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核攻撃における放射線防護についての備忘録

ウクライナ情勢とロシアのプーチン大統領の核使用の脅し発言があり、再び核が日本のどこかに落ちる可能性は無いとはいえなくなったので、核攻撃における放射線防護について備忘録的に記載する。 核兵器は炸裂時に放出される中性子線とガンマ線による被曝は残留放射能による被曝より比較にならない程大きい。よってここでは炸裂によって放出された放射線への被曝と残留放射能での被曝、2つの対策について記述する。 (1 爆発時の放射線による被曝について 炸裂時の放射線は距離の二乗に比例する。爆心から

    • 放射性物質の海洋汚染を比較する

       今回こちらにエントリーする記事は、福島原発事故における海洋汚染についてで、他国の放射性物質排出や核実験などと比較して、どの程度のものなのかを調査する為に、IAEAなどの資料を元に私が2012年9月に書いたものを基に、今回のエントリーで少々加筆修正したものです。  再エントリーをしようと思ったきっかけは、1969年に就航した原子力船むつが風評被害で紆余曲折のはてにポシャった経緯などを調べた時、非常に非科学的風評によって多大な技術力と資本が投下されたものが、げに儚くも倒れてい

      • 放射能と食品の安全基準について

        ※以下の文章は2014年くらいに覚書として自分が作成したものです。当時は公にしませんでしたが、Twitterでの以下のツィートとそのスレッドをきっかけに急遽思い立ち公開しました。 放射線被ばくにおけるリスクについて まず第一にリスクというものをどう考えるかが重要。基本的に放射線の被ばくでのリスク管理は以下の通りと思って良い。 年間1mSv 取るに足らないリスク。つまりこれ以下ならば対策をすることにあまり意味がない。何故ならば年間の自然被曝量というのは2.4mSvくらいで

        • コロナ蔓延について年代別死亡者数から各国のリスクを比較してみる

          コロナウイルスが世界中で蔓延してから二年目になりましたが、今まで各国の死者数、あるいは100万人あたりの死者数、または感染者数から割り出した致死率などといった指標は良く登場するのですが、老人の致死率が高いこのウイルスでは、高齢化した国と、平均寿命の短い国などが同じ土俵で語られてしまう点。そして感染者数も国によって検査の甘い国と検査が厳しい国があり、感染者を分母とした致死率の算出方法も一概に比較対象するべきか否か、現実的なリスクが見えてこないと常々感じておりました。ですので、今

        核攻撃における放射線防護についての備忘録

          新型コロナウイルスの致死率について2

          前回の記事を書いてからさほど時間が経過していないが、新しい情報が上がってきたので追記的にこちらに述べる。 日本の致死率が意外と高い可能性日本はゴールデンウィークを終え、徐々に発表される感染者数も減りつつある。前回ドイツ・韓国の性別、年代別致死率を日本の感染者数に代入し、向こう1週間程度の死者予測カーブを提示していたのだが、ここに来て予測される死者数の減速が確認されず、死者数は依然伸び続けている。 ※韓国の性別・年代別致死率(男性50代1.6%、60代4.8%、70代14.

          新型コロナウイルスの致死率について2

          新型コロナウイルスの致死率について

          現在、新型コロナウイルスに関しては、日本の死亡率の低さが良く話題になるが、議論の中で死亡率と致死率がごっちゃに語られている場合が多く、良く噛み合わない討論が散見される。 そもそも死亡率とはその社会の人口に対する該当要因の死者の割合であり、この点で言えば確かに新型コロナウイルスで日本の死亡率は(あくまで現時点では)諸外国中では大変低い。一方致死率とは、その疾病に罹患した人の死亡する割合である。 ここで大事なことは、この双方の指標は、疾病の流行が終息した後に(特に死亡率におい

          新型コロナウイルスの致死率について