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音ゲー経験ゼロが音ゲーしたらあまりの異質さに脳がバグった件について

昨今、さまざまなゲームジャンルが存在しますが、その中に音ゲーと呼ばれるものがある。

ご存知の通り、音楽に合わせてノーツをタンタンと叩いていくゲームだ。(周りの人間はダダダダダダダダという感じだが)

筆者は何故かこのゲームジャンルを通らず20年以上過ごしてきている。

しかし、昨年リリースされたプロジェクトセカイというボカロ曲を中心としたリズムゲームに触れて、もっと違う音ゲーをしたいなという気になってきた。

そこで筆者は以下のゲームに手を伸ばす。

DJMAX RESPECT V


Steamのサマーセールにて格安であり、知人の間で流行りつつあったので便乗したかったという理由もあるが、色んな音ゲーに触れてどういうもんか知りたかったのが本音である

購入時の心境は、

「まぁ、ソロコンテンツ(全曲全難易度クリア)は24時間ぐらいやればクリアできるやろ(余裕)」

という感じで……。

しかし、この考えはかなり愚かだったと思い知るのである。


・最初の30時間がチュートリアル


私は他ジャンルのゲームにはそこそこ触れてきていると自負している。
アクションやRPGを始め、格ゲー、恋愛シミュレーションやSTG、ホラーなどクリアまでやったことあるジャンルは多いし、アイワナなどの死にゲーにも触れてきている。

その経験から自分の中で「一通りクリアまでは24時間ぐらいかかる」という目安が確立している。
一通りクリアというのは、エンディングを見るまで、と思って欲しい。

そういう考えからDJMAX RESPECT Vも不慣れな点を込み込みで全部クリア埋めするまでに30時間ぐらいでいけるんじゃないかと思っていた。
その先にあるMax Combo(いわゆる、フルコン)やPerfect Play(いわゆる、AP)で後々やり込むんやなぁと思っていた。

思ってたんだけども。


さて、このゲームの曲の難易度は★1〜★15と★の数が多いほど上がっていく。

なんと、筆者は30時間プレイした時点で中間の★8に辿り着いたところまでしか行けなかった。

ゲームの中間といえば、ポケモン赤緑だとまだタマムシシティを終えたあたりだし、ゼル伝の時のオカリナだとリーデッドだらけの城下町にビビりまくってる辺りだ。

自分のゲーム体験の中でこんなことは今までなかったので、「音ゲーのセンスが皆無なのでは……?」と考えるようになってしまった。


その時、音ゲーうまうま知人から言われたのが「経験ゼロからなら30時間はまだ初心者になったばかり」という言葉。

つまりのところ、ポケモン赤緑だとオーキド博士が1番道路でポケモン捕まえるところで、時のオカリナだと家を出てサリアに話しかけてと言われる場面である。

嘘でしょ?

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よくゲームやってると「ゲームクリアまでがチュートリアル、ここからが本番」云々とは聞くが、プレイ30時間でまだチュートリアル開始というゲームがあるんか……と脳がバグってしまった。
この日はあまりに悔しくてガチ泣きして寝てしまった。

この事実を知ったため、普通にプレイしてたらそこそこ熟せるのがゲームだと思っていたが、それは甘えであり音ゲーは適当にプレイしてても上達しないものという認識になっていった。


・ぶつかり稽古が基本


スマブラやスプラトゥーンの対戦アクションでは、よくコンボや立ち回り動画が上がっており自分自身も参考にしてプレイに落とし込んでいます。ただ、DJMAX RESPECT Vに関してはそのような動画がほぼほぼない。「この曲には◯◯な譜面があるから△△な運指をする」みたいな講座動画が本当にない。
低難度〜中難度の曲のプレイ動画もあまり見つからない。
(自分の探し方が悪いかもなので有識者いたら頼む!)

逆に高難度のMax ComboやPerfect Playなどの動画はめちゃくちゃある。しかし、初心者には何がなんだか分からないので参考にしにくい。

こういう時、思い出してしまうのが小学校の頃の体育。
何故か周りはいつの間にかサッカーが出来ていて、野球ボールをいつの間にか投げられるようになっている。体育の授業で一切習っていないのに、だ。
みんな自分の与り知らぬところで転びながら身に付けていたんだろうなと今なら思う。自分が運悪く学べなかっただけなんだと。

音ゲー経験者からも長年やってたらただ上手くなっていたというのがめちゃくちゃ聞く。みんな色々考えて、身に付けてきたんだろう。自然とプレイして自然とコツを身に付けてきたのだろう。

筆者にとっては両者とも「インプットなしのぶつかり稽古」だと言いたくなる。
「何を分かっていない」のかが分からないという状態でもプレイし続けられるメンタルの強さがないと難しいということだ。

勉強でも「tan1°が有理数であるかどうか」という問題が出てきたとして「三角関数」「加法定理」というインプットがなかったら、筆者には無理だ。これらを知らずに問題に取り組む気概はない。

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色々身の上も交えつつ話したが、まとめると、DJMAX RESPECT Vはインプット(講座やコツ解説動画)が少ない上で、実践を重ねていくプレイを要するため筆者のプレイスタイルとはかなりかけ離れているから困惑している、ということ。

もちろんスプラやスマブラも実践が一番ではあるが、実践にいくためのモチベ上げコンテンツがあること自体が個人的に大きな要素だ。ゲーム外でモチベ上げられるのは息抜きになるし良い。

音ゲーではライバルの存在がそれに当たるらしいですが、筆者の周りは上級者しかいないので全くいないです。(だから、こういうnote書いて自己分析してるんですけども)

……というか、スマブラやスプラはランクマッチ的な要素のためにモチベ上げとかやるけど、DJMAX RESPECT Vはそもそもソロコンテンツでこんな努力しなきゃいけないのは何故?

次に続く。


・音ゲーはフィジカルな死にゲー


そもそも前述したDJMAX RESPECT Vで感じたことはソロコンテンツの範疇に限ることである。


前項で話したスマブラやスプラみたいな対人要素と比較することで、対人コンテンツぐらい難しいソロコンテンツを含んでいるのが音ゲーというジャンルである証明にはなった。


音ゲーをソロコンテンツと比較するとすれば、アイワナのような死に覚えゲーに近い。

I WANNA BE THE GUY(ニコニコ大百科より)


音ゲーなら「ここで乱打がくる」、アイワナなら「ここでトゲが降ってくる」など、失敗した箇所を覚えて試行錯誤してクリアしていく点がかなり似ている。

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ただ、音ゲーは身体能力が必要である。

DJMAX RESPECT Vならノーツを認識できても指が動かないと意味がない。しかも、長いと3、4分ほど高速で流れる譜面を見続ける眼が必要だ。

アイワナは一つ一つ横着しないでギミックを熟せばクリアできるが、音ゲーのノーツは待ってくれない。難所を覚えるだけではクリアできないのが音ゲーである。

これはもう、人間の身体能力を試してる時点でマラソンやサッカーとかのスポーツと一緒なんよ。

音ゲーはeスポーツらしいが、個人的に音ゲーはもう立派なスポーツなので、某世界的スポーツの祭典にあってもおかしくない。


・音ゲーはインフレする。

音ゲーには難易度インフレがある、というのを聞いた。同シリーズでも世代を経るごとに最高難易度曲がどんどん入れ替わっていくというものである。
これを聞いたときにソシャゲかな?と思った。

例えば、DJMAX RESPECT Vは所謂DJMAXシリーズの最新作なので、これがトップレベルに難しい作品だということはジャンル的に普通だということである。
筆者がつまづいている曲は昔はもっと★の数が小さかったのだろう。

そして、このインフレは筆者にとってなかなかにしんどい。
何故なら、個人的にソロコンテンツクリア=「全ての楽曲の全難易度クリア」だと思ってるからである。(DLCは除く)

いつになったら★15をクリアできるようになるのだろうと考えると、あまりに途方もなくて何となく泣けてくる。


・音ゲーをゼロから始める楽しさ


しかし、筆者にとって音ゲーというジャンルは未知の体験でありこれに関してはめちゃくちゃ楽しい。

例えば、音ゲーは他ジャンルのゲーム経験がほぼ活きない、というのを実感している。

マリオやカービィをやっていれば、スマブラやスプラみたいなアクション要素のある対戦ゲーもそこそこできると思う。
FE風花雪月ができれば、ときメモみたいな恋愛シミュレーションやドラクエのようなRPGもできると思う。
しかし、音ゲーにはそれがないように感じる。

これは驚きだし、そこからくる試行錯誤がやはり楽しい。そうでなければ何十時間もやってない。

そして、音ゲー用語など界隈独特の空気が何となく分かるようになる。アンテナが増えることはやはり楽しい。


アンテナが増えると、自分で調べるし曲も聴きまくる。耳が心地よくなる。

ゲーム色々やって来たが、ゲームにおいてまだまだこういう新しい体験ができるのは非常に良い。

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・音ゲーをゼロから始めるしんどさ

一転して、少し暗い内容。

ゼロから始めることは、コストがめちゃくちゃ高い。

ここまで読んで頂いた人の中には「ごちゃごちゃ考えず、マイペースにやればいいのに」と思う人は結構いると思う。
実際にマイペースでやってきて上手くなったんだろうと思う。

ただそれは、子供時代、学生時代や無限に時間があると思っていた時代に毎日好きでプレイして来たからこその「マイペース」である。実際にマイペースでやってきて上手くなったんだろうと思う。
10代から積み重ねてきたマイペースを、今の経験ゼロの筆者が体現できるかといえば正直厳しい。

筆者には音ゲー以外にもやりたいことはもちろんある。絵も描きたいし、他のゲームもしたい、外出もしたいし……。
なので、これから数年もDJMAX RESPECT Vに向き合えるかと言うと自信がない。

つまり、10代から20代の数年と20代から30代への数年の価値が余りに違いすぎるので、今から音ゲーに手を伸ばしてコストをかけていくのは厳しいと思っている。

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これは「ほかのゲームにも当てはまる」と言いたいが、ソロコンテンツ前提だとやはり音ゲーに限ることだと思っている。

最初の30時間がチュートリアルで、ぶつかり稽古で、でも適当にプレイしても上手くならず、さらに講座などインプットも少ない。(なおかつ、自分にはライバルと言える人もいない。)

これらが全て当てはまるゲームが今の令和にあるかと言われると、筆者には正直思いつかない。

RPGなら考えるのが苦手でもレベル上げすれば、エンディングまで到達できる。
アクションは設定で簡単にできたり、クリアまでは簡単でクリア後に高難度というバランス設定にしているものが多い。リトライのテンポを良くしてるものもある。
なんなら、攻略本や攻略サイトを見てクリアする人も多い時代になっている。

一方で、DJMAX RESPECT V全部これに反しているのだ。(適当にやっても上手くならない、クリア埋め自体が難しい、攻略・解説がほぼほぼない)


・それでも音ゲーは「優しい」

散々色々とぶち撒けてはいるが、全部クリア埋めは置いといて、音ゲー自体はとっつきやすいジャンルなのは間違いない。

リズムに乗ることは人間の本能。
サッカーも野球も下手だが、流石に鼻歌ぐらいは歌えるし、手拍子もしたこともある。

音楽自体が身近な世界なので、音ゲーのとっつきやすさはトップクラス。

今はアニソン、J-POPなど多くがタイアップしてる音ゲーも多いので、とっつきやすさはピカイチである。

マイペースにできるのも本当で、時間が許すなら無限にやってしまう魅力がある。(買って1週間は毎日4、5時間やっていた)

そんな魅力たっぷりな音ゲー。しかし、筆者は諸々あってとっつかなかった人間で、今更ながら結構後悔している。



・まとめ


やはり、音ゲーが異質なのは事実だと思う。

クリア埋めは難しいが、一曲ごとに達成感は得られる。
最初の30時間はチュートリアルなのに、とっつきやすい。

こんなゲームは今までに味わったことがない。

筆者は現在2021年8月末時点で★11のクリア埋めをしている。★15までは遠いが、今までクリアできなかった曲を少しずつクリアできていくのは嬉しい。

プレイ時間は60時間を超えて、まだ初心者を通過中といった感じだが、手軽にプレイできるのはとても助かる。

そして、筆者自身は確実に「楽しい」と思っている。でも「もっと早く出会っていたら」と後悔もしている。他の娯楽がある今は、ずっと音ゲーをするという選択肢は取りづらい。

こんなにも複雑な気持ちになるゲームは久しぶりだなぁ、と思った。

一応リンクを貼っておくので、興味沸いた方は是非ともプレイしてほしい。

DJMAX RESPECT V


※おまけ
DJMAX RESPECT V
で個人的に好きな曲を紹介。

Your Own Miracle

平成初期のアニメOPみたいでめちゃくちゃ好き。サビの入りもだし、ノリノリのサビで締めるから最高潮で終われるのが良い。

Tok! Tok! Tok!

ザ・オタクソングという感じでノリがめちゃくちゃよくつい口ずさんでしまう。譜面も歌声に合わせている部分が多く、プレイ自体も楽しい。ロングノーツはやめろ。

Sad Machine

一本の映画を観た気になる曲。洋画のクレジットで流れてたらめちゃくちゃ聞き入ってしまうと思うぐらい飽きない曲。

U.A.D

BGAがオシャレすぎる。変わる代わる色々な格好をしていく女の人。最後に「どれも私!」という感じで集合するのが良い。
曲調はポケモンBWな感じしてノリもテンポ良く聞きやすい。でも、乱打部分は永遠にできないからやめろ!

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