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VRChat向け VRHMDの選び方

皆様ごきげんよう、私の他記事を読んでいざVRを始めてみようと思った人も多い事と思われます(読んでない人は是非読んでほしい)
今回の記事はそんな人に向けたVRHMD(バーチャルリアリティヘッドマウントディスプレイ)購入ガイドになります。

VR、というよりかは主にVRChatをこれから始める人向けのヘッドセット紹介になります。
また、PCスペック考案や周辺機器(主にマイクやソフトウェア)等についても記述しているので、既にVRで遊んでいる人は買い替えの参考にして下さい。

尚、この記事内の値段表記は全て税込み価格になっております。

【注意】
完全に主観による評価になります。
Twitterやネット上の評判やスペックに基づいての評価となりますので情報に間違いや齟齬が発生する可能性がある事をご了承下さい。

また、記事を参考にVRHMDやPCパーツ等を買った際、問題が発生しても当方責任を負いかねますのでご了承の程お願いします。


私のVR環境

まず、様々なVRヘッドセットやPCスペックを紹介していく前に現在の我が家のVR環境を紹介したいと思います。
因みに、私はVRHMDは過去初代VIVE、Oculus Rift S、Valve index、Meta Quest2を使用していた事がありました、Meta Quest3、VIVE PRO、WinMR、HP Reverb G2も体験済みです。

PCスペック(自作PC)
CPU:AMD Ryzen 7 5800X3D
マザーボード:B550 Phantom Gaming 4
メモリ:Crucial DDR4 3200MHz 16GB×4
グラフィックボード:玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX3060-E12GB
CPUクーラー:Deepcool AK620
電源:Corsair HX1000
起動用SSD: KIOXIA EXCERIA G2 1TB
編集用SSD(主にUnity): KIOXIA EXCERIA G2 2TB
SSD用ヒートシンク:オウルテック EXTREME COOL M2
保存用HDD:メーカー不詳 3TB
ケース:LIANLI O11 AIR MINI BLACK 12cmファン×3追加取付
ドライブ:BUFFALO DVSM-PUV8U3-BK/N USB3.2(Gen1)/3.0 外付けドライブ
OS:windows10 Pro

PC周辺機器
マウス:DPTM39DS
マウスパッド:道の駅 会津桐マウスパッド改造品
キーボード:メーカー不詳 竹製キーボード
モニタ:EIZO FORIS FS2434-R 23.8インチ
サブモニタ:BenQ GW2480 23.8インチ
サブモニタ2枚目:BenQ GW2480 23.8インチ
ヘッドセット:Logicool G533
スピーカー:Edifier R1000TC
ルーター:ELECOM WRC-1167GST2
オーディオインターフェース:Roland UA-25EX

VR機器
VRHMD:PICO4 128GB(Virtual Desktopにて使用)
ベースステーション:HTC Base Station 2.0×2
トラッカー:HTC VIVEトラッカー(2018)×3
トラッカー固定具:Rebuff Reality TrackBelt+TrackStrap モバイルバッテリー搭載のため改造
フェイスクッション:AMVR製 PICO4フェイスフォームパッド
アクセサリ:HMD専用メガネ VRsatile/ヴァーサタイル(予備オプション無し)
アクセサリ:AMVR PICO4 専用グリップカバー
モバイルバッテリー:HI-DISC 2000mAh HD-MB2000
ACアダプターUSB充電器:ELECOM EC-ACD01BK×2
電池充電器:Panasonic BQ-CC73AM-K
充電電池:Panasonic eneloop BK-3MCD/4HA

回線
enひかり NTT光コラボレーションモデル IPv6オプション加入

補足事項
オーバークロック設定等はせず、全て定格にて起動


PCスペックや使用VRHMDだけではなくその他の物もいちいち細かく書き込んだのは、意外とVR環境はその他の物も重要だったりするからです。

例えば、ACアダプターの選び方を間違えてしまうと急速充電に対応しておらず、なかなかトラッカーを充電できないという事態になりかねないですし、発熱の心配もあります。
トラッカーの固定具も色々ありますが、使い心地に直接影響があるものなので、購入する際は結構迷います。

モニタ、ヘッドセット、スピーカー等はデスクトップモードを使用する際の参考にして下さい。

回線環境について

VRChatは他のネットゲームやMMOと同じく通信容量をかなり食います。
50Mbps程あれば動く事は動きますがそこまで快適ではありません、速いに越した事はありませんが100Mbpsは欲しいです。

通信容量を食うのと安定性、帯域制限の入る関係でWIMAX等はあまりオススメできません、固定回線が良いでしょう。

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尚、スマホのテザリングは容量は食うもののそれなりに快適に動作しました。
外出先にて後述するQuest2等で遊ぶ分にはいいかもしれません(通信速度は60Mbps程でした)

※2023年6月20日追記
2022年2月より利用制限は撤廃された模様です。
同じくWi-FiサービスであるSoftBank Airも利用制限は無いそうです。
ただし、例外的に速度制限されてしまう可能性もあるので、極力固定回線の方が良い事に変わり有りません。

推奨スペックについて

基本的に公式サイトに載っている推奨スペックよりも高めに見積もった方が失敗は少ないです、特にグラフィックボードに関しては。
VRHMDについては普通に動くではなく快適に動く事を推奨しています。

というのも、多少のチラつきや残像が直接的に目や三半規管へのダメージになるので、快適に動かないと疲れや酔いの原因となりえます。

電源環境について

後述するLighthouse方式を採用するHMDを用いる際、ベースステーション本体に電源が付いていません。
ベースステーション用のスイッチ付きコンセントタップを別途用意する事をオススメします。

また、複数台HMDを持つ人向けの説明になりますが、SteamVRは1つのHMDしか認識できないらしく、認識してほしいHMD以外の電源を切る必要があります。
なので、コンセントタップに電源スイッチ付きのものがあると便利です、私はValve indexとQuest2をPanasonic手元スイッチで切り替えて使っています。

また、ベースステーションの電源ケーブルは市販されている12V 1.5A、外径5.5mm(内径2.1mm)のプラグを使えば動きます。
何らかの事情で電源ケーブルが複数欲しい人、電源ケーブルのみピンポイントで壊れた人は参考にしてみて下さい。

Facebookアカウント統合について

2020年10月以降、Oculus製品を利用する際はFacebookとのアカウント統合が必須となり、Facebookのアカウントが無いとOculus製品が使えません、これは中古購入や過去の製品であっても当てはまります。
また、現在Facebookは正しいアカウント情報を入れてもBANしてしまう誤BANを繰り返しており、製品利用中、いつBANされてもおかしくない事態となっています。

また、既存のOculusアカウントは2023年1月1日までアカウントを利用する事が可能ですが、Quest2を利用するにはFacebookアカウントとの統合が必須となります。

この際注意してほしいのは、既存のOculusアカウントで統合せず、新規でOculusアカウントを作り、そちらでFacebookアカウントを統合するという事をしなければならない点です。
もしこれを怠ってしまい、既存のOculusアカウントを統合してしまうと、BANされた際にはQuest2のみならず、今まで使えていたOculus製品が全て使えなくなります、くれぐれもご注意を。

尚、FacebookアカウントBANの詳しいパターンは、そにっくさん執筆の下記記事にまとまっています。

※2022年9月6日追記
8月24日からFecebookアカウントは不要になり、代わりにMetaアカウントが必用となりました。
尚、後述するOculus Rift CV1、Oculus Rift S、Oculus Questで使用できているOculusアカウントについては2023年1月1日をもってシャットダウンされる見通しであり、早めの移行を推奨します。

フルトラッキングについて

基本的にHMDのみでは手と頭しか動きませんが、追加センサーを購入する事によって腰や足、下半身が動くようになります。
後述するLighthouse方式を採用するHMDを用いる場合はVIVEトラッカーを利用する事によってフルトラッキングが可能です。

それ以外の機種についてはベースステーションを購入する事によって非公式ではあるもののフルトラッキングが可能ですが、かなり高い買い物となります。
ベースステーション不要でフルトラッキングができる機器としてHaritoraXというものがあります、下記レビューを参考に購入を検討してみて下さい。

Oculus Quest

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解像度:1440×1600×2(2880×1600)
リフレッシュレート:72Hz
パネル:OLED(有機EL)(※1)
視野角:100度
重量:596g
IPD調整:ハードウェア調整(※2)
トラッキング:6Dof(※3)
トラッキング方式:インサイドアウト(※4)
特記事項:スタンドアロン型、Snapdragon 835にて稼働
Oculus Linkを用いればPCVRとしても使用可能(ケーブル別売り)
Air Linkにて無線起動可能
非公式にてVirtual Desktop、ALVRにて無線起動可能
生産終了品

PC不要のスタンドアロン型、6Dof搭載、OculusLink(※5)やVirtual Desktop(※6)を用いる事でPCVRのように扱う事も可能。

※2020年6月6日追記、Oculus LinkはUSB3.0でしか稼働しなかったのですが、アップデートによりUSB2.0に対応しました。
Linkで動かす際はUSBケーブルの長さに注意が必要です、短いと取り回しがやり辛いです。

値段も魅力的で64GB版が49800円、128GB版が62800円とかなり安価。
つまり、PCが無くともwifi環境さえあれば5万円でVR体験、VRChatを体験が可能という優れもの。
VRChatにて使う際はアバターやワールドに制約がある点に注意。
また、スピーカーが内蔵スピーカーでヘッドホン方式よりも耳が楽。

※2020年6月6日追記、Oculus Linkを使用しても給電が持たないらしく、24時間連続稼働は不可能の様子。
睡眠等長時間起動目的で買う際は注意、Virtual DesktopやAir Linkを用いてACアダプタにて給電をすれば連続稼働可能です。

※2023年6月20日追記
初代Quest、当該機のVRChatスタンドアロン起動は2023年6月30日以降サポート終了の予定です。
PCに接続してのプレイは引き続き可能。

コントローラーの出来栄えに定評があり、軽く、扱いやすく、指を3本まで認識してくれてある程度のハンドサインを行う事が可能。
バッテリーではなく電池式で動いているため充電電池を用いて連続使用が可能と隙が無い。

スタンドアロンで動かせるというのがやはり魅力的で、オフ会で集まった際にQuestを被り酒を飲んだりカラオケを楽しんだりするオフ会(オン会)という意味不明な事が流行っているようです。

現在、OculusはどうにもQuestに力を入れているようで、トラッキングカメラを利用したコントローラー不要のハンドトラッキングが搭載されています。

※1 OLED(有機EL)
有機ELとは有機エレクトロルミネッセンスの略、液晶パネルとは違う仕組みを持つ表示デバイス。
VRにおいては液晶に比べ解像度は劣るものの発色(特に黒色)や低遅延、低残像で反応速度に優れる。

※2 IPD調整
IPDとはInterpupillary distanceの略で瞳孔間距離、目と目の間の距離の事。
VRHMDは設計上、レンズと眼球の中心が一致した際にパフォーマンスを発揮できるように出来ている。
IPDが上手く調整できていないと眼精疲労の原因となり得る。

※3 6Dof
DofとはDegree of Freedomの略、VRにおける自由度を表す。
3DoFは頭の動きや傾きまでを感知、6Dofは頭の上下左右前後の動きを感知する。

名称未設定1

※4 インサイドアウト
外部センサー等の設置を行わず、HMDに搭載されたカメラ等を使ってトラッキングを行う方式。

※2020年7月21日追記
トラッキングの関係上光の影響を受けるらしく、部屋の電気を消してしまうとトラッキングがされなくなったりするので、睡眠目的で買う人は注意が必要。
赤外線を照射すれば暗闇でもトラッキングをしてくれる模様。

※5 Oculus Link
USBを刺して用いる事によりPCVRのようにQuestを扱う事ができる新機能。
人によって評価が分かれているが、後述するOculus Rift Sに匹敵する使い心地という声もある。

※6 Virtual Desktop
PCの画面をVR上に投影する有料ソフトウェア。
設定が複雑だが、上手くできれば無線化した上で高画質にてVRコンテンツを楽しめるようになる。

Oculus Rift S

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解像度:1280×1440×2(2560×1440)
リフレッシュレート:80Hz
パネル:LCD(液晶)(※7)
視野角:110度
重量:560g
IPD調整:ソフトウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:Lenovoが製造
生産終了品

QuestにOculus Linkが搭載されたり、向こうにはハンドトラッキング機能搭載が決定されているのにこっちには発表が無かったりと不遇な印象。

※2021年7月26日追記
Oculus Rift Sは生産終了しました。

とはいえ性能そのものに間違いはなく、液晶ならではの高画質、インサイドアウト方式故のお手軽さ、49800円という値段の安さが魅力。
原価が安いせいなのか、期間限定ホリデーセールにて6300円の値引きが入ったりと今後も値段が安くなる可能性は高い。

搭載されている液晶パネルが結構良い物を使っているらしく、スクリーンドア(※8)及びゴッドレイ(※9)を感じにくい。

着け心地は正直そこまで良くはないのですが、軽いので総合的には悪くなく、ヘッドストラップのおかげで着脱が楽です。
スピーカーはQuestと同じく内蔵スピーカー搭載で耳が楽ですが、Questと比べるとヘッドストラップの存在から睡眠には向かない模様。

コントローラーはQuestと同じものを使用、扱いやすさには定評があります。

スタンドアロンに興味が無い、安定性、着け心地、リフレッシュレート、画質を重視する、Oculus Linkの給電性能では不満という人はQuestではなくこちらを選択するのもアリ。

注意点としては何故かソフトウェア上のバグが多い。
発売時から続く問題で改善されているものの未だに細かなバグがある。
また、IPD調整がソフトウェアのみでしか出来ず、極端に距離が大きい、小さいと調整できない可能性がある点にも注意(58mm~72mmで調整可能)

現在は生産終了品となっており、音声周りのバグが放置されたままなのであまり購入はオススメできない。

※7 LCD(液晶)
液晶には様々な種類があるが、VRで主に用いられるものはIPS液晶。
以前はリフレッシュレートが有機ELに比べ低かったり、眩しかったりと問題があったが、技術の進歩により改善され有機ELと並び立てるようになった。
有機ELと比べ解像度を上げやすく、後述のスクリーンドアも感じにくいため近年では採用例が増えている。

※8 スクリーンドア
ディスプレイに網目模様が見えてしまう効果の事、パネル構成により発生する現象。

※9 ゴッドレイ
レンズに光が反射する際に発生する現象。
黒背景に白い文字等を表示した場合に、放射線状に光の線が見えたりする。

Oculus Rift CV1

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解像度:1080×1200×2(2160×1200)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:470g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(※10)
特記事項:生産終了品

元祖VRHMDと言われるとこのCV1が出てくる人も多い事でしょう。
現在は生産終了品となっており、新品、中古問わず価格が変動するため手に入れるのが難しい(コントローラー、追加センサーは現在でも購入可能)

古い機種とはいえ有機ELかつ軽く、アウトサイドイン方式で手を後ろに回したい人等に未だ根強い人気がある。

コントローラーはQuest、Rift Sと同様扱いやすいが、旧型故か32g程重い。

標準で付いているOculusセンサーは2つで、2つ使用の360度トラッキングは試験的な機能のようだが7800円にて追加でセンサーを購入し、3つ用いた360度トラッキングは公式がサポートしている。

流石に古いので解像度やパーツ入手等の関係からあまり推奨できない、安売り品等を見つけたら買うのはいいかもしれない。

※10 アウトサイドイン
外部センサー、カメラ等を設置して位置を割り出すトラッキング方式。
インサイドアウト方式に比べ部屋に外部センサーを設置せねばならず手軽さで劣るものの、360度トラッキングが可能という強みがある。

Oculus GO

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解像度:2560×1440
リフレッシュレート:72Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:不明、非公開
重量:468g
IPD調整:調整不可
トラッキング:3Dof
トラッキング方式:方向トラッキング(※11)
特記事項:スタンドアロン型、Snapdragon 821にて稼働
生産終了品

コントローラーが1本でコントローラーというよりリモコンに近い代物。
値段が安めで32GBが23800円、64GB版が29800円で購入可能。

※2020年4月21日追記、価格改定で32GB版が19300円、64GBは25700円とかなり安価になりました。
相変わらずゲーム目的ではオススメできませんが、動画鑑賞目的にはいいと思います。

動画鑑賞等を目的に作られた製品で、根本的にVRゲームをやる事には向いていない
鑑賞目的でもお金があるのであればQuest2を買う事をオススメしたい。

※11 方向トラッキング
Oculus公式曰く、ヘッドセットが見る方向をトラッキングする方式らしい。
インサイドアウトの一種のようだが詳細不明。

Meta Quest2

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解像度:1832x1920×2(3664×1920)
リフレッシュレート:72Hz(アップデートで90Hz対応)
パネル:LCD(液晶)
視野角:100度
重量:503g
IPD調整:ハードウェア調整(58/63/68mmの3段階)
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:スタンドアロン型、Snapdragon XR2にて稼働
公式にてストラップ、バッテリー付きストラップ、持ち運びケース別売り
Oculus Linkを用いればPCVRとしても使用可能(ケーブル別売り)
ハンドトラッキングにネイティブ対応
Air Linkにて無線起動可能
非公式にてVirtual Desktop、ALVRにて無線起動可能
サードパーティ製の追加パーツが沢山ある

Meta社が送り出した高画質・高性能・低価格と三冠を達成するHMDであり、発売前には今後のスタンダードとなると注目を集めていました。
が、実際蓋を開けてみるとバグや不具合だらけ、更にはFacebookやOculus Japanの対応があまりにも杜撰で、コストパフォーマンスは素晴らしいものの、高性能、低価格、高リスクというHMDとして仕上がってしまいました。

とはいえ性能に間違いは無く、値段も64GB版が37100円、128GB版が49200円と破壊的に安価です。

※2021年12月29日追記
本体の販売形式が変わり、128GB版が37180円、256GB版が49280円で販売されるようになりました。
また、以前と比べてFacebookのBAN騒動も聞かなくなり、普通にオススメできるHMDとなりました。
Meta社も今後Facebookとの連携を無くすと発表しています。

※2022年9月6日追記
前述した通りFacebookアカウントとの連携が無くなりました。
また価格に変更があり、128GB版が59400円、256GB版は74400円と大幅な値上げがありました。

※2023年6月20日追記
価格改定により128GB版が47300円、256GB版は53900円と値下げがありました。

※2023年12月23日追記
価格改定により128GB版が39600円、256GB版は46200円と値下げがありました。

現状、Oculus製品で新規購入をするのであれば、消去法でQuest2一択になると思います。
他Oculus機種でもFacebookのアカウントBANを始めとした諸問題は変わらないので、リスクを承知で買うのであれば、性能が良いに越した事はありません。

詳しくは下記の詳細記事を参考にして下さい、当記事だけではとても収まりきりません。

また、Quest2はサードパーティ製の追加機器が多く、幅広いカスタマイズが可能です。
下記記事はその中の1つとしてVRCOVER社製のパーツをレビューしています、参考にして頂ければ幸いです。

Meta Quest Pro


解像度:1832×1920×2(3664×1920)
リフレッシュレート:72Hz、90Hz
パネル:LCD(量子ドットLCD)
視野角:106度
重量:722g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:スタンドアロン型、フェイストラッキング(※12)、アイトラッキング(※13)機能搭載、フルカラーパススルー(※14)対応、Snapdragon XR2+ Gen1にて稼働
専用コントローラーはQuest2との互換有り
コントローラーのみ販売有り
ドングル充電式
コントローラーのドングルケーブル別売り
公式にて持ち運びケース別売り
Oculus Linkを用いればPCVRとしても使用可能(ケーブル別売り)
ハンドトラッキングにネイティブ対応
Air Linkにて無線起動可能
非公式にてVirtual Desktopにて無線起動可能

Meta社が送り出したハイエンドHMD、VR機器というよりかはARとMRで使う事も想定されたXR機器とでも言うべき代物。
解像度自体はQuest2とほぼ同じものの、Quest2と比べ37%程PPI(※13)が上がって高精細化、更には量子ドット技術により色域も1.3倍程広がっており、全体的に高性能化している模様。
また、従来のVRHMDの主流であったフレネルレンズではなくパンケーキ型のレンズを採用する事によって筐体そのものも薄くなっています。

最大の特徴はカラーパススルーを利用したARとMRでの利用、Quest2にもパススルーはあるものの白黒画面であまり使えたものではなかったのですが、ProにおいてはカラーかつQuest2と比べ4倍程解像度が上がっており本格的に使えるようになったみたいです。

フェイストラッキングとアイトラッキングに追加機器を必要とせず対応しており、生き生きとした表現が可能のようです。

コントローラーにはSnapdragon 662とカメラ3機が搭載されており、インサイドアウトにも関わらず完全に死角無しのトラッキングが可能、更にはQuest2との後方互換もあるのでコントローラーのみ購入するというのも選択肢として有りです。

欠点としては値段が恐ろしく高く226800円もする事、コンシューマー向けではなく開発者向けに作られた機器との事。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り、159500円と大幅な値下げがありました。

また、コントローラー本体共にドングル充電式で連続使用ができないという地味な欠点もあります。
コントローラーについてはドングルtoTypeCのケーブルが別売りであるものの1本3700円と結構な値がします。
コントローラー単体の値段も37180円とかなり高いので、Quest2で使うにしてもちょっと手を伸ばし辛いです。

ARやMR等ソフトウェア開発を行いつつVRもやりたい人向け。

※12 フェイストラッキング
通称顔トラ、口周りを始めとした顔をトラッキングしてくれる機能の事。
アバターにもよるが頬を膨らます動き等も認識してくれる。

後述するHTC VIVE製品にフェイシャルトラッカーというフェイストラッキング用の追加機器がある。

※13 アイトラッキング
通称アイトラ、眼の動きや瞬き等をトラッキングしてくれる。

※14 パススルー
搭載されているカメラを用いてHMD越しに現実世界を見る事ができる機能。

Meta Quest3

解像度2064×2208×2(3664×1920)
リフレッシュレート:72Hz(90Hz、120Hz対応)
パネル:LCD(液晶)
視野角:110度
重量:515g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:スタンドアロン型、Snapdragon XR2 Gen 2にて稼働
メインメモリ8GBにて稼働
パススルーはフルカラー、約400万画素
パンケーキレンズ採用
公式にてストラップ、バッテリー付きストラップ、持ち運びケース別売り
Meta Linkを用いればPCVRとしても使用可能(ケーブル別売り)
ハンドトラッキングにネイティブ対応
Air Linkにて無線起動可能
非公式にてVirtual Desktopにて無線起動可能(ALVRは未検証)
サードパーティ製の追加パーツが発売直後だがそこそこある
AV1コーデックに対応

2023年10月に発売、世界で一番売れたMeta Quest2の正式な後継機。
全てにおいてQuest2を超える性能を有しており、今後のスタンダードとなり得る一品。
最大の目玉はパススルー機能にあり、公式でMR(※15)機器の入門機を謳っているのは伊達ではなく、現実世界をフルカラーで見つつ、文字を読む事も可能な程高画質。
また、ストラップは標準のものでも意外なまでに装着感は良く、長時間疲れる事なく運用が可能。

最大の欠点はその価格、128GB版が74800円、512GBが96800円と決して安い価格ではなく、後述するPICO4とコストパフォーマンスで引けを取ってしまう。
とはいえ全体的に優れたHMDである事は疑いようもない事実であり、現実世界を見つつVRの世界で何かをやりたいというMR機器としての魅力と、今後のアプリケーション開発に期待が持てる一品。

※15 MR機器
Mixed Realityの略称、似たような言葉にAR(Augmented Reality)があり、VRを含めてXR(Extended Reality)と呼んだりも。
当該記事におけるQuest3のMR機能については、VRの世界に入りながら現実世界を見る事ができる、その逆に現実を見ながらVRの作業ができるような環境を指す。

HTC VIVE

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解像度:1080×1200×2(2160×1200)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:前期型555g、後期型468g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0)※12
特記事項:生産終了品

かなり旧式の機器ではあるものの、VR普及貢献への功績は素晴らしいものがある。
かつてのスタンダードとも言える代物だが、流石に古くなってきており様々な問題が発生しています。

コントローラーが重く、充電が必要で、トラックパッドが扱いにくく、グリップスイッチも扱いにくく、しかも値段まで高い(1本16297円、Oculusコントローラーは片方8800円)

重たい、着け心地が悪くヘッドフォンもスピーカーも搭載されていないので別途用意する必要があります。
別売りのDXオーディオストラップを購入する事によりある程度改善可能だが、12731円とこれも高い。

周辺機器が色々揃っているが、いちいち高い

画質もスクリーンドアが強く、網目感が凄い。

利点は中古品が安い事であり、LighthouseによるVIVEトラッカー(※13)を用いたフルトラ(※14)が安価で可能という点。
前期型か後期型かで重さに違いがある、見分け方は前期型は後期型に比べ箱のサイズが大きい。

正直、今から買うのはあまりオススメできません。
フルトラに正式対応(※15)しているとはいえ、値段に対して得るものが少ないと思えます。

※16 Lighthouse1.0
Steamを運営しているValveが提供するルームスケールトラッキングシステム。
サードパーティ企業が参入可能であり、ライセンス利用のためにはトレーニングへの参加が必要だが、ロイヤリティは無料。
Lighthouse規格に対応しているとHMD、コントローラー等を共通規格として扱える。
ベースステーション1.0と2.0で規格に違いがあり、対応機種や扱えるベースステーション数、トラッキング範囲等に違いがある。
当記事内では便宜上ベースステーション1.0規格をLighthouse1.0、2.0規格をLighthouse2.0と呼称する。

対応表は下記Tweetを参照。

※17 VIVEトラッカー
VIVE Tracker、コントローラ以外の入力デバイスを扱う事を想定されたオプション品。
HTC側の発売時想定ではラケットのようなものをVR内に持ち込む事を想定して作られたが、実際は体に装備して自分自身をVR内に持ち込む形が主流となった。
Vive Tracker(2018)と旧型があり、Lighthouse2.0規格に対応しているか否かの違いがある。

※2021年7月26日追記
VIVE Tracker (3.0)が発売されました。
Tracker(2018)と比べ小型になり、バッテリーの持ちが良くなりました。
本体価格が高くなったものの、現在購入するならこちらがオススメ。

※18 フルトラ
フルトラッキングの略。
VRChat内においては腰、両足にトラッカーを計3個付ける事により表現の幅を広げる事ができる。
バーチャルキャストにおいては腰、両足、両膝、両肘と計7個付ける事が可能。
腰のみにトラッカーを付ける事は腰トラと呼ばれる。

※2022年9月6日追記
VRChatにてアップデートで腰、両足、両膝、両肘、胸の8個付ける事が可能になりました。

※19 フルトラに正式対応
現状HTC製品、Valve製品、Pimax製品以外はトラッカーに対応しておらず、Oculus製品等を扱う際は非公式ではあるが対応する事が可能。
非公式故に不安定で、座標ズレ等が頻繁に発生するためその都度直す必要があったが、QuestとQuest2においてはVirtual Desktopの設定によりその必要性がほぼ無くなった。
非公式であるが故に若干安定しない、サポートが打ち切られてしまう可能性がある。

また、ベースステーションの赤外線を照射すると本来暗闇で動作しないOculusコントローラー等が何故か認識するという謎の仕様がある。
恐らく、赤外線を照射すれば認識するものと思われる。

※2023年12月23日追記
ベースステーションの赤外線照射にて暗闇で動作するのはQuest2以前の旧式機器のみの模様で、前述したQuest3、後述するPICO4は動作しない模様。

HTC VIVE PRO

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解像度:1440×1600×2(2880×1600)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:770g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:廉価版、フルセット版、HMDのみの販売がある
VIVEフェイシャルトラッカー(※19)対応

HTC VIVEの欠点をコントローラー以外解消した代物。
着け心地に定評があり、重いように思えるがこれはストラップも含めての重量であり装着感はかなり快適。

値段もプロ並みでHMDのみが103400円、Lighthouse1.0規格のベースステーションとコントローラー付属の廉価版が146300円、Lighthouse2.0規格対応のフルセットが162668円と滅茶苦茶高い。

※2020年1月16日追記
価格改定によりかなりコスパが良くなりました。
廉価版 109989円
フルセット 153499円
HMDのみ 77500円

特に廉価版のコスパの良さが光ります、コントローラーこそ扱いにくいものの選択肢としては悪くないかと。
同時に、同価格帯のCosmosにトドメが刺さりました。

※2021年11月12日追記
価格改定が入り、フルセットが137000円になりました。
後述するHTC VIVE Cosmos Eliteに比べコスパは劣るものの、悪くない買い物だと思えます。

コントローラーの扱いにくさは初代譲り、どうしてそこを改善しないのだろうか・・・
後述するValve indexのコントローラーと共に扱うとこの欠点を解消できる。

現状、indexとVIVEPROでHMDはどちらが良いか評価が分かれており、甲乙つけ難い状態の模様。

※20 VIVEフェイシャルトラッカー
VIVE Proシリーズに追加で搭載可能なフェイストラッキング機器、価格は17500円。

HTC VIVE PRO マクラーレン特別仕様

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解像度:1440×1600×2(2880×1600)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:770g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse2.0)
特記事項:生産終了品
VIVEフェイシャルトラッカー対応

VIVE PROには何故かマクラーレン特別仕様の限定カラーが販売されており、マクラーレンパパイヤパスが抽選で当たる等のキャンペーンをしていたようです(性能に違いは無い)
阪神タイガース優勝記念ゲームキューブのようなものだろうか?

値段が割高で発売当初から見向きもされず、同封キャンペーンの応募期間が切れても尚在庫が余っていたのですが、2020年3月中旬に突如として値下げを慣行、77999円という破格の値段で売り出されました(通称マクラーレンバグ)

色が違うだけでLighthouse2.0規格のVIVE PROフルキットと同等の代物がこの値段で売り出されたために注文が殺到、40秒に1個売れていくという伝説を残しました。

多分もう無いと思いますが、発売されたら迷わず購入する事をオススメします、現状最もコスパに優れたVR機器です。

HTC VIVE PRO Eye

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解像度:1440×1600×2(2880×1600)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:不明、恐らくVIVE PROと同様
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:アイトラッキング対応
VIVEフェイシャルトラッカー対応

LEDセンサーにより両目の動きをトラッキング可能な機器。
目が飛び出るような値段204730円と激高(コントローラー、ベースステーションは2.0、VIVE PROと同様の物)

※2020年4月21日追記
価格改定で179168円にて購入可能になりました。
相変わらず高いのでオススメはできません。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り209000円になりました。

VTuberのような配信者向けにはいいかもしれない。

HTC VIVE PRO2

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解像度:2448×2448×2(4896×2448)
リフレッシュレート:120Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:120度
重量:非公開
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:現状HMDのみの販売、フルセット販売予定
VIVEフェイシャルトラッカー対応

VIVE期待の新星、PROの筐体をベースに改良を加えたであろう機器、大きな違いとしてパネルが有機ELから液晶に変更された。
何よりもその解像度が凄まじく、その他の性能についてもバランス良く収まっている印象、マイクの性能があまり良くないらしい。
PROと違い、動かすにはVIVEコンソールの起動が必須になっている点は注意が必要。

値段はHMDのみで103400円とかなり高め、また推奨スペックも相当高いらしく、恐らくRTX3000系列を意識して作られていると思われる。
後述するValve Indexと比べてどちらが良いかは財布やPCスペックと相談といった所だろうか?

※2022年1月4日追記
VIVEコントローラーとベースステーション2.0×2がセットになったフルキット版が発売されました。
値段は178990円と相変わらずお高め。

※2023年6月20日追記
前述したフルキットが209000円に価格改定されました。
また、コントローラーとベースステーションが1.0になった廉価版が発売され、こちらの価格は170624円となります。

HTC VIVE Cosmos

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解像度:1440×1700×2(2880×1700)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:110度
重量:665g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト、アウトサイドイン(追加パーツでLighthouseに対応)
特記事項:別売りの追加MODにて機能追加対応予定

HTC期待の新星、と言いたいが実際は問題だらけの代物

まずコントローラーがでかくて重い、只でさえ重かった初代VIVEのコントローラーより重い(Cosmosは225g、初代VIVEが205g)
単三電池で駆動するが片方2本、計4本必要で更に電池の持ちまで悪い(HTCは8時間動作と公表しているが、実際使えるのは2.3時間程らしい)
見た目がOculusコントローラーに似ているので勘違いしやすいが、接触センサーが搭載されておらず、ハンドサイン等を作ることができない

専用コントローラーのトラッキングに難ありで、上手くトラッキングしてくれない
多分最大の欠点はコレ。

VIVEやVIVE PROに搭載されていたレンズまでの前後距離スライド機構が無い

ヘッドフォンやイヤホンジャックを使う事は可能だが、HMDのケーブルの取り回しが悪くなる
それを防ぐためのイヤホン用交換キットというものがあるらしいが、同封されていない。
恐らく今後発売されるものと思われる。

Lighthouseに対応しておらず、トラッカーや規格のコントローラーを使う事が不可能
今後MODで対応予定らしい、非公式フルトラであれば可能。

※2020年6月6日追記、外部トラッキング・フェースプレートが発売されました。
装着するとLighthouseへ対応できるようですが、別途ベースステーション購入、対応コントローラーの購入が必要になります。
Cosmosのコントローラーは使えないので注意が必要です、実質的にCosmosをHMDのみElite化させるパーツです。

値段は26400円と相変わらずのHTC価格、既にCosmosを持っている人であれば購入を考えてもいいかもしれません。

トラッキング設定がSteamVRに統合されておらず、扱うにはVIVE PORT及びVIVE Consoleが必要。VIVEやVIVE PROではSteam VRで扱えていたのに、何故?

液晶のピクセル配列が特殊で、解像度の割には画質が劣る

HMDのファンの音が五月蠅く、蚊の羽音のような音を出す


何より値段が高い、同じくインサイドアウト方式のRift Sが49800円なのに対し98870円という超強気価格。
しかも、今後拡張MODを購入するとなると更に出費は膨れる。

※2021年11月12日追記
価格改定が入り79800円になりました。
安くはなりましたけど相変わらずオススメはできません。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り87200円と値上げされました。

どうしてVIVE PROから劣化したのだろうという感想しか出てこない


装着感が良かったり、搭載されているフリップアップ機構が便利だったりするようだが、それを悉く跳ね返す程に問題が多い。

買う事を全く推奨できない、インサイドアウト方式が良いなら前述したQuest2か後述するPICO4を、高性能なHMDが欲しいなら金を積んで後述するindexかCosmos Eliteを買う事をオススメしたい。

HTC VIVE Cosmos Elite

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解像度:1440×1700×2(2880×1700)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:110度
重量:665g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0)
特記事項:別売りの追加MODにて機能追加対応予定、HMDのみ購入可能

Cosmosの筐体をそのままにベースステーションを用いたLighthouse規格に対応した新型モデルなのですが、その実態は既にある技術を詰め合わせて作ったクリスマスパーティー後日の七面鳥カレーです。
色が違うだけで基本的にCosmosと性能は同じく、問題点も共通しています、欠点の大部分であったコントローラーとトラッキングが改善されたため使い勝手が大幅に向上しました。

何故か付属のコントローラーとベースステーションが無印VIVE時代の物と同じ1.0規格を採用しています。
コストの問題なのか在庫の問題なのかは不明ですが、このお陰でコントローラーの扱いにくさは初代から変わらずです。

値段は120989円と中途半端な印象、もう少し安く抑えてVIVE PROスターターキットを買うか少し奮発して後述するValve indexを購入した方がいいような気がします。

※2020年6月6日追記、HMDのみの販売が開始されました。
73810円と、かなり微妙な価格設定。
VIVE PROのHMD単体よりは安いのですが、後述するValve indexのHMDのみの方が安く、性能も高いように思えます。

※2021年11月12日追記
価格改定が入りHMD単品で63810円、フルキットで109000円になりました。
コスパが良い価格です、これからフルセットでVRをやりたい人にもオススメできる価格帯になりました。

※2023年6月20日追記
価格改定が入りフルキットが119100円と若干高くなりました。

なんやかんやで解像度は高く、枯れた技術ではあるものの無印のシステムをそのまま採用したので扱いやすくはあると思います、発売するのが遅すぎた。
これからCosmosを買いたい人やindex、Proの代価品としてオススメ。

※2022年9月6日追記
Cosmos Elite本体に価格改定はありませんが、対抗馬であったQuest2と後述するValve indexが大幅な値上げとなったため、購入が視野に入るようになりました。
フルトラに正式対応している機器を検討している方はこちらの機種が安価でオススメです。

※2023年12月23日追記
理由は不明ですが、HMDのみで22000円~28000円程で手に入るようになり、お求めやすくなりました。

VIVE Focus 3

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解像度:2448×2448×2(4896×2448)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:120度
重量:784g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:Snapdragon XR2にて稼働

VIVE PRO2と合わせて発表されたHTC期待の新星その2。
一見するとMeta Quest2を純粋に強化したような性能に見えるが、実際は問題だらけの代物。

VRChatを起動するためにはVive businessというソフトが別途必要となり、スタンドアロン起動は不可能。
コントローラーは外見的にはOculusのものと似ているが、タッチセンサーが搭載されておらずハンドサインを作る事が不可能。
また、コントローラーのキーバインドに大問題を抱えており、ジョイスティック押し込みで移動及び回転を行うという謎の仕様になっています。

HTC製品ですが、Lighthouseに対応しておらず、トラッカーや規格のコントローラーを使う事が不可能

また、ソフト側の問題かマイクが機能しておらず、声が送れない。
とどめに130900円値段も高い。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り、179000円と大幅な値上げがありました。

HTC曰く当機はビジネス特化のモデルらしく、ゲームをする事は推奨されていないのかもしれない。
総じて購入をオススメできない、スタンドアロン起動や無線での動作をさせたいのであれば前述したMeta Quest2や後述するPICO4の購入をオススメしたい。

HTC VIVE FLOW

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解像度:1600×1600×2(3200×1600)
リフレッシュレート:75Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:100度
重量:189g
IPD調整:不明
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:コントローラーの付属無し
有線接続
視覚サポート機能付きで、焦点距離調整を調整可能

HTCが出した新型HMD。
なのだが、そもそもゲームにおける使用を想定されておらず、HTC曰くマインドフルネス(瞑想)に特化した代物らしい。
一応VRChatは動かないことも無いらしいが、コントローラーが付属されておらず、スマートフォンをコントローラー代わりに使用します。
値段も高く、59990円もします。

ことVRChatで遊ぶ上では間違いなく選択しない方が良いです、そもそものコンセプトからして違います。

HTC VIVE XR Elite

解像度:1920 x 1920×2(3840 x 1920)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:110度
重量:273g(本体のみ)625g(ヘッドストラップ装着時)
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:Snapdragon XR2にて稼働
視度補正機能有り、フルカラーパススルー

XRと名が付く通り、VR以外のコンテンツも視野に入れたHTCの新機器。
一見すると同じくXR分野で競合のMeta Quest Proからフェイストラッキング、アイトラッキング等を差し引いて発売されたようにも見えるが実態は問題だらけの代物。

まずコントローラーは専用のもではなくVIVE Focus 3の使い回し品のためタッチセンサーは付いていない。
という訳でもないらしく、どうにもスティックとトグルボタンにタッチセンサーを搭載しているらしく、VRChat内でVIVEコントローラーをOculus Touchとして認識する設定にしないとハンドサインが作れないという意味不明な仕様になっています、どうしてABYXボタンにセンサーを搭載しなかった・・・
マイクの音質についてはあまり良くないらしい、スピーカーはそこそことの事。
また、使い方の問題かもしれないが物理的に破損したという報告を結構聞く、軽さ故にVR睡眠に使っている人が多いからかもしれない。

如何せん価格が179000円なのでおいそれとオススメはできない。
アプリ開発者の方なら兎も角、少なくともVRChat向けではない。

Valve index

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解像度:1440×1660×2(2880×1660)
リフレッシュレート:最大144Hz、90Hz、120Hz対応
パネル:LCD(液晶)
視野角:130度
重量:748g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:コントローラーのみ、HMDのみ、ベースステーションのみ、コントローラ+HMD、フルセットと買い分けが可能

※2019年12月24日追記、詳細レビュー記事を新たに執筆しました。
現在記載されている情報は事前評判から推察した古いものになります。


長らくおま国(※16)を食らっていたが、この度日本でも正式な発売となった期待の新星。

高リフレッシュレート、広い視野角、最高峰の解像度、装着感とまさしく欠点が見当たらない代物。

実は欠点はコントローラー側にあり、5本指全てをトラッキング可能なコントローラーで完成度そのものは素晴らしいものの、耐久性に難あり

装着感はVIVE PROとどちらが良いか意見が分かれている、有機ELが好みであればVIVE PROを選ぶと良いと思われる。

オフイヤースピーカーと呼ばれる特殊なスピーカーを搭載しており、耳から若干浮いた形で使用する形になる。
このお陰で耳が楽、かつ音質も良い模様。

Lighthouse1.0、2.0双方の規格に対応しており、更に各種バラ売りされているため、従来のVIVE環境から段階的に移行が可能。
例えば、VIVE PROを使っている状態でコントローラーのみindexにする、無印VIVEからHMDのみ交換する、またはHMDとコントローラーを交換する等といった事が可能。

値段が高いのがネックか、HMDのみ69080円、コントローラーのみ39380円、ベースステーションのみ21780円(1台)、HMD+コントローラーセットが104280円、フルセットが138380円

値段は高いが欠点らしい欠点がほとんど見当たらない高級志向な代物、長年SteamVRを通してVRを研究してきたValveらしい出来栄え。

※2022年9月6日追記
価格改定が入り、HMDのみ82800円、コントローラーのみ47260円、ベースステーションのみ26200円(1台)、HMD+コントローラーセットが125000円、フルセットが165980円と大幅な値上げがありました。

コントローラーの耐久性のみ懸念が残るので買い替えを検討している人は注意、特にVIVEの人は今まで使っていたコントローラーは残しておいた方がいいかもしれない。

※21 おま国
お前の国には売ってやんねーの略。
indexに関して言えば在庫の問題なのか長らく日本では発売されず、お預けを食らっていた。
個人輸入や輸入代行を使えば手に入れる事は可能だったが、割高な上にリスクが多く、公式サポートも受けられない状態だった。

PICO Neo3 Link

解像度:1832x1920×2(3664×1920)
リフレッシュレート:72Hz、90Hz、120Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:98度
重量:642g
IPD調整:ハードウェア調整(58/63.5/69mmの3段階)
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:Pico Linkにて無線起動可能、Snapdragon XR2にて稼働

Pico社が過去発売した機器。
コントローラーはOculusやQuest2のものに似ているが、タッチセンサーが搭載されておらず、ハンドサインを作る事によって表情変更する事が不可能。
内部ストレージは256GBあるものの当然ながらMeta Storeは利用できず、Pico Storeという独自プラットフォームからアプリを購入する事になる。
DisplayPortケーブルを用いた有線PCVRモードがあるのが最大の特徴、遅延無しでPCVRが可能。
価格は43360円とお手軽だが、現在は後継機のPico4があり進んで購入する機会はあまり無いと思われる。

PICO4

解像度:2160×2160×2(4320×2160)
リフレッシュレート:72Hz、90Hz、120Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:105度
重量:581g
IPD調整:ソフトウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:Pico Linkにて無線起動可能、Snapdragon XR2にて稼働
非公式にてVirtual Desktopで無線起動可能
カラーパススルー対応、イヤホンジャック無し

Pico社が出した期待の新星。
128GBが49000円、256GBが59400円と値段が非常に魅力的で、対抗馬となるQuest2が59400円なので比較すると概ね1万円程安い。
従来のフレネルレンズではなくパンケーキレンズを採用する事によって機体が薄型化しており、後頭部ストラップにバッテリーを搭載する事により重量バランスも良く、長時間装着しても疲れづらいとの事です。
PICO Neo3 Linkと違いコントローラーにタッチセンサーが有り、ハンドサインを作る事によって表情変更する事が可能。
カラーパススルーが優秀で、HMD越しに現実世界を見る事が可能。

Quest2と比べ一見全てのスペックが上で1万円安いので、単純比較をした際はこちらが買いのように思えるが、Pico StoreにVRChatが無いので無線起動は可能なのものスタンドアロン起動が不可能な点には注意が必要。
数少ない欠点としてイヤホンジャックが無いので気になる人は注意。
公式にてパーツをバラ売りしておらず、例えばコントローラーが壊れた場合公式保証を受けるしか無い。
また、SteamVRに繋ぐStreaming Assistantは使いやすいもののどうにも不具合が多いらしく、ソフトウェア面で若干不安を抱える。
この点は非公式ながらVirtual Desktopを使う事によって解消が可能。
値引きセールや保証期間延長を頻繁に行っており、直近では8000円値引きされていたりも。

高画質・高性能・低価格の3冠を満たすVRHMDであり、今後のスタンダートとなり得る機器。

DPVR E4


解像度:1832×1920×2(3664 x 1920)
リフレッシュレート:72Hz、90Hz、120Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:116度
重量:524g
IPD調整:ソフトウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:90度フリップアップ機能付き

アユート社から出された新型HMD、今日日珍しいDisplayPortを使用した有線VR機。
かつてはDPVR E3というものがありSteam VRにも対応していたそうだが、レビューが少ない上に安くはないので今記事では割愛。
殊更特徴的なのはフェイスクッションの形状と支え方、頭に被りおでこで支える方式になっており、フェイスクッションは遮光目的でしか付いておらずゴム製でペラペラの模様。

どうにも冷却ファンが五月蠅いらしく、かなり不快な模様。
廃熱機構に問題を抱えているらしく、熱暴走でトラッキングしなくなったりするとの事。
またケーブルが固くて安っぽい上に短いらしく、扱いにくい様子。

コントローラーの見た目こそQuest2に似ているがタッチセンサーは搭載されておらず、ハンドサインを作る事が不可能。
価格も決して安くはなく、72070円とちょっと値が張る。

正直Quest2やPICO4がある現状進んで選択肢には入らない、出る時代が遅すぎた。

arpara Tethered 5K


解像度:最大2560×2560×2(5120×2560)
リフレッシュレート:画質によって異なる、5120×2560で30Hz、3840×1920で60Hz、3840×1080で120Hz
パネル:MicroOLED
視野角:95度
重量:435g(ストラップ、Lighthouseアダプタ搭載時)
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse)
特記事項:視度補正機能有り、Lighthouseアダプタ脱着可能

CAMPFIREのクラウドファンディングを得て正式に発売された新型HMD。
軽量かつパンケーキレンズを採用、更にはMicroOLEDと呼ばれる高彩度なパネルを搭載し、Lighthouse方式と一見良さげに思える。
ただし、SteamVRにて起動する際にはややこしい手順が必用になる。
有線接続式のPCVR機器だがケーブルが3.5mとやや短い。
最大解像度こそ高いものの解像度を変えるとリフレッシュレートも変わってしまう。

とはいえ画質は綺麗らしく、装着感も決して悪くはないとの事。
最大の欠点はHMDのみで158800円という価格、Lighthouse式の高級機器あるあると言われればそうだが、Quest2やPICO4が3台買えるというのは決して無視できない。
同じLighthouse方式であればお手軽価格のVIVE Cosmos Eliteが、値段は若干高くなるものの廉価版VIVE PRO2が170624円で出ているのも痛手。

決して悪くはないのだろうけど痒い所に手が届かない印象、決定版とは言い難い。

Pimax 5K PLUS

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解像度:2560×1440×2(5120×1440)
リフレッシュレート:120Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:200度
重量:470g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り

VIVE PROやindexとは方向性が異なる高級機器。
何よりも視野角200度が驚異的で、これは人間の視野角全てをカバー可能な数字だったりする。
ただし、その驚異的な視野角に対応しているソフトが少ないのも現状。
VRChatも完全に対応しきれていない。

CLPLという特殊な液晶を使っているらしく、一般的なLCDに比べるとスクリーンドア効果が少ないらしいが、詳細は不明。

スペック上の解像度は高めですが、これは出力された映像を引き延ばした上で描写しているらしく、実際の解像度はそこまででも無い模様、十分綺麗との声は聞きます。

ストラップが発売されておらず、標準のヘッドバンドのみだと着け心地はかなり悪いらしい。

値段も高めでHMDのみ88738円、更には求められるスペックも高めでGTX1080TiでもあまりFPSが出ないらしい。

※2022年9月6日追記
価格改定が入り、79500円とお求めやすくなった。

様々な意味でマニア向けな代物、視野角は凄まじいがクセが強い印象。

Pimax 5K XR

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解像度:2560×1440×2(5120×1440)
リフレッシュレート:85±3Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:200度
重量:470g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り、生産終了品

5Kの有機EL版、値段は少々高くなりHMDのみ109878円
リフレッシュレートが低いという以外は注意点や細かな部分は5kと変わらないと思われる、最近では珍しい有機EL搭載の数少ないハイエンドVRHMDという点で価値が見出せそう。

Pimax 5K PLUS(144Hz)

解像度:2560×1440×2(5120×1440)
リフレッシュレート:144Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:200度
重量:470g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り、生産終了品

画像は5K PLUSと同じなので省略。

5K PLUSの144Hz起動版、基本的にリフレッシュレート向上以外に性能の違いは無いと思われる。
だが本当に注目すべきは専用コンフォートフェイスクッション、シリコンスリーブ、Pimax8K X 100ドル割引クーポン込みで609ドル(税、送料別)にて購入可能という点。
現在Pimax公式通販にて日本へ発送に対応しており、かなり安価にて購入可能になった。
更に、専用コンフォートフェイスクッション、シリコンスリーブ、Pimax8K X 100ドル割引クーポン、Valve indexコントローラー、ベースステーション2.0×2、Half-Life: Alyx込みのフルキットが999ドル(税、送料別)にて購入可能。

フルキットを購入すればイヤホンやヘッドホンは別途必要なものの、今までのような面倒なハードルをクリアする事なくすぐさま視野角200度を体験可能という優れものののVRHMDとなった。

相変わらずヘッドストラップが搭載されていなかったり要求PCスペックが高いという問題はあるものの、コンフォートフェイスクッションのおかげで多少着け心地の改善は可能でしょうし、昨今グラフィックボードも安価になってきているのでVIVE PRO、Valve indexと並んで有力な選択肢になったかと思われる。

※2020年7月21日追記
公式サイトを見る限りではセット販売の記載が無く、どうやらセットでの販売は終了してしまった模様です。
HMD単体は引き続き購入可能です。

Pimax 5K XR(公式通販)

解像度:2560×1440×2(5120×1440)
リフレッシュレート:85±3Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:200度
重量:470g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り、生産終了品

画像は5K XRと同じなので省略。

こちらも5K PLUS(144Hz)と同じく公式通販にて日本へ発送が可能になった。
こちらは専用コンフォートフェイスクッション、シリコンスリーブ、Pimax8K X 100ドル割引クーポン込みで699ドル(税、送料別)と5K PLUS(144Hz)に比べ90ドル程高く、リフレッシュレートが控えめ。
フルキットは専用コンフォートフェイスクッション、シリコンスリーブ、Pimax8K X 100ドル割引クーポン、Valve indexコントローラー、ベースステーション2.0×2、Half-Life: Alyx込みで1099ドル(税、送料別)にて購入可能。

最大の魅力は有機ELを採用しているという点
にあり、昨今は液晶が主流になってきているのでVIVE PROと並んで数少ない選択肢として有力と思われる。

※2020年7月21日追記
こちらも同じくセット販売の記載が無く、セットでの販売は終了してしまった模様です。

Pimax Artisan

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解像度:1700×1440×2(3400×1440)
リフレッシュレート:120Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:170度
重量:590g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り

Pimaxシリーズ最大の特徴である視野角を30度削り、解像度も下げたエントリーモデル。
価格もHMDのみで60800円とかなり落ち着いた、推奨スペックも多少下がっている模様。

正直、ターゲット層が今一つ見えてこない、バランス良く高性能が欲しいのであればValve indexやVIVE PROを購入が良いと思えるし、コスパを求めるのであればOculus製品が良いように思える。
リーズナブルに高視野角を楽しみたい人向けだろうか。

Pimax Vision 8K PLUS

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解像度:3840×2160×2(7680×1440)
リフレッシュレート:110Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:200度
重量:不明
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り

過去、KickstarterにてPimax 8Kという機種が発売されていたが、その後継に当たるであろう代物。
カタログスペックではリフレッシュレート以外Pimax 8Kとそこまで変わらないものの、解像度や没入感は向上している模様、着け心地も多少マシになっているとか。

価格はHMDのみで137800円とかなり高い、要求スペックも公式ではRTX2060以上が必要と言われているが、もっと高めに見積もった方がいいと思われる。

※2021年7月26日追記
価格改定が入り、102000円とかなり落ち着いた価格になりました。
また、後頭部ストラップ及びヘッドフォンが追加され、装着感がかなり改善されたようです。

※2022年9月6日追記
価格改定が入り、109200円と若干の値上がり。
またソードキットと呼ばれるLighthouseへ対応したPimax専売のコントローラーキットがあり、ベースステーション2.0とコントローラーセットで80000円、コントローラーのみで36000円で別売りしています。

※2023年6月20日追記
ソードキットの価格改定が入り、ベースステーション2.0とコントローラーセットで95000円と若干値上げが入りました。
また、ソードキットライトと呼ばれるベースステーション1.0とコントローラーの組み合わせのものが76360円で販売開始されました。

高解像度高視野角高リフレッシュレートを追い求めるマニア向け。

Pimax Vision 5K SUPER

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解像度:2560x1440×2(5120 × 1440)
リフレッシュレート:180Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:200度
重量:900g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り

過去販売していたPimax 5K PLUSの後継に当たるであろう代物。
解像度は5k PLUSとさして変わらないものの、なんといってもリフレッシュレート180Hzが見所。
ゴムバンドだった5k Plusとは違い最初からオーディオストラップを搭載しており、装着感に勝っている模様。

値段は113140円とちょっとお高め、視野角を堪能しつつリフレッシュレートにこだわる人向けか。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り、124000円と若干値上げされました。

Pimax Vision 8K X

画像22

解像度:3840×2160×2(7680×1440)
リフレッシュレート:75Hz/114Hz
パネル:CLPL(液晶)
視野角:200度
重量:不明
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:アウトサイドイン(Lighthouse1.0、2.0)
特記事項:ヘッドストラップ、アイトラッキングモジュール等アクセサリ販売有り

過去のPimaxシリーズに見られた画像引き延ばしではなく、片目ネイティブ4K出力に対応したモンスターマシン。
その解像度はValve indexや後述するHP Reverbを更に越え、市販されている中では現状最高峰、まさしく化け物である。

Dual Engine Modeという機能が搭載されており、解像度を片目2560×1440と3840×1440のモードに切り替える事ができる、FPSを適切に保つための救済処置と思われる。

高解像度故かリフレッシュレートが犠牲となっており、ネイティブ4kモードだと75Hzまでしか出ない模様。

値段も化け物で、HMD単体でスタンダード版が195300円、オーディオストラップ付きが205300円

※2021年7月26日追記
価格改定が入り、SMAS版が152370円、KDMAS版が155115円、で購入可能となりました。

※2022年9月6日追記
価格改定が入り、KDMAS版が157000円、DMAS版が179200円と若干の値上げがありました。

※2023年6月20日追記
価格改定が入り、DMAS版が210790円と大きく値上げしました。

推奨スペックも高く、ネイティブ4k出力モードでは公式曰くRTX2080以上のグラフィックボードが必要との事だが、実際にはRTX2080Ti以上が必要なのではないかと思われる。

全てにおいて最強を求める金持ち向けの機種。

第1世代WinMR

画像12

解像度:1440×1440×2(2880×1440)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:95度~110度
重量:メーカーにより異なる
IPD調整:ソフトウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:規格品、メーカーによって細部が異なる

画像は現状最も安いLenovo Explorerの物。
windows mixed realityの略でwinMR、規格品で細部が各メーカーによって異なるが大体一緒だと思ってもらって構わない。

MRと表記されているが実際はVRHMD、今となっては旧式だがインサイドアウト方式をいち早く取り入れていた。

トラッキングに問題がある、範囲が狭く、具体的には常に前ならえのような状態になってしまい手を下ろす、上げる、後ろに回すといった事が難しい。

マイクが搭載されていない、また他HMDのようにスピーカーやヘッドフォンも搭載されていないので別途用意する必要がある。

コントローラーは片方単3電池2本、合計4本使用。
Bluetoothにて稼働しており、ペアリングが必要。
使い心地はVIVEコントローラーよりかはマシだがそこまで良くは無い、Oculusコントローラーには遠く及ばない印象。

値段が安めでLenovo Explorerは34749円、他メーカーのものは品薄なのか値段が上がっているように見える。

Quest2がある現状、進んで選択肢に入れる必要は無い
激安品がたまたま売っていたという状態なら手に入れる価値はあるかもしれない。

Samsung Odyssey+

画像13

解像度:1,440 x 1600×2(2880×1600)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:OLED(有機EL)
視野角:110度
重量:590g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:winMR規格

通称オデプ、winMR規格ながら同一規格の中で頭2つ抜けた性能を持つ。
VIVE PROと同様の解像度、パネルも有機EL、更に特殊レンズを使用しており画質のみで言えばVIVE PRO以上とも言われている。

持ちやすさを全く考慮されていなかったコントローラーにも若干の改良が加えられている。

別途マイクやスピーカーを用意しなければいけなかったwinMRだが、オデプには標準で付いており用意する必要が無い。

値段はamazonにて47375円とwinMRにしては少々お高め、米amazon等で度々セールを行っておりその際は249ドル~300ドル(輸入代行費用等含めず)で購入可能。

唯一の欠点はwinMRであるが故のトラッキング問題、何故winMRで出してしまったんだ・・・

HP Reverb

画像14

解像度:2160×2160×2(4320 x 2160)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野角:114度
重量:500g
IPD調整:ソフトウェア調整
トラッキング:6Dof
トラッキング方式:インサイドアウト
特記事項:winMR規格

Valve indexを超える解像度を誇るトンデモHMD。

必要スペックも最強で、高画質を楽しむためにはi7、i9、Ryzen 7以上のCPU、RTX2080と同等以上のグラフィックボードが求められる。

値段は割とお手頃な価格で55880円、夏のお得セールを12月の冬になってもやっている辺り売れていないのかもしれない。

winMRであるが故のトラッキング問題がある、オデプといいなんでwinMR規格で出したがるのだろうか・・・

解像度命なマニア向け。

HP Reverb G2

画像24

解像度:2160 × 2160×2(4320 × 2160)
リフレッシュレート:90Hz
パネル:LCD(液晶)
視野⾓:114度
重量:600g
IPD調整:ハードウェア調整
トラッキング:6DoF
トラッキング⽅式:インサイドアウト(新型WinMR)
特記事項:生産終了品、ケーブル長 6m、オフイヤースピーカー搭載、コントローラーは旧WinMRと互換性有り

何度も発売延期を繰り返し、ようやく発売された新型WinMR。
G2はGeneration2を意味しているらしく、共同開発したHPとMicrosoft、Valveの本気が伺える、値段は65780円とそこそこの値段。
推奨スペックこそ初代Reverbと同じく高めなものの画質、スピーカー音質、マイク音質、装着感に非常に優れています。

しかし、一方でトラッキング範囲、コントローラーの操作感、ソフトウェアに問題を抱えており、特にトラッキング範囲については初代winMRと比べればマシ程度にしか違いがありません。

また、VRChatで扱う際はデフォルトキーバインドに問題があり、コンフィグを弄るのが必須になります。
非常にピーキーな性能をしており、正直VRChatをするのにはあまり向いていません。

※2023年6月20日追記
2023年5月31日をもって生産終了しました。

詳細はアストネスさんに寄稿した下記記事を参考にして下さい。

その他のVRHMDについて

とりあえず現行使われている凡そのVRHMDは紹介し終えました。
後思い当たるのは安かろう悪かろうな印象のスマホVR系統、激安価格で一応steamVRに対応しているらしいがコントローラの無いG-TuneのVRHMD、約75万円近いVarjo製VRHMD、PC接続する事ができないPSVR位だろうか?

他にも色々あると思いますが少なくともオススメはしません。

PCスペック考案

まずは、下記tweetを見て欲しい。

当該ツイートにほぼ言いたい事が書いてあるが、幾つか補足がある。

CPU
4コア8スレッド以上が必須。
スレッド数がどうにも重要なようでそれなり以上の物を確保しておいた方が良さげ。
Ryzen 5が値段、スペック的にもオススメ。


※2023年12月23日追記
CPUについてはコア数とスレッド数以上に、VRChatを含むUnity製マルチプレイゲームは三次キャッシュ性能が求められるらしく、Ryzen X3Dシリーズ等が予算に余裕があるのであればオススメ。
とはいえ決して安い買い物ではないので、ひとまず4コア8スレッド以上あればあまり問題はないと思えます。

GPU(グラフィックボード)
一番重要視する部分
スペックは高いに越した事はないが、Rift SやQuest2、辺りを動かすのであればGTX1660Ti、GTX1660 SUPER辺りのスペックがあれば十分。

使用するHMDによって要求スペックが変わってくる所で、VIVE PROやindexだと必要スペックが1段上がり、VIVE PRO2やPimax、ReverbG2だと大きく跳ね上がる。

逆にRift CV1、無印VIVE、第一世代型winMR等古い型の物を使うと要求スペックが少し下がる。

※2021年7月26日追記
VRChatはVRAMをバカスカ食うらしく、基本的にVRAMが稼げるGPUがオススメとなる。
追記執筆時現在でのオススメ品はRTX3060(VRAM12GB)辺り。

CPUをそこそこのスペックにしておいてこちらに金を突っ込んでグレードを上げる事をオススメしておきたい。

Redeon RX5700、RX5700XTは一部のシェーダーやパーティクルと干渉をするので注意
残念ながらオススメはできません。

※2023年6月20日追記
Redeon製グラフィックボードのシェーダーやパーティクル干渉問題は今となっては鳴りを潜め、聞かなくなりました。
VRChatでもそこまで問題無く使えると思いますが、CUDAコアが搭載されておらず、将来的に画像生成AI等をローカル環境で構築するといった用途に向かない点には注意が必要。

メモリ
16GBは必須、32GBあると安心。
中には32GBでも足りないという人も居る。
どうにもVRChatはメモリをやたらと食うらしく、多ければ多い程良い。

SSD
絶対に必要。
M.2 NVMeか否かはそこまで差を感じない、SATAでも十分な気がする。

電源
VRでは長時間複雑な処理を行うため、信用のおける電源を買うに越した事はない。
グラフィックボードは将来的に高性能な物を積む可能性もあるので、ワット数に余裕がある物だと安心。

ANTEC、SILVERSTONE辺りのメーカーが品質的に安定していて無難。
Corsairは更なる安心感を求める方に、ニプロンは過剰な程の安心感を求める変態に。

OS
windows7では動かないHMDがあるので注意、具体的にはwinMRやRift S
windows 10にしておくのが無難。

ルーター
見落としがちだが重要な部分
回線状況が良くともここがボトルネックになる事がしばしばある。
古い物を使用しているのであれば買い替えを検討してみても良いかもしれない。
また、Quest2を無線で扱う際は特に重要視した方が良いパーツで、最低限5Ghzの無線帯域に対応したルーターが欲しくなる。


自作ができるに越したことはないが、難しいのであれば上記を参考にBTO PC購入をすると良いでしょう。
分からない事があったらTwitterで質問をすればどこからともなく答えが飛んでくる、筈である。

※2020年11月22日追記
VRChatの詳細なスペック検証記事が別途あります、自作ができる方は下記記事を参考にしてみてもいいかもしれません。

※2023年12月23日追記
Meta Quest2、MetaQuest3、PICO4のみ既存のPCスペック検証に当てはまらず、低スペックでも快適に動いたという報告を数多く聞きます。
恐らく、本体に搭載されているSnapdragon XR2の影響かと思われますが、動作が軽くなる原理が全く分かりません。

マイク、オーディオインターフェース

VRHMDに搭載されている標準マイクの音質は基本的に悪く、追加でピンマイクを搭載した方が音質が良くなる場合がほとんどです(indexとQuest2、PICO4、Reverb G2のみ例外で、恐ろしくマイク性能が高いです)

オーディオインターフェースを所持していないのであればよく使われているECM-PC60が良いかと思われます。

ファンタム電源(※17)が搭載されているオーディオインターフェースを所有しているのであれば、以前私が使っていたTOMOCA EM-700が安くて音質も良くオススメです。

※22 ファンタム電源
コンデンサーマイク等を使うために必要な電源。
微弱な電流のためファンタム(おばけ)電源と呼ばれる。
対応していないマイクにファンタム電源を流すと壊れるので注意が必要。

もしファンタム電源搭載をしたオーディオインターフェースを所持しておらず、コンデンサーマイクを使いたいというのであれば下記商品をオススメします。

ベリンガーUM2、安さ重視

ヤマハAG03、エフェクト重視

スタインバーグUR22mkII、汎用性重視

巷で噂のVT-4、ボイスチェンジ重視

尚、私の使っているUA-25EXは型番が古く新品では売っていません。

イヤホン、ヘッドホン

結論から先に言えば好きな物を使うといいなのですが、バイノーラル特化型イヤホンのfinal E500を個人的にオススメしています。

2020円という安さでこの性能は破格です、お試しあれ。

その他オススメのソフトウェア

・XSOverlay

価格は1010円、早い話がVR空間にデスクトップを持ち込めるという代物で、他にも腕時計や音楽プレイヤー機能、Lighthouse対応機器のバッテリー残量確認等色々使えるソフトです。
SteamVRならVRChat以外においても全てに適用できるソフトでもあります。

・OVR Advanced Settings

価格は無料、SteamVRを動かす上であると何かと便利になるソフトです。
特にVR内で空間を掴んで宙に浮く事ができる「Space Drag」機能が便利です。

・OpenVR-SpaceCalibrator

価格は無料、こちらはやや上級者向けの設定をする際に使うもので、Lighthouse規格のものを非公式環境にて扱う際(VIVEトラッカー、コントローラー等)に必要となります。
Lighthouse規格製品が無い状態であれば必要ありません。

終わりに

大変長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでくれてありがとうございます。

こう見返してみると2016年のVR元年と呼ばれた年にはRift CV1、HTC VIVE、後はせいぜいwinMRしか無かったのですが選択肢が大きく増えたものです。

今後のVR業界の発展を祈りつつ、イギリス人作家であり技術者でもあるアーサー・チャールズ・クラークの名言で締めたいと思います。


「高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない」
"Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic"


画像15

科学の発展に犠牲はつきものです、皆さんVR機器を買いましょう!



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