KIMONOプロジェクトのオリンピックお披露目が叶わなかった理由が凄惨だった

KIMONOプロジェクトがオリンピック開会式のコンパニオン衣装になれなかったことに納得がいかず、オリンピック開会式後に調べに調べまくった。
せめて閉会式や各種目表彰式には出てほしいなと思っていたのだが、どうやら悲しいことにそれも叶わないようだ。

「オリンピックコンパニオン衣装として不採用になったのは前々からで、高倉さんらはその不採用の理由に納得していた」といった内容は趣意書に書かれていた。趣意書にはその肝心な理由についての詳細記述がなかったので我々一般人にはわからないが、納得したといえるだけの理由はちゃんとあるらしい。ちなみに、この不採用通知は2019年12月であったとの情報をKIMONOプロジェクトサポーターの方から頂いた。TwitterのDM上でやりとりさせて頂いたうえ、前理事である高倉さんとスタッフの方々直々の確認による訂正部分とのこと。

日本の夏の暑さは長時間振袖を着て笑顔で笑うには余りにも厳しすぎる。着付けやメイクにスタイリングなど、かかる人材確保その人材への給与の額についても大変だろう。実現していたとしてお披露目の裏ではコロナ禍において密の状態を生む訳で、無観客セレモニーにしてまでコロナ感染対策を徹底した以上、本末転倒になってしまう。

……確かに、まあ、不採用になるだけの理由の候補はただのファンである私にだっていくらでも思いつくわな。着物ってクソ暑いもんな。冷えピタ大量貼りで切り抜けられる気温じゃないしな。

とはいえ、だ。このKIMONOプロジェクトの趣旨のひとつでもある「日本の伝統に立ち返る文化の継承」「世界平和」がオリンピックに起用されずしていつ本領発揮するんだよと、プロジェクトのいちファンである私はもやっと思うわけだ。

なので色々調べてこの記事を打つに至ったのだが、どうやらプロジェクトやってる会社が乗っ取り被害にあったようで。

以下にその経緯をまとめた。かなりざっくりかつ衝動的に打っているので、矛盾がないことを願う。


とある老舗呉服屋「蝶屋株式会社」の取締役をされている高倉慶応さんが、

・日本の伝統文化、国内国際社会に関する諸問題を調査研究して日本の伝統文化の発展を正しく図り、国際交流を通じた相互理解、親善を助長して世界の平和と反映に寄与するとともに、次世代のリーダーを育成するための修練、社会奉仕及び会員の連携を図ること(定時社員総会招集通知書より引用)

・ただのボランティア要請ではなく賛同者の寄付金で技術者とデザイナーに相応の値段をちゃんと支払い、本物の技術でその着物を完成させたい

・伝統技術を駆使して作られた真の着物を継承していきたい

などの理由から、今の日本にできる最高芸術で世界全ての国を着物と帯で表現する「KIMONOプロジェクト」を提案。
プロジェクトを運営・実現するための会社「一般社団法人イマジンワンワールド」を立ち上げ、代表として自ら寄付者や同志となる社員、スポンサーを集める。日本全国の選りすぐりの職人やデザイナーたち及び世界各国の大使と連携し、運営代表として従事。

着物213体(帯も含めると倍の426着)は当初の予定通り、2014年から昨年の2020年6月のうちに全て完成。京都では展示もあったものの、世界へ発信すべく格好のチャンスになるはずだったオリンピックは残念ながらコロナの影響により延期になってしまう。

創始者である高倉さんはイマジンワンワールド代表を退き、今度はプロジェクトのプロデューサーとして尽力することに。

高倉さんは前職を辞めてまで本気でこのプロジェクトに取組もうという行動力を見込んで、次の運営代表として手嶋信道氏に引き継ぐ。

その手嶋氏が実は超危険人物だった。

手嶋氏は着物への造詣ゼロ、発起当初から携わり続けていたプロジェクトを心から愛する着物の知識と愛と情熱に溢れた社員を軒並み一掃。それだけに留まらず、社団法人の資金を理事会に内緒で複数口座から引き出すやら理事会の許可なく事務所の賃貸解約やら勝手な代表者印変更やらをしようとしたりするというとんでもない方向性の行動力に走るヤバさを遺憾無く発揮。社団法人乗っ取り計画の始まり始まり。事務所宛ての郵便物を自宅に届くよう転送届出したり貴重なスポンサー相手に理不尽に怒鳴りつけるほかその他その他その他、権力を得た手嶋氏の問題行動が天井知らずにエスカレート。
※この詳細を自分の目で把握したい方は、ネットに出回っている趣意書や定時社員総会招集通知書といった公式資料の画像を要チェック。ただし相当エグすぎるので心して読んでほしい。なぜこの記事にリンクがないのかは記事終了後のコメント欄に記載あり。

オリンピック組織委員会内で選手団入場式の衣装予算は1着一万円以下という予算削減の規定が可決。
一国につき200万円の寄付金で作られたKIMONOプロジェクトに限らず、西陣など和装をコンパニオン(※)の衣装として提案していた各種団体の意見全てが事実上組織委員会から一掃される。和装を出さないセレモニーへの道はここからスタートしたわけか。
※ コンパニオン/ここでは、選手団を進路の両脇で踊りや拍手などで歓迎してた人達、各国選手団の国名プレートを持つ先導員や最後を歩く人など、選手団をサポートする人員すべてを指す。

『高倉氏、めげない。コンパニオンの衣装としての起用が無理ならば、と無観客開催を逆手に取ることにした。からっぽになる予定の客席に全ての着物を国名や団体名が分かるように並べて展示したいと提案。理想であるコンパニオンの着用によるおもてなしはできずとも、着物達そのものが各国選手団入場を客席から歓迎するという展示物での参加の形を推し、政界にも賛同者が現れオリンピック開会式三日前のギリギリまで粘る。
「コンパニオンの衣装」ではないので予算を考慮する必要なくKIMONOプロジェクトを世界に発信し見てもらえるという抜け道を見出したわけだ。これぞプロデューサー。これぞプロデュースの本質。展示物になればむしろ着用時に帯に隠れてしまう柄も全て見られるじゃん天才。紛うことなき天才。』

↑この『』部分に対し、先述した不採用通知詳細について同様、KIMONOプロジェクトサポーターの方から訂正のご指摘を頂いた。何と、不採用通知後に展示をと提案したこの『』の内容は全て手嶋氏によるものとのこと。つまり、高倉さん派の皆様は不採用通知の時点で真摯に受け止めとっくに引き下がり、気持ちを切り替え前を向いていた訳だ。
なのに手嶋氏がこのプロジェクトを知る人々にオリンピック披露の勝手な夢を無責任に抱かせ続けた挙句、落胆させるに至った。驚愕にも程がある。
規則の抜け穴を就いてお披露目の機会を探り続けた熱意は、発案が誰であれプレゼン仕事ならば当然の工夫だからまだいい。交渉とはそういうものだと思うから。このオリンピックがまたとない格好の機会になるから諦め難いのもものすごくわかるから。
……ただ、「オリンピックでの展示が叶わなかったのは全て蝶屋が着物を返してくれなかったせいです」は話が違う。そこに責任転嫁するのは駄目だよ。

……話を本筋に戻そう。ここで手嶋氏の暴挙具体例を新たに紹介。各種イベントに貸し出した着物の返送先を、社団法人と貸出先に無断で、自ら貸出先に成りすまして手嶋氏自宅住所に変更するよう配送業者に依頼したというのだ。
何度も言うが、手嶋氏の暴挙全てはネットに上がっている趣意書と定時社員総会招集通知書にも実にわかりやすく載っているし、どちらの書類も不当な除名を受けた社員の方による公開画像なので、ちゃんと真実を知りたいという方はそちらも読んで頂いたほうがいい。私はこの記事を今かなりの感情的な衝動で打っているので、この記事はあくまでも私の主観だ。この記事を事件を知るための資料扱いとして読むのはやめた方がいい。それだけはやめてほしい。真実は人の筆を追って掻い摘むものではなく、自分で探り当てるものだから。

着物213着全ての保管先は、初代運営代表である高倉さんが代表取締役を務める蝶屋株式会社である。
返却先変更の理由はどうあれ、事実上着物を私物化したにも等しい手嶋氏の自宅に着物を保管など、もってのほか。

手嶋氏はまたまた代表の権力を遺憾無く発揮し、前代表の高倉氏が営む蝶屋株式会社との着物保管業務提携を解除要請。

手嶋氏の手に渡れば着物全てが完全に私物化されるのは目に見えており、制作に関わった全ての人を裏切る行為となる。
手嶋氏の暴挙を許さない高倉氏は、高倉氏自らクリーンな管理ができるよう、着物を手嶋氏率いる悪の手から守るべく、社団法人からの保管業務解除要請を断固拒否。

手嶋氏「自分達で管理したいから着物を全部社団法人に返せって言ってるんだけど、蝶屋株式会社さんが肝心の着物を社団法人に返してくれない。開会式に使ってくれとお願いし続けてきたが飾ろうにも現物が手元に無い、どうしよう(要約)」

オリンピック組織委員会の開会式演出グループ「社団法人に着物が無いなら飾りようがない。残念ですが展示計画は諦めて下さい(要約)」

メディア記事「オリンピック3日前のギリギリまで社団法人が蝶屋株式会社と組織委員会双方に働きかけていたが、オリンピックでの展示お披露目を断念することとなった。保管業務を担っていた蝶屋株式会社が業務提携解除要請に答えず社団法人に着物を返却しなかった理由による(要約)」

……メディアの書き方が、ものによっては蝶屋株式会社さん側が完全な悪者にされた記事になっている。
報道である以上は、手嶋氏・高倉さん双方の主張を分け隔てなく取材・調査するべきではないのだろうか。手嶋氏側の主張のみを報道したのなら、次は高倉さん側の主張のみを報道するものではなかろうか。


ものすごくざっくりまとめたが、KIMONOプロジェクトがオリンピックで日の目を浴びられなかった裏にはこういった経緯があったわけか。

手嶋氏は高倉さんを悪者に仕立て上げ、伝統技術の継承や平和へのプレゼンを目的とした着物達をあたかもオリンピックアピール作品であるかのように会社ごと趣旨を捻じ曲げ、本来生まれる筈のなかった「オリンピックお披露目」なんて余計な糠喜びの事態を引き起こしたわけだ。
それに加えて、下調べを全然してないメディアを通じて世論が社団法人に対して「着物を返して貰えないせいでオリンピックお披露目が叶わなかったなんて可哀想」と安直に味方してくれさえすれば、社団法人は高倉さんの根負けを待って着物全てを私物化できる手筈が整いつつある現状。


怒りを通り越した先にあるものはそれより煮えたぎる怒りでしかないことを私は知った。

高倉さんのプロジェクトにまつわるインタビュー記事や公式の乗っ取り被害告発は、調べればすぐにネットで見つかる。高倉さんや除名された社員ご本人様方がFacebookで乗っ取り被害の真相を話していらっしゃる。Twitterのスレッドに各種発言へのリンクをツリーにしてあるので、そちらから時系列を追って読むと参考になるかもしれない。
誤解の生み様のない実にシンプルな文章ばかりなので、時間がある方は是が非でも関係者各位の実際の声を読んでほしい。どうか、私のこの記事を鵜呑みにせず、御自身の目で多方向からこの件について調べてほしい。頼む。真実は自分の努力で精査して頂きたい。


高倉さんがどれだけ和服と和服に使われる技術と技術者を愛しているか、公式発言を読めば一目瞭然だ。
手嶋氏がどんだけヤバい後継なのかは、何度も繰り返すが、私のこの記事を鵜呑みにするのではなく、趣意書及び定時社員総会招集通知書といった公式文書の画像の内容を読んでほしい。自分で調べる作業において、これらは最短で手に入る真実だ。この記事に私が書いたことの他にもひどいことが多々起きていると分かって頂けるはずだ。

このKIMONOプロジェクトにおいて、私は高倉さんを、蝶屋株式会社さんを支持する。
高倉さんの着物を愛するインタビュー記事を信じたいのだ。技術者の生活を救うための真っ当な予算を賛同者からの無理のない寄付で賄って嘘偽りなく支払うという形で真の技術へ敬意を表した高倉さんの和服界への貢献が素晴らしいと感じたからこそ、KIMONOプロジェクトを応援しHPを眺めて各国の完成報告と更新を楽しんできた。
私は直接携わった職人でもデザイナーでもない、ただの一般人だけど、どうしてもこのやりきれなさを吐き出さずにはいられなかった。
数多の人の愛が紡ぎ、織り、染めて縫い上げられたこの日本の宝213体は、現在の社団法人に絶対に引き渡してはならない。何が何でも守り抜かねばならない。

私には高倉さんと彼の仲間の皆様を応援する気持ちしかない。
悔しさに任せてこんな記事を書くしかできない。
自分の無力さが心底悔しい。
高倉さんを、蝶屋株式会社さんを、高倉さんが信じる仲間の皆様を守るための財力も地位も権力も、私には何一つない。
それがただただ悔しい。

高倉さんはきっと、私が思うより遥かに苦しんでいらっしゃる。
高倉さん、負けないでとは言いません。いくら負けても泣いてもいいから、手嶋氏には絶対に屈さないで。
せめてこの記事を通して、私の祈りが高倉さんの膝を支える杖の一筋になれますようにと願う。

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