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PLAYLIST:Reggae Feeling - レゲエ・アーティストじゃないアーティストのレゲエ(ぽい)曲たち

僕は昔からレゲエが好きでした。最初はジャマイカ人がやっているレゲエを買っていたんですが、次第にジャマイカ人以外のアーティストがやっているレゲエ曲を集めるようになりました。

エリック・クラプトンがボブ・マーリーの名曲をカヴァーした「I Shot The Sheriff」がもっとも有名なレゲエ以外のアーティストによるレゲエのひとつだと思いますが、要はこういうのを集めるようになったわけです。

ちなみに僕がこの手のレゲエに魅了されたきっかけはニーナ・シモン『Baltimore』です。ランディー・ニューマンの曲をジャズ・ヴォーカリストがフュージョン系の名手が揃ったバンドでレゲエ・アレンジでカヴァーするというこの曲の音楽としてのすばらしさだけでなく、いろんなジャンルが重なった文脈も含めて、大好きになりました。

僕はそういう類のレゲエ曲をDJをする際によくかけています。ここではその自分が好きでかけている曲をプレイリストという形でシェアする記事です。

ちなみにスカとダブ、ダンスホールに関してはここでは省いていて、ルーツレゲエ要素を取り入れた曲を選んでいます。

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イギリスのロック・ポップス

ジャマイカはイギリス領だった時代もあり、今でも英連邦王国のひとつなので、イギリスにはジャマイカ移民が多い。そんなイギリスではレゲエも盛ん。エリック・クラプトンやローリング・ストーンズなどが早い時期にレゲエをやってましたが、その伝統は70年代からずっと続いています。

・Linda Lewis - My Grandaddy Could Reggae 『Not A Little Girl Anymore』
・The Rolling Stones - Cherry Oh Baby 『Black and Blue』
・Led Zeppelin - D'yer Mak'er 『House of the Holy』
・Elton John - Jamaica Jerk-Off 『Goodbye Yellow Brick Road』
・Jeff Beck - She's A Woman 『Blow By Blow』
・Robert Palmer - What's It Take 『Secrets』
・10cc - Dreadlock Holiday 『Bloody Tourlist』
・Sting - Englishman In New York 『...Nothing Like the Sun』
・Culture Club - Do You Really Want to Hurt Me 『Kissing to Be Clever』
・Simply Red - Night Nurse 『Blue』
・Fairground Attraction - I Know Why the Willows Weep 『Kawasaki: Live In Japan - 02.07.89』
・Lilly Allwn -Smile 『Alright, Still』

イギリスのパンク、ニューウェイブ、パブロック

パンクとニューウェイブにはジャマイカからの影響がかなり大きかったのは有名な話。クラッシュが代表的だし、ポリスもこの枠か。レゲエだけでなく、スペシャルズやマッドネスなど2トーン・スカ、ポップ・グループやスリッツなどのダブの影響を消化したポストパンクなどは有名で、セックス・ピストルズ解散後にジョン・ライドンが結成したパブリック・イメージ・リミテッドもダブの影響大。あと、パブロックのアーティストもレゲエをやってる。シャッフルビートと相性がいいのも関係あるのかしらって思ったり。

ダブ×パンクに関しては『Wild Dub - Dread Meets Punk Rocker Downtown』という大名盤コンピレーションがあるのと、クラッシュがカヴァーした曲の元曲を集めた『Revolution Rock A Clash Jukebox』ってコンピレーションがあるので、その辺を聴いてみるといろいろわかります。

・The Clush - The Guns of Brixton 『London Calling』
・Ian Dury & The Blockheads - Lullaby for Franci/es 『Do It Yourself』
・GRAHAM PARKER - When I Was King 『Struck by Lightning』
・Nick Lowe - Heart 『Nick the Knife』
・Elvis Costello - Watching The Detectives 『My Aim is True』

イギリスのクラブ・ミュージック

ジャマイカのカルチャーはイギリスのあらゆるところに。ブリストルのカルチャーの中でもレゲエやダブが重要な要素に。マッシブ・アタックがレゲエ・シンガーのホレス・アンディとコラボしてたり、この手の文脈は山ほどあります。

・Massive Attack - Karmacoma 『Protection』
・Smith & Mighty - Brain Scan 『The Three Stripe Collection(1985-1990)』
・Nightmares on Wax - No Fuss 『In a Space Outta Sound』

アメリカのロック、ポップス

レゲエを早くに取り入れたことで知られるポール・サイモンをはじめ、レゲエやそれっぽいリズムを取り入れた曲は多くはないが、それなりに。シンディー・ローパーの大名曲を共作したアメリカのバンドのフーターズもレゲエが得意なバンドだったり。

・Billy Joel - All You Wanna Do Is Dance 『Turnstiles』
・Paul Simon - Mother and Child Reunion 『Paul Simon』
・Steely Dan - Haitian Divorce 『The Royal Scam』
・Boz Scaggs - Love Me Tomorrow 『Silk Degrees』
・Ry Cooder - It's All Over Now 『Paradise and Lunch』
・Linda McCartney - Mister Sandman 『Wide Prairie』
・Cyndi Lauper - Hey Now(Girls Just Wanna to Have Fun)『Twelve Deadly Cyns...And Then Some』
・Hooters - 500 Miles 『Hooterization: A Retrospective』
・Garland Jeffreys - Christine 『Escape Artist』
・Lenny Kravitz - Eleutheria 『Are You Gonna Go My Way』

ジャズ

ワールドミュージックのひとつとして多くはないけど、ジャズミュージシャンもレゲエに取り組んでいたみたいです。とはいえ、即興演奏にはあまり向いていなかったから、かなり探さないと出てこないです。ジャズでレゲエと言えば、ジャマイカ出身のピアニストのモンティ・アレキサンダーがもっとも有名。レゲエのリズムとジャズの即興演奏を自然に融合させています。

・Monty Alexander - Love Notes (feat. George Benson, Ramsey Lewis & Joe Sample) 『Harlem-Kingston Express, Vol. 2 - the River Rolls On』
・Herbie Mann - Bend Down Low 『Reggae II』
・Solar - Eat I-Tal 『Food Faith for My Mind』
・Moses Taiwa Molelekwa - Down Rockey Street 『Genes and Spirits』
・Eric Gale - East Side West Side 『Negril』
・渡辺貞夫 - GOOD TIME FOR LOVE 『GOOD TIME FOR LOVE』
・NEW ZION TRIO - Hear I Jah 『Fight Against Babylon』
・Miles Davis - Time After Time 『You're Under Arrest』
・Don Cherry - Butterfly Friend 『Home Boy』
・David Sanborn - Blue Beach 『Back Street』

イギリスのジャズ

80-90年代からコートニー・パインやギャリー・クロスビーなどのジャマイカ移民のジャズ・ミュージシャンが頭角を現したことでレゲエとの関係も一気に活性化。ジャマイカのスカ・レジェンドとのコラボレーション・プロジェクトのジャズ・ジャマイカが結成されたり。そういった動きを経て、コートニーやギャリーと親子ほど歳の離れた教え子たちが2010年代末にシーンに登場し、そこからまたジャズシーンでのレゲエも活発に。ジャマイカ移民のプレイヤーも多い。

・Joe Armon-Jones - Icy Roads (Stacked) 『Turn To Clear View』
・Zara McFarlane - Freedom Chain 『Arise』
・Ezra Collective - Red Whine 『You Can't Steal My Joy』

世界各地のレゲエ

挙げればきりがないので有名なところだけ。フランスのセルジュ・ゲンスブールはレゲエに取り組んだ代表的な存在。ブラジルはけっこう多くて、バイーア地方のグループのオロドゥンはサンバとレゲエを合体させたサンバヘギを生み出してて、マイケル・ジャクソンとの共演で世界的に知られていたり。あと、ハワイにもレゲエは多くて、ハワイアン・レゲエみたいな独自のカルチャーがあります。

・Lizzy Mercier Descloux - No Golden Throat 『Press Color』
・Caetano Veloso - Giulietta Masina 『Caetano』
・Gilberto Gil - Goodbye My Girl (Norte Da Saudade) 『Nightingale』
・Laid Back - Sunshine Reggae (Mix '82) 『Good Vibes』

イギリスのR&B

イギリスではラップに関してもトラップよりもグライムが強かったり、独自の状況があるわけですが、ソウルやR&Bのシンガーがレゲエも歌うケースが少なくなくて、その在り方もイギリスらしくて面白いです。エイミー・ワインハウスはレゲエ曲がかなり多いので、僕はDJの時に必ず持っていきます。

・Amy Winehouse - Moody's Mood For Love / Teo Licks 『Frank』
・Jorja Smith - Let Me Down (feat. Stormzy)『Let Me Down』
・Joss Stone - Less is More 『Mind, Body & Stone』
・Estelle - Come Over 『Shine』

アメリカのソウル、ファンク

アメリカのソウルやファンクには多くはないけど、それっぽい曲がいくつか。プリンスがやってるのが面白いですね。

・War - Why Can't We Be Friends? 『Why Can't We Be Friends?』
・Prince - Ripopgodazippa 『Crystal Ball』
・Jazmine Sullivan - Baltimore 『NINA REVISITED: A Tribute to Nina Simone』
・Bobby Womack - So Many Sides Of You 『The Poet』
・Stevie Wonder - Master Blaster (Jammin') 『Hotter Than July』
・Chaka Khan - Isn't That Enough 『Hello Happiness』
・Johnny Nash Stir It Up 『I Can See Clearly Now』
・Fertile Ground - Naked 『Black is...』

アメリカのヒップホップ、R&B

レゲエをサンプリングした曲など、意外とあるので面白いです。ビヨンセやリアーナがドーン・ペンの「You Don't Love Me(No No No)」をサンプリングしてるので聴き比べるのもいいかと。ビヨンセのバージョンはビーチェラでお馴染みの『Homecoming Live』で聴けます。あと、レゲエをサンプリングした曲をつないだミックスCD『Double Barrel Raggae Samples and HipHop Classics』がサウンドクラウドにあって無料で聴けるのでこの辺が好きな人はぜひこれをどうぞ。

・Run D.M.C. - Roots, Rap, Reggae 『King of Rock』
・JAY-Z - Bam (feat. Damian Marley) 『4:44』
・Warren G - I Shot the Sheriff 『Take a Look Over Your Shoulder』
・Alicia Keys - Girl Can't Be Herself 『Here』
・Meshell Ndegeochello - Forget My Name 『Comet, Come to Me』
・Rihanna - You Don't Love Me (No, No, No)『Music of the Sun』
・Jazmine Sullivan - Need U Bad 『Fearless』

日本のロック、ポップス

サザン・オールスターズから頭脳警察のPANTA、S-KEN、じゃがたら、西岡恭蔵などなど、探せば山のようにありますが、ここではプレイリストにBGM用途も欲しかったのでこんな感じで。加藤和彦『パパ・ヘミングウェイ』収録の「アラウンド・ザ・ワールド」あたりが最初期の名盤でしょうか。70~80年代にレゲエを取り入れてた人と、ボサノヴァを取り上げていた人が結構かぶるのが面白い。

日本人のポップミュージックの中にあるレゲエ曲なら『RELAXIN’WITH JAPANESE LOVERS』って大名作コンピレーションがあるので、さらに知りたい方はぜひそちらを。

・南佳孝 - Midnight Love Call 『MONTAGE』
・松田聖子 - トロピカル・ヒーロー 『SQUALL』
・高橋ユキヒロ - セ・シ・ボン 『サラヴァ!』
・佐野元春 - エンジェル 『The Circle』
・一風堂 - ミステリアス・ナイト~OUT Side/IN Side 『REAL』
・憂歌団 - ラヴ・イズ・オーヴァー 『知ってるかい!?』

90年代以降の日本のロック、ポップス

意外な人がやってるので他にもあったら教えてください。

・スピッツ - 自転車 『スーベニア』
・安藤裕子 - よいこのクルマ 『shabon songs』
・朝日美穂 - 許せない奴 『ホリアテロリズム』
・曽我部恵一 - LOVE-SICK BEST 『2001-2013』
・クラムボン - はなれ ばなれ 『Re-Clammbon』
・UA - 情熱 『11』
・EGO-WRAPPIN' - A Love Song 『Swing for Joy - EP』
・フィッシュマンズ - 夏の思い出『Chappie, Don't Cry』 
・bonobos - Lovers Rock 『Electlyric』
・Tam Tam - コーヒーピープル 『New Poetry』

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柳樂がDJでよくかける曲(YouTubeにしかないもの)

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