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アンデラことアンデッドアンラックがめちゃめちゃ面白いという話


※これより先は週刊少年ジャンプ連載中「アンデッドアンラック」のネタバレしかない感想文です。まだ読んでない、これから読む予定の方は注意して下さい。

………………いや、ネタバレ食らったところでアンデラの面白さは1ミクロンも変わらん!!!!オタクの気の狂った長文読んで気になったら買ってくれ!!布教にはオタクの発狂を見せるのが一番だってツイッターくん言ってた!!







アンデッドアンラック、略してアンデラは週刊少年ジャンプにて大人気連載中のSCP・UMA・都市伝説といったオカルト要素を全部掛けて一切割らず、そこにラブコメと能力者バトルを足し、最後のトドメに漫画だからこそ出来る表現の面白さをこれでもかと注ぎ込んだ漫画だ。
なんだこの文字列…自分で打っててワクワクしちゃうぞ…。そして何も間違ってないからアンデラのポテンシャルの高さに恐れ慄くな…。

主人公は首を飛ばしても隕石ぶつけられても死なないよく全裸になる男 (※誇張表現無いです)「不死」の能力を持ったアンディと、一見何の害も無さそうに見えるのに「好意を持って触れたら相手に即死級の不運を付与してしまう」という作中きってのトンデモ能力「不運」を持つ少女出雲風子。この二人がバディを組み時にラブコメをしドタバタに周りを巻き込んでいく。ウワ〜〜もうこの時点でめっちゃ楽しい〜〜!!イヤッホ〜〜〜〜〜!!
アンディの望みは不死の能力故に死なない自分に「本当の死」を与えてくれるかもしれない風子を惚れさせて最高の死を味わう事。風子の望みは不運を撒き散らす能力故できなかった女の子らしいオシャレや素敵な恋をし、最高に幸せになって死ぬ事です。二人の目的は一致してるんですね。
ちなみにこれはこの作品における最終目標でもあります。「″不死(アンデッド)″アンディ “不運(アンラック)”出雲風子 この物語はこの二人が 最高の死を見つけるお話」とあるので。
この能力(不○、とつくもの。不死、不運など)を持つ人たちは否定者と呼ばれ、世界のルールを否定する事でそれぞれ効果を発揮。最初は対未確認現象統制組織という否定者達をまとめた組織、通称ユニオンから逃げていたのだが、二巻からは目的の為正式に組織に加入。は、早…っ。ここまで書いといてどう考えても組織加入まで五巻は使っていいくらいの情報力がある…。


という訳でアンデラの凄さその一つ。

展開がとても早く一話一話の情報量が非常に多い

一巻で分かる情報だけでも

・主人公、アンディと出雲風子の出会いと二人の能力
・否定者は周りへの影響から対未確認現象統制組織に捕獲され拷問・尋問待ったなし
・組織にはアンディや風子のように能力を持った者達だけの特別に構成されたチームがある
・追われるくらいなら構成員の二人を殺し空いた席に座っちゃおう!
・組織の能力者二名とバトル(うち一名の能力開示)
・かつてアンディが敗北し組織に捕獲されるきっかけとなった者との再戦闘
・その能力者の能力開示

これだけある。
お、おかしいだろ…これだけあれば三巻くらいは使っていいだろ…。それを一巻にギュギュッと凝縮している。密過ぎる。ソーシャルディスタンス守って下さい。
でもこの展開の速さが気持ちいい。伏線は回収された時が一番「成る程〜!」となって面白いのだが、いかんせん回収までに時間がかかると「そんな話あったっけ?」となりがちだ。
しかしアンデラはこの展開の速さ故に伏線回収が超早い。「あれ…これおかしくない…?」と思った疑問が二、三話のうちに解決するなんてザラ。き、きもちいい〜〜〜!!
しかもだよ!?この伏線のばら撒き方がすごいんだ。さりげなく且つ記憶に残る方法で巻かれてる。漫画の表現が上手いとしか言いようがねえ…戸塚先生凄い…。

私個人の話なのですが、一巻で電車やビルなど物語の舞台を明らかな「現代社会」として描写しつつ一話でいきなり隕石を落とし風子の不運と共に「宇宙」へのイメージを強烈に植え付けた後、五話にて風子が「宇宙って月と太陽以外何も無いじゃないですか」とまるで常識のように読者にとってはとんでもない非常識をサラッと言い、そしてそれを誰も否定しないというシーンがあります。
これ本当に…″″″上手い″″″……。あまりにも…。ビビるわマジで……。たった一巻で「フーン現代が舞台のドタバタバトル系か〜」と思わせておいてすぐ「この漫画、私らが住んでる世界とは決定的に何かが違うぞ?」と思わせてくる。

ちなみにこの疑問への回答は二巻で示唆され本誌にてもう開示済みです。だから早いって。
しかしだからといって全ての伏線が二、三話で回収されるという事では決して無く、何度も読み返して「あっ!これあの時の伏線だったんだ!」となる事もある。まだ二巻しか出てないのにアハ体験がいっぱい出来る。推しは健康にいいとはオタクの狂言でよくある事だが、これはリアルに健康にいい。どうなってんだ…?


コミカルな作風で一見気付きにくい、物凄く死臭の漂う作品。

アンデラの凄さその二。
もうお気づきだろうけどアンデッドアンラック、滅茶苦茶絵が可愛い。輪郭が丸く口と目は大きく描かれ、コロコロコミックに出ていてもおかしくないくらい可愛い。
しかしこの漫画、ぶっちゃけキャラクター死亡率ならこの前完結した鬼滅の刃とそう変わらない。少なくとも私はそう思っている。湿っぽい雰囲気が少なく絵柄が可愛いので気付きにくいが、実は物凄く死臭漂う漫画なのだ。
というか私が愛した女は一巻後半に登場し二巻で死んだ。早い早い!!

そもそもアンディと風子の目的は「最高の死を見つける」なのだ。どれだけ楽しそうに二人がラブコメしようとドタバタに巻き込み巻き込まれしようと最終目的地はそこ。
私はこういう笑いながら死に向かう二人という図にとても弱い。まだ二巻しか出てないのに既にアンデラの終わりに想いを馳せてしまう。

これは完全に妄言なのですが、アンデラの終わりマジでどうなると思う?一話でいきなり隕石落とす宇宙規模の不運、それでも死なない不死、これを凌駕する不運って何…?
私は馬鹿なので地球爆発くらいしか思い浮かばないのですが、いやこれ…″″″や″″″って欲しいな!?「この恋の為に滅べ世界」みたいな、誰からも祝福されず全てから呪われ、ただのエゴの為だけにブッ壊される世界とブッ壊す二人を永遠に愛してるので…。
まぁでもアンディと風子はそういう雰囲気は無いか。周りを巻き込んででも自分たちだけが幸せになりたいとかそういうのは…無…いや本当に無いか…?組織加入時とかもメチャクチャやってるし…アレ…?なんか怖くなってきたぞ…?


アンデッドアンラックへの大まかな凄さポイントはざっとこんな感じです。
次からは各キャラクターについて「ここ好き!」ポイントを上げていきます。本誌のネタバレも入ってますので単行本派の人は気を付けてね。





アンディ

今時珍しいくらいオラオラ系の男。主人公その一。
すぐ全裸になるし風子の不運を付与する為エッチな事になるし、「風子を惚れさせた上でセックスしたらスゲェ不運を味わえそうだ!」とか言っちゃう。実は私、結構アンディの存在ってギリギリだと思ってる…人によってはアウト判定食らっちゃうかなぁ。
ただアンディの気持ちのいいところはあくまで「風子の不運」が目的であって「風子の身体」は目的外なんですよね。女体に興味があるという描写も無し。唯一ジーナに「尻の肉が垂れてる」とか言ったくらいかな?
しかも「風子の不運付与が好感度によって変動する」と分かるや否や「風子を自分に惚れさせる」にシフトチェンジし、風子がヤケになって「今ここでエッチしよう!」と言い出した時には「二度と言うな」とマジギレ、ゾンビの女性が「生前、花嫁になるのが夢だった」と語れば風子に「コイツと式挙げてくる。浮気だってんなら断る」とお伺いを立てる。
…ちょっと見た目からは想像出来ないくらい紳士じゃない!?すぐ全裸になる言動悪辣男のくせに〜!好き〜!!
さらに更に懐の広さがバカデカい。風子の不運を「最高だ」と言い老いたジーナに「シワの数でお前の魅力は変わらない」と言い自分のせいで状況が不利になったと知れば「悪かった」とすぐ反省出来る。なんだろうなぁ本当に気持ちのいい人です。
しかし謎が多い人でもある。ヴィクトルがオリジナル?どゆこと?なんでUMA銀河で追加された曜日の概念を既に知ってたの?あ〜〜〜分からん。


出雲風子

主人公その二。今開示されている否定者の中でもおそらくぶっちぎりでヤバいと思われる。
何せ彼女から一定以上の好意を持たれており、その上で彼女の素肌に触れたら、その後ほぼ回避不可能かつ即死級の不運がやって来る。しかも風子の不運の能力はまだ分からない事だらけ。おまけに彼女はチョロい(アンディ談)ので人をすぐ好きになる。そこが可愛いとこなのですが…。
不運のせいで人生散々だけどめげずに頑張る子かと思いきや、本誌にてアンディを引き戻す為に銃をぶっ放しアンディの血を顔面から被りながら「アンディを返せ!」と叫ぶ、能力もトンデモなら風子自身もトンデモな度胸を持ってました。アンディと合わせてこの似た者バカップルが〜〜!!
ところでそれまで「不死」としか呼ばれてなかった死なない男に「アンディ」という名を与えたのは風子なんですよね。あなたに名前を贈るという図が好きなオタク、こんなの好きになっちゃうでしょ。風子がアンディに名を与えてそこから「アンデッドアンラック」という物語は始まったんですよ。物語と共にアンディの物語も始まった。風子との出会いのおかげで。
そうでなくても風子はアンディにとって文字通りの「致命傷の女」で………勿論アンディも風子にとっては致命傷で………つまりアン風は″″″神話″″″という訳で………(ろくろを回す手つき)


シェン

「不真実」の能力を持つナンパ男で戦闘狂のヤベー奴。アンデラの漫画表現の面白さならシェンが一番分かりやすいかと!
彼は「自分が好きだと思った相手」を「見る」事で「相手が思っている事と真逆の行動を取らせる」という、一見使い勝手が悪そうな能力なのですが、どっこい彼の「ナンパ男」「戦闘狂」という属性がそこをカバーしてくる。ナンパ男故女の子ならすぐ好きになるし戦闘狂故強い奴もすぐ好きになっちゃう。シェン本当に面白いな…。
そして二巻のキャラクタープロフィールを見てから漫画を一巻から読み直すと、ほ、ほんとだ〜〜〜〜!!となる事必至。読めば分かる、読まねば分からんこの凄さは。一番最初に登場した時からシェンの能力は徹底している。戸塚先生…一生付いていくっス!
また、彼が「中国人」であるという事もとても重要だ。結構漫画やアニメでは別の国の人間であるという事をそこまで重要視しないのだが、アンデラはこれが物凄い意味を持っている。
本誌にて言語統一がなされ地球の言語が英語に統一されたのだが、シェンは中国語を覚えたままだ。彼が唯一信頼する部下に中国語で話しかけたら「何ですか?」と聞き返された時のあの…シェンの微妙な感情を押し殺すような表情…いつも笑顔のシェンが…本当に漫画が上手いなアンデラさんは……。


ジーナ

一巻後半に登場し二巻ですぐ死んでしまった私の推し。あまりにも……あまりにも好きだジーナ………!!
素晴らしい。最高。可愛い。お前の笑顔を守りたかった。永遠の16歳という概念で人を狂わせる美しい女。愛してるよジーナ。ごめんジーナの前ではキモオタが更に加速する。本当に…たった五話しか登場してないなんて信じられないよジーナ…。
組織の構成員であり50年前アンディを捕獲した張本人。シンプルでありながら滅茶苦茶可愛いキャラデザ。しかも二巻表紙でピンク髪だと判明した。ヤッタ〜ピンク髪の女の子大好き〜!!
登場してすぐは惚れた男の剥がれた顔面の皮にキスしようとするヤベー女だったのだが(ヤベー女大好きなので私はこの時点で「今回は厳しめに100点付けさせてもらいます」という気持ちだった)戦闘中彼女が風子に向かって言った「私は変わりたくない」から続く言葉が本当に好き。

「私は変わりたくない。ずっとあの時(かわいい)ままでいたい。
 ずっと好きな人と一緒にいたい。
 どれだけ他の人を傷つけても 組織に居座って ずっと彼を追いかけていたい」
「人の最大の変化は死 変わりたいなら一人で変わって!!」

ッッッッッァア〜〜〜〜〜〜〜それまで自分に全く優しくない世界に生き続けた女の子がたった一人の男が救おうとかそんなつもり一切無く言った何でもない言葉に救われてしまってこの恋の為に生きようと誓い50年の地獄を歩き続けたという事実〜〜〜〜〜!!!!!五臓六腑に染み渡る〜〜〜!!
何より彼女の能力は「不変」なんですよ。変わりたくないと言ったジーナの願いそのまま。でもジーナの能力はアンディに恋した16歳の自分をその時のまま止めてくれなかったし、愛した男はジーナと出会った時から全く変わらない本当の不変だった。尽く「あと一歩がどうしても届かない」なんですよジーナは…。

でもジーナも本当は変わりたかった。
為すがまま組織に入って為すがまま働いて、沢山捕えて殺して、だけどジーナは何も変えられなかった。こんな所だけ不変だよお前は…どんだけ不器用な女だよ…。
最期はアンチエイジングが切れ、66歳の姿に戻りながら死んでいくという、それまでのジーナの言動振り返るとそんな地獄みてえな死に方あんまりだよという事になるのだが、ここでアンディがまた″″″最高″″″をぶつけてくる。

「バカが シワの数でお前の魅力は変わらない」

ミ°ッッッッッ………………。
あのね、この台詞がどれだけ凄い意味を持つのかこれはアンデラを読んでないとイマイチ伝わらないんですけどこれは、本当に、すごい台詞なんですよ。
アンディは変わる=死と捉え、変わる事に喜びを抱いている。一方ジーナは本心はどうであれ変わりたくないしアンディに恋した16歳のままでいたかった。
そのジーナが16歳の時から途方もなく離れた姿になって、なのに目の前の愛した男は50年前から何も変わらない姿で、もう本当に、この時のジーナの惨めさときたら筆舌に尽くしがたいと思うんです。
その時に「変わらない」と言ってくれるアンディが本当に…それにどれだけ救われた事か、多分あなたは知らないな……(メランコリーキッチン)

これさ〜ジーナがアンディに惚れた時も「彼が言ってくれた言葉に救われた」なんですよ。でもアンディはその言葉を覚えてないの。
私はこういう、本人が救おうとか助けようとか全く思ってない何でもない言葉に勝手に救われる人が好きだし、愛に生きる人の「きっとあの人は私じゃなくても同じ事を言っただろうし、私だって同じ言葉を別の人がくれたらその人を好きになっていた。でも実際自分が好きになったのはあの人なんだ」という、運命じゃないロマンチックじゃないハッキリ言って交通事故みたいなどうしようもないきっかけが大大大大大好きなんすよ。
その人だけの輝かしいものの為に、届かないと分かっていながらそれでも星に手を伸ばし続ける人が好き。だからジーナが大好き。

風子が組織に入ってからジーナの上着を身につけるようになったの感謝しかない。私の推しが世話になりました。アン風には一生頭が上がりません。




こんな所でしょうか。まだまだ語り足りないけどいい加減にしないとマジでとんでもない文字数になるのでいい加減自重します。まだ二巻と本誌三話しかないのにこれだけ語ってまだ足りないってマジでどうなってんだ…。何度でも新鮮に驚いちゃうな…。

そして次にくるマンガ大賞、コミックス部門にアンデッドアンラックがノミネートされました!!

ヤッタ〜〜〜〜!!

絶対テッペン取って欲しいので投票しました。は〜アンデッドアンラックさん、滅茶苦茶売れてTRIGGERにアニメ製作してもらって欲しいわ。オタクなので要望を隠しません。
まだ投票してないという方、是非是非是非!アンデラに!清き一票を!よろしくお願いします!!



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