が無数に起こる多層な自然,知能と波動と物質が音楽を奏でる映像的な世界,新しい自然を根底にして活動すると一見多様に見えるだけだと思います.

この記事は,目次的には個人(作家)としての落合陽一,大学教員としての落合陽一,会社経営者としての落合陽一,研究プロジェクトリーダーとしての落合陽一,メディアに出ている落合陽一,総括その他の順番に並んでいます.(さて2020年に向けてそれぞれの現状と2019年を振り返っていきたいと思います)※ちなみに2019年12月31日に焦って書いたので後ろに行けば行くほどコンテンツが短くなっており,随時書き足しています.

↑個展にいくと何かわかるかも

更新履歴

5/23 YouTubeを追加

2/10ちょっと更新


ひとえに,周囲の協力ありき,一人ではなし得ないことばかりなので環境といつも支えていただいている皆様に多大な感謝を.


画像8

ちなみにこの写真はデジタルネイチャー研の在学生と教職員と同窓生で未来館の展示「計算機と自然・計算機の自然」の前で撮りました.

1.個人としての落合陽一

落合陽一は六本木出身で,32歳で,既婚で2児の父で,16パーソナリティーズではENTP-Aで,乙女座で,好きな食べ物はうなぎとあゆで,他にはグミやカレーや蕎麦やきつねうどんが好きです.身長168センチ,体重は締め切り期間によって52kgから65kgの間で大きく変動します.だいたい58-60kgだと思っていてください.麻布小学校→六本木中学校→開成高校→筑波大学(メディア創成)→東京大学(学際情報学府・博士修了)です.博士以外で持ってる称号はIPA(情報処理推進機構)認定スーパークリエータ/天才プログラマーだと思います.

1.1メディアアート 

メディアアーティストと名乗っているけど,メディアアートって何? という人に簡単に説明すると,「表現の媒体そのものの構築も表現にしてしまおうと考える一派がおりまして,そういった人々をメディアアーティストと呼ぶことがあります.例えばロボットを動かしたり,ディスプレイにプログラムで映像を出したり,遺伝子を改変したり,SNSを使って活動したり,とやり方は様々で,表現をするジャンル」と答えています.メディアそれそのものを表現対象にするっていうのが好みで,僕はこの道に進みました.登竜門と言われている一番大きな賞のアルスエレクトロニカにも入賞経験(本体1回,EUとやってるスターツプライズ2回)あり,文化庁メディア芸術祭やアジアデジタルアートアワードとか,そういう賞にも入賞や入選しています.2019年はSXSW(サウスバイサウスウェスト)でArrow Prizeという賞をもらったり,演出した音楽会がカンヌ広告祭でブロンズをもらったりしました.作品とかは下のサイトみるとだいたい出てきます.

アーティストとして大切にしていることを一言で言えば,「物化する自然と情念」です.自然の中でアナログ/デジタルを越境したときに見せる解像度の美とか人工・天然にかかわらず変遷するマテリアルの素材性とか,人の積み重ねた残存する情念とかポスト工業社会と自然の接合による美学とクラフトとかそういったものに目を向けながら,荘子の物化や計算機と自然や,記憶や情念について考え続けています.

何かわかりやすいものありますかと言われれば,県北芸術祭でフィーチャーされてた作品が見やすいかと思います.

またステートメントや作品のテーマ性に関しては,2018年の個展のページや2019年の個展のページも参考になるかと思います.

メディアアート関連での2019年の仕事について紹介していきます.

SXSWで日本館を作る際のアートディレクションをしました.

またバービカンセンター(イギリス)でグループ展に参加したりその後オランダに作品が巡回しています.

MAT(メディアアンビショントウキョウ)にも出展しましたし,

個展としては「質量への憧憬(アマナ)」,「情念との反芻(ライカ銀座)」,「燐光する霊性(ヨウジヤマモト,六本木ヒルズ)」などをやりました.

2019年にオープンした常設展としては日本科学未来館の「計算機と自然、計算機の自然」展のアートディレクションをしています.

2019年の音楽ものとしては,8月に日本フィルさんと「耳で聴かない音楽会」「交錯する音楽会」の演出をやりました.

最近修行しているのはプラチナプリント.長く残るメディアの在り方については常に考えさせられています.

他にもまだまだ作品関連はありますがメディアアート関連,2019年はこんな感じだったかと思います.(なんか抜けてるよ! っていうのがあればコメント欄にください.)

追記:作品作って欲しい方はこっちの記事をどうぞ

1.2執筆(物書き) 

落合陽一はよく本を書いています.何で本を書き始めたかというと,メディアアート的な話を博論に書ききれなかったので,魔法の世紀という本を書いたのが始まりで,断りきれない性格もあってかいつの間にかたくさん本を書くようになっていました.

落合陽一に興味がある人は魔法の世紀を読んでからデジタルネイチャーを読めば大体わかるかなぁ,と思っています.(順番が大切)

テクノロジーやメディア論を考えながら社会に対峙し,作品のコンテクストを考えるというのもメディアアートの重要な観点だと思うので,社会科見学だと思いながら多くのトピックを勉強しつつ本を書きつつと生きています.

今までに12冊の本を出していますが,著書の累計発行数が大体100万部を超えたこともあり,2019年になってからは自分の興味あることしか書かないと決めています.

2019年に書いた本は2冊.まずは

日本進化論は2018年の夏に平成最後の夏季講習と題して小泉進次郎さんと一緒に官僚の皆様や有識者の皆様を集めてワークショップをやった際に出た議論を纏めながら書いた本,社会保障やスポーツなど,僕自身大変勉強になる場面も多かったです.

2030年の世界地図帳はSDGsについてとSXSWの日本館のディレクションをしているときに出てきた,デジタル発酵というキーコンセプトとテクノ地政学というコンセプトで,今の社会を俯瞰してみることを目標に書いた本です.僕自身これも非常に勉強になることが多く,書いてよかったなぁと思った本の一つです.

他には,文學界で「さかのぼり日本のアート」と「風景論」の連載を始めました.

そういえば中日新聞でコラムの連載が始まっています.

画像1

物書きとしてはこのくらいで,他にはたくさん寄稿したりインタビュー受けたりはあった気がするけれど,なんか抜けてるよ! っていうのがあればコメント欄にください.


1.4 有識者委員とか

落合陽一は,メディア技術と表現についてずっと探求している他,作家としても色々なものに接することも多く考えるのが好きなので,国や自治体の委員の依頼を受けた際お受けすることも多々あります.

今までに,内閣府知的財産ビジョン専門委員とか東京都ビジョン懇談会メンバーとか厚生労働省未来イノベーションワーキンググループ委員とかxRコンソーシアム理事とか公益社団法人日本フェンシング協会委員,ムーンショットビジョナリーメンバー,オリパラ文化イベントの委員,万博有識者委員…他色々,(たくさん抜けてるのでだれかコメントください)などをやってきましたが,2019年はオリパラ系,ムーンショットと万博の比重が大きかったように思います.

https://www8.cao.go.jp/cstp/kaisaiannai/2018/20190315moonshot_sanko.pdf

(このブロックは資料も多いし集める気力が湧かなかった… お世話になった皆様ありがとうございます.2020年もよろしくお願いいたします.

1.5 個人的な情報発信(noteとか落合塾とかSNSとか)

落合陽一は大学生の頃からメディアを観察したり,その上に自分が乗ったりするようなSNS発信が好きなので,作品の投稿やその日思い付いた物事をインターネットに書き込むことをここ10年以上やっています.

2019年は発信の場を大きく変えました.今まではtwitter中心のオープンな発信をしてきましたが,様々なノイズも増えて,今はオープンなSNSはあまりもう使っていません.SNSとしては,noteのクローズドなマガジンでの発信,落合塾(オンラインサロン)でのクローズドな情報発信と議論,などを中心にしています.時代の変化に伴いSNSの使い方も変わっていくのだなぁと実感しています.今はクローズドな場での社会人教育やメッセージの伝達に興味があります.

2019年はnoteを始めたのが一番大きな変化かなと思います.今までは短文でコミュニケーションをとっていたところをある程度のまとまりのある文章でコミュニケーションを取るようになりました.

というわけで個人としての落合陽一はこのくらいの感じで.随時コメントがありましたら更新しようかと思っています.2020年も頑張っていきたい.

1.6 YouTubeチャンネルを始めました

動画で自らの言葉で語る窓口がないことに気がついたので,アマナさんのチームと一緒に動画でも語っていくことにしています.



画像2


2.大学教員としての落合陽一

2015年に東大の博士課程を早期修了して,2015年5月,27歳のときから筑波大で教員をやっています.筑波大学は学部時代にメディア芸術を学んだ出身校ということもあり愛着があって,また世界的に見たときにメディアアートのレジェンドを多く産んだ場所でもあり(ジョン前田が博士をとったり,河口洋一郎先生や山口勝弘先生などレジェンドも多い),僕みたいなメディアアーティストが属するには最適な大学の一つだと思っています.

2017年まで助教で,2017年からは准教授をやっています.29歳のときから2年間,2017〜2019年は筑波大の学長補佐をしており学長補佐室会議等,本部の仕事をしていたりもしました.今でも本部の委員会等に出ることもあり,そこそこ頑張っています.落合陽一の大学での仕事に関しては下に書いてあるリンクが一番詳しいかも.ベストFacultyメンバーにも一応選ばれたりしています.

2.1 研究者としての落合陽一

メディアアーティストとして生きてきた中で,表現と技術開発は切り離せないし,工学的な専門とそれへの取り組みについて研究することは大切だと考え研究者の草鞋を履いています.よく,メディアアートの研究をしているんですか? と聞かれるけれど,メディアアートの研究はうちの研究室ではやっていません.ラボでは工学的なアプローチから何らかの発明や改善や目の付け所の異なったシステムデザインなどを行うことを考えています.

というわけで,2015年からデジタルネイチャー研究室という研究室を筑波大で主宰しています.落合自身は,着任以前は学振DC1やマイクロソフトリサーチ(レドモンド)でインターンをしたり未踏でスーパークリエータ(IPA認定スーパークリエータ・天才プログラマ)頂いたり,異能vationに選ばれたりしながらプロジェクトを進めてきました.今までにワールドテクノロジーアワード(2015年)とかLaval Virtual Awardを3年連続で4回受賞とか,トップカンファレンスに論文が採択されたり,様々な学会でベストペーパーアワードのようなものをいただくことも多かったです.

研究室を立ち上げてから,今までに73人の学生さんと一緒にプロジェクトをやってきました.僕の分野は論文誌よりも国際会議のプロシーディングスの方が重要視されやすい分野です.また,ショートペーパーやポスターまで含めると着任5年で100報以上出させていただいてきました.まだ研究者始めて5年目のひよっこですが,日々色々なことを考えながら頑張っています.

有名になった仕事としては音響浮揚とかレーザーディスプレイとかホログラム 型指向性スピーカーとかですが,車椅子やメタマテリアルの研究まで幅広く研究室では扱っています.もともとホログラム によって表現される映像と物質の間に興味があって(下記スライド,コンピュータグラフィクスの文脈)研究していたのですが,35歳くらいまでは横に広げるのも大切だと考えており,なるべく自分の引き出しを増やしている最中です.

スクリーンショット 2019-12-31 16.20.50

そして,今我々がどうして多彩な領域にアプローチしているのか,何を目指しているか,といえば,我々は学際的な領域に存在する計算機応用を考え,素材とメディアと人の振る舞いと計算可能性の境界面を探求しながら,デジタルネイチャーの到来を目指しています.

スクリーンショット 2019-12-31 16.21.13

この境界面の探求はなかなかに手強く,そう簡単にはいかないと思いますが,非常に活発な学生さん達と,「計算機による新しい自然」を考えるということをやっています.(未来館の計算機と自然、計算機の自然、アートディレクションはアーティスト落合陽一ですが,総合監修は研究者落合陽一です

このテーマは非常に面白く,素材・ディスプレイ・HCI・ロボット・製作手法からデザイン論まで切り口もたくさんあって,日々を楽しんでいます.

2019年は研究室は助教が1名研究員2名秘書さん3名と僕で運営しながら,38人の学生さん達と一緒にプロジェクトを行っています.2019年末現在ラボがお引っ越しの真っ最中で,2020年の頭にはラボが改装されて研究が進むのではないかと思っています

さて2019年の研究で面白かったものをピックアップしていきたいと思います.

Augmented Human 2019でHONORABLE MENTIONをいただいていたワインの研究.人工気候室の中でワインの味が変わるのを研究しました.

Augmented Human 2019で1st Best Paper AwardをいただいたVRの研究.VRの中と外を自由に越境する考え方は面白いかと思いました.

↑HCIIのBest Poster Award をもらったLipSpeakerの研究も面白かった.

あと今年のSIGGRAPH E-techで展示した光学迷彩の研究はお気に入りです.

あとガラスビーズのディスプレイに関してもペーパーが出ていた気がする.

SIGGRAPH Asiaで発表した網膜投影の逆要領で眼底撮像をするメタマテ撮像研究もお気に入りです.

2019年は学生さんの入れ替えや進学もあってか,ペーパーは少なめですが,2019年仕込んでるネタが2020年にはたくさん出てくると思うので,楽しみにしていてください.

Satoshi Hashizume, Ippei Suzuki, Kazuki Takazawa, and Yoichi Ochiai. 2019. Discussion of Intelligent Electric Wheelchairs for Caregivers and Care Recipients. In ArXiv e-prints. 13 pages. URL: https://arxiv.org/abs/1912.11729
落合陽一,面対称結像光学素子を用いたHMDに関する研究: Air Mount Retinal Projector,プロジェクションディスプレイ技術研究会2019.
Yui Atarashi, Kazuki Otao, Takahito Aoto, and Yoichi Ochiai. 2019. Fundus imaging using DCRA toward large eyebox. In SIGGRAPH Asia 2019 Posters (SA '19). ACM, New York, NY, USA, Article 29, 2 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/3355056.3364579
Satoshi Hashizume, Amy Koike, Takayuki Hoshi, Yoichi Ochiai. 2019. Sonovortex: Aerial Haptic Layer Rendering by Aerodynamic Vortex and Focused Ultrasound. In ArXiv e-prints. 10 pages. URL: https://arxiv.org/abs/1911.02985
落合陽一,面対称光学系を用いたHMDの開発,日本光学会,第68回研究会『AR/VR最新技術動向と今後の展望』,2 pages, 2019.
Takahito Aoto, Yuta Itoh, Kazuki Otao, Kazuki Takazawa, and Yoichi Ochiai. 2019. A Design for Optical Cloaking Display. In Proceedings of SIGGRAPH ’19 Emerging Technologies. ACM, New York, NY, USA, 2 pages. https://doi. org/10.1145/3305367.3327979
Shinnosuke Ando, Kazuki Otao, Yoichi Ochiai. 2019. Glass-Beads Display: Evaluation for Aerial Graphics Rendered by Retro-Reflective Particles. In HCI International 2019 Posters (HCII 2019). Communications in Computer and Information Science, vol 1032. Springer, Cham
落合陽一. レーザーと超音波による空間触覚提示,空間立体表示とユーザインタフェース, ISBN 978-4-907002-75-6, S&T出版,2019-05-24.
Yaohao Chen, Junjian Zhang, Yizhi Zhang, Yoichi Ochiai. 2019. LipSpeaker: Helping Acquired Voice Disorders People Speak Again. In HCI International 2019 Posters (HCII 2019). Communications in Computer and Information Science, vol 1088. Springer, Cham
Mose Sakashita, Satoshi Hashizume, and Yoichi Ochiai. 2019. Wrist-Mounted Haptic Feedback for Support of Virtual Reality in Combination with Electrical Muscle Stimulation and Hanger Reflex. In HCI International 2019.
Ryota Kawamura, Kazuki Takazawa, Kenta Yamamoto, and Yoichi Ochiai. 2019. Design Method of 3D Printable Ergonomically Personalized Stabilizer. In HCI International 2019.
Hiroki Hasada, Jungian Zhang, Kenta Yamamoto, Bektur Ryskeldiev and Yoichi Ochiai. 2019. Comparing Methods for Instructions of Cookwares on AR Goggles. In HCI International 2019.
Toshiharu Igarashi, Tatsuya Minagawa, and Yoichi Ochiai. 2019. Augmented taste of wine by artificial climate room: Influence of temperature and humidity on taste evaluation. In Proceedings of the 10th Augmented Human International Conference 2019 (AH2019). ACM, New York, NY, USA, Article 20, 8 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/3311823.3311871
Natsumi Kato, Hiroyuki Osone, Kotaro Oomori, Chun Wei Ooi, and Yoichi Ochiai. 2019. GANs-based Clothes Design- Pattern Maker Is All You Need to Design Clothing. In Proceedings of the 10th Augmented Human International Conference (AH '19). CM, New York, NY, USA, Article 21, 7 pages. DOI:https://doi.org/10.1145/3311823.3311863
Akira Ishii, Masaya Tsuruta, Ippei Suzuki, Shuta Nakamae, Junichi Suzuki, and Yoichi Ochiai. 2019. Let Your World Open: CAVE-based Visualization Methods of Public Virtual Reality towards a Shareable VR Experience. In Proceedings of the 10th Augmented Human International Conference 2019 (AH2019). ACM, New York, NY, USA, Article 33, 8 pages. DOI: https://doi.org/10.1145/3311823.3311860

2019年の反省としてはラボの改装や学生さんの入れ替わりなど,研究に没入できる環境を作るのが難しい感じでもあったので2020年のラボの新装開店からはスタートダッシュが切れるよう頑張っていきたいと思いました.頑張るぞ.

(とこんなとこでまとめましたが何か紹介漏れがあればコメント欄にお願いします)

2.2 教育者としての落合陽一

メディアアーティストとして生きる中で,後進を育てていくことはエコシステムの維持や文化の情勢に意味があると考えています.僕が今教鞭をとっている大学は3つで,筑波大学(准教授)・デジタルハリウッド大学(客員教授)・大阪芸術大学(客員教授)の三つです.

筑波大では今までに73人の学生とプロジェクトを行ってきて,JASSO 2019年度優秀学生顕彰 大賞(学術分野)が3人,学長表彰がのべ7人,内外のコンペなど(ジェームズダイソンアワードなど)含め多くのコンペで入賞や受賞がありました.学生さんの背中を押したり支援したりするのは非常に楽しいことです.IPAの未踏事業にも毎年学生さんが採択されるようになってきました.

さて,2019年落合が担当していた授業は,

スクリーンショット 2019-12-31 16.53.16

で,後は社会人向けのエクステンションプログラムを担当しました.この講義は毎年,熱い議論が交わされるのでいつも楽しみにしています.

コンテンツ応用論の授業は毎回取材が入ったりハッシュタグが飛び交ったりして,注目度が高いのかなぁと思っています.

先端技術とメディア表現のスライドは論文まとめ法としてなぜか有名になった.

講義系は現場仕事が多いんだけどそう言えば,2019年のオープンコースウェアに講義動画が上がっています.

過去のやつも一応貼っておきます(こうやって見比べると言ってることは似通っていても老けていっているなぁ…

デジタルハリウッド大学での講義では毎年展覧会をやる授業(メディアアート )を担当しています.2019年のテーマは「デジタルにできることはまだあるかい」,天気の子感がある一方で,デジハリでそのネタをやるというところに再帰性を感じていたり.(それはnote書いた記憶がある.

デジハリの授業がどんな感じかは,2018年の受講生がまとめてくれたりしていた.

あと他にも大阪芸大の授業とかかな.筑波大でも教育系の他のタスクとかたくさんあるんだけど,外に出せないものが多いのでこのへんで.

(とこんなとこでまとめましたが何か紹介漏れがあればコメント欄にお願いします)

3.会社経営者としての落合陽一

落合陽一はメディアアーティストとして表現にまつわる技術にも興味を持ち,大学で工学的な研究を行ってきましたが,大学で開発された技術の社会実装にも多分な興味を持っています.

工学的知の社会実装というビジョンを実現するため,ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の代表取締役を務めています.もともとは僕が2015年に創業した会社ですが,今は2017年の第二創業期を経て,現状の形態をとっています.

研究開発活動と事業開発を主軸に多くのお客様と新しい製品やサービスづくりを行っている企業で,人員も今年ずいぶん多くなりました.

下記サイトをご覧いただくとわかるように介護用の車椅子の開発/実証実験系プロジェクトから,自治体とのプロジェクトまで多くのプロジェクトが進行中ですが,たくさんのプロジェクトを行う中,守秘義務も多くなかなか公式として外に情報を出し辛いこともあり,下に会社のプレスリリース一覧でも載せておきます.

スクリーンショット 2019-12-31 17.28.29

2019年は研究所の開設・鹿島建設さんとのプロジェクト発表・北海道余市町・仁木町との協定・JR東日本さんプログラムの採択・大学発ベンチャー大賞でアーリーエッジ賞・オフィスの移転・東北大学との協議開始など多くのニュースがありました.

つくばみらい市にオープンした研究所は非常に広く(総建物面積:3,885.67㎡(1,175.41坪)),ピクシーダストテクノロジーズ社にとって素晴らしい拠点となると思います.

また資金調達のニュースとともにインタビューもいくつか受けさせていただきました.

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社のオフィシャルな発表はぜひ上のNEWSからご覧ください.各現場での工学的解決に向けたプロジェクトは粛々とピクシーダストテクノロジーズで進んでいたりもするのでご期待ください.

(とこんなとこで短くまとめましたが何か紹介漏れがあればコメント欄にお願いします & ピクシーダストテクノロジーズ株式会社のオフィシャル発表ではなく,あくまで個人の振り返りとしての2019年のまとめです.)

4.研究プロジェクト代表としての落合陽一

落合陽一はメディアアーティストとして表現にまつわる技術にも興味を持ち,大学で工学的な研究を行ってきましたが,落合陽一は現状,いくつかの国の研究プロジェクトの代表を務めています.大学とピクシーダストで行っている研究に関しては上の3と4を見ていただくとして,ここではJST CRESTのxDiversityプロジェクトについて書いておきます.

“できないこと”の壁を取り払い、“できること”をより拡張できたら、
本当に個性が活かせる社会になるのではないか。
人や環境の「ちがい」をAIとクロスさせ、
多くの人々によりそった問題解決の仕組み作りを目指すプロジェクト、
それが X DIVERSITY [クロス・ダイバーシティ] です。

xDiversityのプロジェクトは2017年末に始まり,2019年末の今まさに中間地点にいるプロジェクトです.

計算機自然というビジョンに向かって3年くらい研究した頃,計算機自然という新しい自然ができるのだとしたら,それは障害は障害じゃなくなるかもしれないし,介護や自立支援の形もコンピュータによって変わっていくに違いない.デジタルファブリケーションやディスプレイ・スピーカー技術やロボティクス・機械学習を使って当事者の課題や社会課題に向き合うフレームワークやデザイン論があってもいいはずだと思い,プロジェクトを始めました.

研究プロジェクトにかける思いなどはいくつかのインタビューがあるので紹介しておきます.

2019年としてはCEATECで展示と基調講演をしたり,シンポジウムを重ねたりしてきました.

プロジェクトとしては,乙武プロジェクトやオンテナプロジェクト,車椅子プロジェクトなどが進んで行っていますが,2020年の目標はよりコラボレーションが進んだプロジェクトをカタパルト的に発射していくことが目標です.頑張っていきますのでご支援よろしくお願いいたします.

スクリーンショット 2019-12-31 17.56.51

(とこんなとこでまとめましたが何か紹介漏れがあればコメント欄にお願いします)

5.メディアでの落合陽一

メディアアート をやってきた落合陽一は,テクノロジーやメディア論を考えながら社会に対峙し,作品のコンテクストを考えるというのもメディアアートの重要な観点だと思うので,社会科見学だと思いながら多くのメディアにも出ています.

今までには,情熱大陸とか夢の鍵とかの密着系にもお世話になりました.

2019年レギュラーでやっていたものとしてはnewszeroとweekly ochiai,自分のラジオ番組,あと途中で終わってしまいましたがsensorsがありました.

いよいよ年明けでweeklyochiaiは100回目の放送となるそうです.昨今noteにも書きましたが,時間を大切により濃く,より深く,メディアと対峙していければなぁと考えています.

6.総括

2019年はチャージの年だったと思う.2020年に飛翔するための準備をしていたんだと考えています.なので,2020年の抱負はまた書くとして,2019年にあった出会いと,周囲への感謝を忘れずに,しかし自分の興味を大切に頑張っていきたいと思います.

(ちなみにこのnoteはお昼に急いで書いたので,後ろにいくに従って,書く体力が落ちていっており,コンテンツの拡充含め随時更新される予定です)

そしてもう一度,

ひとえに,周囲の協力ありき,一人ではなし得ないことばかりなので環境といつも支えていただいている皆様に多大な感謝を.

ここから先は

0字
落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…

いつも応援してくださる皆様に落合陽一は支えられています.本当にありがとうございます.