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クリエイティブ×テック×ビジネスの均衡点:Galapagos Supporters Book①

シリーズAで累計13億円の資金を調達したAIR Designのガラパゴス。
そこには株主や顧問、社外取締役という形でガラパゴスを支える、たくさんの支援者の存在があります。
ガラパゴス・サポーターズブックでは、そのような外部の支援者と、ガラパゴス代表・中平の対談を通して、ガラパゴスとAIR Designの魅力をお伝えしていきます。

記念すべき1回目は、PreシリーズAからガラパゴスに出資し、伴走してきたArchetype Venturesの野村さんです。

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野村美紀 プロフィール
Archetype Ventures | Senior Associate
Yコンビネーター卒業企業であるサンフランシスコの教育系スタートアップ 「Make School」のジャパンカントリーマネジャーを経て、米国本社でGrowthチームのリードを務める。クリエイティブ制作会社でのソフトウェア開発の経験も。2019年より現職で、B2B Techのスタートアップ に特化した投資・バリューアップに従事している。東京大学卒、UCバークレー留学。

待ち望んだ、デザイン業界のスタートアップ

ーー中平さん、まずは野村さんとの出会いについて教えてください。

中平:もともとスマホアプリの受託開発をしていた我々が、AIR Designで最初の資金調達を目指していた2020年の初頭くらいに、Archetype Venturesのパートナーである中嶋さんにお会いしました。

「受託からの挑戦なんです」ってお伝えしたら、「そのテーマ、今まで3回失敗しているんだよね。リベンジマッチしよう!」と盛り上がり、とても共感していただきました。そこから野村さんが担当してくれて、改めてAIR Designの事業について議論したんですが、デザインのことを分かっている人だな、という第一印象でした。

野村:分かっているなんてとんでもないですが、最初のキャリアがクリエイティブの制作会社で、UnityとかiPhoneアプリ、Webサイトなどのソフトウェアから、3Dプリンターなどのハードも触っていて。クリエイターやデザイナーとのお仕事が多かったので、言語は分かる感じです。プログラム書いてものづくりできる人、かっこいい!と純粋に憧れていた時代ですね。Make Schoolではグロースマーケティングをしていたので、AIR Designのサービスとの共通言語は多かったかもしれないです。

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▲Make School時代の野村さん。アメリカ本社でマーケティングのリーダーとして、データでKPIを可視化して成長を牽引した経験は、AIR Designのバリューアップにも活かされている。

野村:中平さんと初めてお会いした時は、とてもストレートで元気な方が来たな、という印象でした(笑)。そこからピッチデックを拝見したり、経営陣ともお話しする中で、すごく良いチームだなと感じるようになり。

もともと新卒からの自分のテーマとして「クリエイティブとテックとビジネスの均衡点を見つけて、そこでものづくりしたい」という想いがあったので、「あ!見つけた!」みたいな感覚でした。デザイン業界のスタートアップが少ないこともあり、なかなか見つからないテーマだったので、内心とてもワクワクしていました。

中平:でもそのあと色々ありましたよね。我々もPreシリーズAでは50社以上の投資家を回ったんですが、9割からはお断りされていて。Archetype Venturesさんとも最後、「行くんですか、行かないんですか」みたいな押し問答がありました。

野村:最初の印象通り、ストレートでしたよね(笑)。実はドラマがありましたね、ここまでスムーズに資金調達してきたように見えて。

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PreシリーズAの評価ポイントと、その後の伴走

ーーPreシリーズAのタイミングで評価いただいたポイントは何でしょうか。

野村:チーム力と、プロダクトが明確で誰のためのサービスか分かりやすいこと、待ち望んでいたデザイン領域の挑戦だったこと、の3点ですね。

チームのところは、創業メンバー3名の結束力ですね。Co-Founderって日本では少ないというか、いても結局独りになってしまうことが多い。ちゃんと対等に話せる仲であることはすごいなと思いました。

プロダクトについては、すでに売上も立っていました。SaaSではなく、当時はまだサブスクリプションモデルにもなっていなかったんですけど、デザインに困っているマーケターの役に立つというサービスの本質が大事であり、プライシングは戦術の話なので、議論して変えていけると思っていました。

中平:評価してもらえてとても嬉しかったです。そしてそこから伴走がはじまって、キャピタリストとしての野村さんも大きく成長された印象がありますね。

野村:私、もともとスタートアップ側としての意識が強くて、なかなか投資家として割り切れなかったんです。だからですかね、投資家としての責任を変に感じすぎていて、自分の発言でスタートアップの戦略が変わってしまうのが怖かった。でも中平さんは、「取捨選択するのは僕たちなので、何でも意見ぶつけてください。」って言ってくれて。そこから思い切りいけるようになりました。

中平:その取捨選択についてのスタンス、僕らは強いですね。これからもガンガンご意見ください。事業部のメンバーと鬼の壁打ちみたいな時期もあったし、間が空くと逆にかまってもらえてない?みたいな(笑)。全速力でここまで走ってきましたね。

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成長を確信し、シリーズAで共同リードに

ーー今回のシリーズAでリードインベスターを担うことになった経緯を教えていただけますか。

野村:資金調達のお話を伺った時点で、私としては迷いなく「追加出資しますよね」と社内で話していました。「これをやらずに何をやるんですか」というくらいの私の勢いに、社内も耳を傾けてくれました。

もちろん当初の仮説通りのものじゃないこともありつつ、成長と吸収の速度がものすごく早い。シリーズAのこのフェーズで、課題を精緻に可視化して、要因を分析して、対策を打つサイクルをグルグル回しているってなかなか無いと思います。そしてこれが経営陣だけじゃなくて、組織全体の文化として根付いていることが大きくて、ちゃんと仕組みになっているのが強さですよね。

あとはコミュニケーションの透明性が高いことですね。ここまでご一緒してきた中でも、BAD NEWSはいち早く報告してもらっていて。とても信頼しています。

中平:透明性は確かに、意識して実践していますね。Archetype Venturesさん含めて、うちの株主はみなさんハートウォーミングなので、いつも助けてくださるんですよ。そういう経験があるから、こちらもオープンに開示しようと思える、とても良い関係が築けていますね。だから、既存株主のArchetype VenturesさんがシリーズAのリードを買って出てくれたのは、本当に嬉しかったです。

野村:これまで伴走してきた中で、まだまだできることがあると感じています。うちは一人ひとりのキャピタリストがバリューアップに貢献することを重視しているので、ちゃんとリードという立ち位置で、ここから先もガラパゴスの成長にコミットしていきます。

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B2B特化のファンドとして、全方位的にサポート

ーーこれからのArchetype Venturesさんの役割をお聞かせください。

野村:今回のファイナンスで新しい投資家さんも加わって、これからレイターステージや上場後の目線も入ってくると思います。これまでの歴史を一番長く知っている、私たちにしか見えないものって本当にあるので、そこをピュアに指摘して支援し続けるつもりです。B2Bのサービス特化でやっているファンドとして、シード・アーリーからエグジットまで多くの事業を見てきていますので。何かファイナンス、顧客紹介、という特定の支援ではなく、全方位的にサポートしていきたいですね。

あとは、これからの組織をどうしていくかが、とても大きなテーマだと思っています。人が命の事業ですから、デザイン業界で変革を起こしていくにあたり、どうやっていろんな方々に認知してもらうか、どんな企業だと思ってもらいたいか。そういったことを含めて、組織を進化させることに貢献できるよう、しっかり議論していきます。

中平:Archetype Venturesさんだからこそ見えるもの、本当にそうですね。心強い限りです。ちょっと抽象的ですが、スタートアップへの支援はフェーズによって、地上戦を助けるステージと空中戦を助けるステージがあると思っています。だんだん空中に上がっていく感覚で、一緒に成長していきたいですね。

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未来の仲間へのメッセージ

ーー最後に、ガラパゴスに関心を持っていただいている方へ、メッセージをお願いできますか。

野村:そうですね。成長の基礎ができたタイミングですが、まだ固まり切ってなくて、事業的にやることがたくさんあるという、ものすごく面白いフェーズを体験できると思います。

またデザイン業界ってスタートアップが少ないので、何か新しい挑戦に興味がある人、たくさんいると思います。デザイン×イノベーションの交差点にある会社って本当に少ないので、稀有な存在になっていくと確信しています。

少しでも興味をお持ちの方は、ぜひフラットにご連絡ください!私も喜んでお話ししますので!

中平:ぜひぜひ、お待ちしております!

▲ガラパゴスの採用情報はこちら。幅広いポジションで仲間を募集中です。

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▲カレーの名店「共栄堂」にて。ガラパゴスのオフィスがある神保町はカレーの街。ランチには困りません(今はフルリモートなので滅多に機会がありませんが…)。

※掲載している写真は全て、撮影時のみマスクを外しており、対談中はマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保と換気の実施など、感染症対策を徹底しております。

(文責:ガラパゴス髙橋・豊田)