佐倉義民伝_タイトル

歌舞伎、始めました

仕事でたまに東銀座駅を利用していましたが、歌舞伎座には綺麗なトイレを借りるくらいしか立ち寄ったことがありませんでした。お洒落したニコニコ顔のマダムを横目に、一生、歌舞伎には縁が無いんだろうなと思っていました。が。縁、ありましたw

これが観たい

あるとき本を読んでいたら、「佐倉義民伝」という演目が歌舞伎に存在することを知りました。
義民の世界 佐倉惣五郎伝説 - 国立歴史民俗博物館

調べると、惣五郎伝説が史実なのかは分からない。けれども、その時代に佐倉藩が物凄い飢饉に見舞われ、農民がバタバタと亡くなり、脱藩者も多く出て、土地に残っている農民が更に重税に苦しむ…ということがあったそうです。そして、惣五郎という名主は当時の佐倉藩に実在している。果たして本当に惣五郎が、佐倉の農民のために自らの命を賭して将軍に直訴したのか…

うわあ!!惣五郎めっちゃカッコいい!!私、これ観たい...!!!
その日から歌舞伎座を通る度に(佐倉義民伝やってないかな~?)とポスターをチラ見する日々が続きました。

…そして数年が経過。(全然やってくれなかった笑)

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よっしゃ!!あった…!!! 長い片想いが実り(?)2018年10月、歌舞伎座に突撃することが決定しました。
(以下、慣れない”ですます調”を封印)

チケットを買う

初めての歌舞伎なので、ネットでチケットの予約方法を調べる。専用のチケットサイト(チケットWeb松竹)があった。うーん、座席はどこが良いのだろうか…? ジャニオタ経験を生かし、ステージ構成を想定しながら最良の座席を考える。
ここで注意したいのは必ずしも値段と見やすさはイコールではないということ。同じランクの座席でも大体うしろ&サイド3~4列は、この値段なのにこの視界??あっちは同じ値段でめっちゃ見やすそうなのに??となる。それはJコンサートで経験済み。 そして花道より左は見切れ席だろう。推しの尻を眺めるのも良いが、出来れば顔を見たい。加えて、花道は歩くだけではなく、舞台との継ぎ目手前(七三/しちさん)で、見得を切ったり、少し芝居をしたりするらしい。たまに下からせり上がって(スッポン)役者が登場するらしい。なにそれそこも見たい...。

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色々考えた結果、3階の東側ちょい中央寄りにした。(割と良い席で、以降ここで良く見ている。むしろここでしか見ていない。おすすめは2列以内、4列目だと花道は見えない)初めてだから心細い...誰かと一緒に行きたい...と、母を誘った。「お!良いね~!」と気軽に乗ってくれた。

当日

歌舞伎座で発券し、イヤホンガイドと双眼鏡を借り、筋書(パンフレット)も買った。準備万端である。会場に入って思いのほか規模が小さいことにびっくりした。基本的に肉眼で見ることを考えたら、このサイズ感なのかもしれない。なんだ3階席、余裕じゃん!! 東京ドームで米粒大の推しを見慣れているジャニオタは感動した。

席に座り、演目の直前にあらすじを予習。正直、時代背景も分からず、登場人物も多く、ほぼ理解できない。でもなんとな~く頭に入れれば大丈夫。あとは、イヤホンガイド様が良い仕事をしてくれる。これめっちゃ便利…!!絶妙なタイミングで解説してくれるので、初心者さんは是非借りてほしい。有ると無いとじゃ、歌舞伎エンジョイ度が雲泥の差である。
3階席は双眼鏡もあったほうが良いと思う。表情が見れる。キラキラのおめめが見れる。玉の汗も見れる…!!! 私は着物の柄や、小道具もガッツリ見たいので、殺陣や全体を使っての踊り以外は基本覗いている。3階は気兼ねなく双眼鏡を構えられるので良い。周りにも野鳥の会メンバーの同志が揃っていて心強い。

観劇後はイヤホンガイドと双眼鏡を返却し、舞台写真ブースへ。展示されている見本を見ながら、欲しい番号を控えてお店の人に渡す。...この仕組み…知ってる...!!と、ジャニショ通いのオタは思うのだった。(ジャニーズショップでも同じ仕組みで写真が買える。L版、1枚160円)
しかし、これまた並ぶ写真がヤバい。綺麗。豪華。可愛い。欲しい。そして驚きの1枚500円。TAKAI。(サイズはでかい。2Lかな?)しかし流石に良い場面が多く、厳選しても軽く10枚は突破する。何も考えなかったら20~30は行く。泣く泣く厳選に厳選を重ね、5枚に絞った。ここで推しが確定した笑  
隣のお土産屋さんは家紋グッズや、過去作品DVD、書籍、和小物、ハガキや便せん、お菓子、限定グッズ等々、見ていて飽きない。こちらでもしっかり散財する。楽しい...楽しいぞ…!!!


…と、ここまで色々書いたが、初歌舞伎はとても面白かった。泣いた。即、推しが出来た。Jコンサートでは頑なに双眼鏡を買わなかったが、歌舞伎を1回見ただけでこれは買わねばならないとヨドバシカメラへ走った。興奮度合いを感じていただきたい。...当日の舞台内容は一切話していないのに、この文字数である。演目の感想は別記事にしなければならない。でないと永遠に終わらない。

歌舞伎座には最上級のお洒落をして行かなきゃいけない…!!上流階級の劇場…!!と思っていたが、3階席は意外とラフで(もちろん綺麗な着物のかたもいるが)、私の隣にジーンズでふらっと座ったおじさまがカッコ良かった。一幕見席という当日券もあり(3~4演目のうちの好きな一幕だけ見れる。4階自由席、立ち見席・椅子席有/600~2000円)、ちょっと時間が空いたから歌舞伎~♪ という選択肢も持てるようになった。大人だ。

おわりに。そして、これから

中学の頃から新選組が好きで、ずっと江戸時代にタイムスリップしたいと思っていた。出来れば江戸時代で長屋暮らしをしたいと今でも考えている。
歌舞伎を見たら驚いた。そこに生きている江戸があったのだ。普段着として着物を着て、日本髪を結って、当時の道具を使い、生活している人々がそこにいた。市井の人にも歴史上の人物にも物語がある。時代は違えども、恋愛で苦労したり、家族への深い愛情があったり、仕事で苦しんだり、ちょっとの勘違いが大きな事件になったり、正義があったり、悪があったり、人間の悩みや感情は古今東西変わらない。本当に感動した。

今後、色んな演目を見れるのが楽しみでしょうがない。知れば知るほど、あれも見たいこれも見たいと想いが募る。今、周りの友達を巻き込んで、楽しく観劇をしている。同世代にも、もっと若い子達にもどんどん足を運んでもらいたい。歌舞伎はとっても面白い

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